二級建築士 平成28年度 学科III (建築構造) 解答解説①
平成28年度 学科III (建築構造) ー1/5
[ No.1 ]
図のような断面におけるX軸に関する断面二次モーメントの値として、 正しいものは、次のうちどれか。
1. 1,136 cm4
2. 2,144 cm4
3. 2,208 cm4
4. 2,272 cm4
5. 4,288 cm4
答え
2
[ 解答解説 ]
設問のような断面におけるX軸方向に関する断面二次モーメントを求めるには、IA – ( IB + IC)
を求める。
断面二次モーメント
I = b × h3/12
IA = 9 × 163/12
=9 × 16 × 16 × 16 / 12
= 3072 cm4
IB = 6 × 123/12
=6 × 12 × 12 × 12 / 12
= 864 cm4
IA = 1.5 × 83/12
=1.5 × 8 × 8 × 8 / 12
= 64 cm4
IA – ( IB + IC)
= 3072 − ( 864 + 64 )
= 2144 cm4
[ No.2 ]
図のような荷重を受ける単純梁に、断面90mm×200mmの部材を用いた場 合、A点の断面下端に生じる縁応力度σとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、 縁応力度σは下式によって与えられるものとし、部材の断面は一様で、荷重による部材の変形及び自重は無視するものとする。
1. 13 N/mm2
2. 17 N/mm2
3. 22 N/mm2
4. 32 N/mm2
5. 35 N/mm2
答え
2
[ 解答解説 ]
設問より縁応力度
σ = N/A ± M/Z で求める。
N = 36 kN = 36000 N
A = 90mm × 200mm = 18000mm2
M =pℓ/4
=9000N × 4000mm/4
= 9000000 N・mm
Z = bh2/6
= 90mm ×(200mm)2/6
= 600000mm3
以上より、
σ = 36000N /18000mm2 + 9000000N・mm/600000mm3
= 2 +30/2 = 17N/mm2
従って、2が正解となる。
[ No.3 ]
図のような荷重を受ける単純梁において、A点の曲げモーメントMAの大きさと、A-B間のせん断力QABの絶対値との組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。
答え
4
[ 解答解説 ]
①C点の曲げモーメントを0として、D点の支点反力を求める。
つり合い条件式よりΣMC = 0となるので、
8kN × 2m + 2kN × 6m – RD × 8m =0
16kN・m + 12kN・m −8RDm =0
RD =28kN・m / 8m = 3.5kN(上向き)
②A点の曲げモーメントMAは、A点から右側の全ての曲げモーメントの合計から求める。
MA = –2kN × 2m + 3.5 kN × 4m
= –4kN・m + 14 kN・m
= 10kN・m
③A−B間に仮定した0点より右側を選択する。QABを上向きに仮定し、つり合い条件式ΣY0=0よりせん断力QABを求める。
3.5kN – 2 kN + QAB = 0
QAB = –1.5kN( –で下向き)
従って、4が正解となる。
[ No.4 ]
図のような外力を受ける静定ラーメンにおいて、支点A、Bに生じる鉛直反力RA、RBの値と、C点に生じるせん断力QCの絶対値との組合せとして、正しいものは、 次のうちどれか。ただし、鉛直反力の方向は、上向きを「+」、下向きを「-」とする。
答え
1
[ 解答解説 ]
①つり合い条件式ΣM= 0より、支点反力RBを求める。
ΣMA =0より、
8kN × 2m − RB × 4m = 0
RB = 4kN(上向き)
②つり合い条件式ΣY =0 より支点反力RAを求める。
RA + RB = 0 より、
RA = –4kN(下向き)
③C点より右側を選択する。QCを上向きに設定し、つり合い条件式ΣY = 0よりせん断力QCを求める。
QC + 4kN = 0
QC = − 4kN(下向き)
従って、1が正解となる。
[ No.5 ]
図のような外力を受ける静定トラスにおいて、部材Aに生じる軸方向力の値 として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、軸方向力は引張力を「+」、圧縮力を 「-」とする。
1. +4√2 kN
2. +2√2 kN
3. - √2 kN
4. -2√2 kN
5. -4√2 kN
答え
5
[ 解答解説 ]
リッターの切断法により、部材Aの軸方向力NAを求めるが、部材Bの軸方向力NBを先に求める必要がある。
①ΣMC = 0 より
–2kN × 2m – NB × 2m = 0
–4kN・m – 2NBm = 0
NB = –2kN(圧縮)
②ΣMD = 0より
–2kN × 4m – 2kN × 2m
+ 2kN × 2m– NA × √2m = 0
–8kN・m – 4kN・m
+ 4kN・m– √2NAm = 0
NA = − 8/√2 =−4√2kN(圧縮)
となり、5が正解となる。