二級建築士 平成28年度 学科II (建築法規)解答解説④
平成28年度 学科II (建築法規)ー4/5
[ No.16 ]
都市計画区域内における建築物の延べ面積(建築基準法第 52条第1項に規定する容積率の算定の基礎となる延べ面積)又は建ぺい率に関する次の記述のうち、建築基準法上、正しいものはどれか。ただし、用途地域及び防火地域以外の地域、地区等並びに特定行政庁の指定・許可等はないものとする。
1.敷地に接する道路の幅員によって、建築物の建ペイ率の制限が異なる。
2.エレベーターの着床階における昇降路の部分の床面積は、事務所の用途に供する建築物においては、延べ面積に算入する。
3.建築物の地下にある自家発電設備を設ける部分の床面積は、建築物の各階の床面積の合計の 1/50を限度に、延べ面積には算入しない。
4.老人ホームの地階で、その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの老人ホームの用途に供する部分の床面積は、原則として、当該老人ホームの用途に供する部分の床面積の 1/5 を限度として、延べ面積には算入しない。
5.準工業地域(都市計画で定められた建ペイ率は 6/10)内、かつ、防火地域内で、角地の指定のない敷地において、耐火建築物を建築する場合の建ぺい率の最高限度は 7/10 で ある。
答え
5
[ 解答解説 ]
1.×
法第53条にはこのような規定はないので、誤り。
2.×
法第52条第6項では、用途を問わず当該部分は延べ面積に算入しないので、誤り。
3.×
令第2条第1項第4号ニ、同条第3項第4号により、誤り。正しくは1/100である。
4.×
法第52条第3項では、1/3を限度としているので、誤り。
5.◯
法第53条第3項第1号イにより、正しい。
[ No.17 ]
建築物の高さの制限又は日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限) に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等及び地形の特殊性に関する特定行政庁の定め等は考慮しないものとする。
1.第一種低層住居専用地域内における 10m又は 12mの建築物の高さの限度について は、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した建築物については、その高さの限度を超えることができる。
2.第一種中高層住居専用地域内又は第二種中高層住居専用地域内のうち、日影規制の対象区域内においては、北側高さ制限は適用されない。
3.建築物の敷地の前面道路に沿って塀(前面道路の路面の中心からの高さが 1.4mで、 網状その他これに類する形状であるもの)が設けられている場合においては、前面道路の境界線から後退した建築物に対する道路高さ制限の緩和を適用することができる。
4.商業地域内において、隣地高さ制限によりその高さが制限される建築物について天空率を適用する場合、天空率を算定する位置は、隣地境界線からの水平距離が12.4mだけ外側の線上の政令で定める位置とする。
5.日影規制において、建築物の敷地が道路に接する場合、当該道路の反対側の道路境界線を敷地境界線とみなす。
答え
5
[ 解答解説 ]
1.◯
法第55条第3項第1号により、正しい。
2.◯
法第56条第1項第3号かっこ書きにより、正しい。
3.◯
法第56条第2項、令第130条の12第3号により、正しい。
4.◯
法第56条第7項2号により、正しい。
5.×
法第56条の2第3項、令第135条の12第3項第1号により、誤り。
[ No.18 ]
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面から建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間の高低差並びに門及び塀はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定・許可等はないものとし、日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)及び天空率は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
1.20.00m
2.22.50m
3.25.00m
4.27.00m
5.27.50m
答え
2
[ 解答解説 ]
①道路高さ制限(法第56条第1項第1号)
法別表第3、1の項により、最大幅員である8m道路の道路斜線の適用距離は(は)欄で 20mとなり、同条第2項による有効後退距離を加えてもA点のところまでに(に)欄の数値 1.25がかかる。
そして、北側 4m道路の反対側に 6mの川があるので、令第134条第1項の適用でこれを合計した 10mの道路があるものとみなす。上記と同様に道路斜線の適用距離は 20mであり、有効後退距離を加えても A点のところまで(に)欄の数値 1.25がかかる。
さらに、令134条第2項の適用で 8m道路側に 10mの道路があるものとみなし、道路斜線がかかる。
この場合、A点は北側の 4m道路側からの道路斜線が厳しい(有効後退距離の違い)ので、こちらで検討する。
〔 10m + ( 2m× 2 ) + 4m}× 1.25 = 22.5m
②隣地高さ制限(同条同項第2号イ)
東側隣地と建築物の水平距離は 4mなので、
20m + {( 4m + 4m ) × 1.25 ) = 30m
以上のことから、① < ②となり2が正解となる。
[ No.19 ]
2階建て、延べ面積 150m2の一戸建て住宅に関する次の記述のうち、建築 基準法上、誤っているものはどれか。ただし、地階及び防火壁はないものとし、防火地域 及び準防火地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。
1.準防火地域内において外壁を耐火構造として新築する場合、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
2.準防火地域内において木造建築物として新築する場合、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造としなければならない。
3.防火地域内において新築する場合、屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないもの及び屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。
4.防火地域及び準防火地域にわたり新築する場合、準耐火建築物としなければならない。
5.防火地域内において高さ 2.1mの塀を設ける場合、その塀は、不燃材料で造り、又は覆わなければならない。
答え
4
[ 解答解説 ]
令和元年6月の改正法施行により、法第61条と法第62条が統合され、構造等の仕様は令第136条の2に移行された。
1.◯
法第63条により、正しい。
2.◯
法第61条、令第136条の2第3号イにより、正しい。
3.◯
法第62条、令第136条の2の2により、正しい。
4.×
法第65条第2項の規定により、令第136条の2第1号の基準に適合する建築物としなければならない。
5.◯
法第61条、令第136条の2第5号及び告示第194号により、正しい。
[ No.20 ]
次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1.建築基準法第3条第2項の規定により建築基準法令の規定の適用を受けない建築物について政令で定める範囲内において移転をする場合においては、同条第3項第三号及び第四号の規定にかかわらず、建築基準法令の規定は、適用しない。
2.建築基準法第12条第7項の規定による立入検査を拒んだ者は、50万円以下の罰金に処せられる。
3.建築基準法第6条第1項第一号の建築物の新築において、指定確認検査機関が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたときは、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。
4.工事を施工するために現場に設ける事務所についても、建築基準法第 20条の規定は、適用する。
5.文化財保護法の規定により国宝として指定された建築物であったものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたものは、建築基準法の規定は、適用しない。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
法第86条の7第4項、令第137条の16により、正しい。
2.×
法第99条第1項7号により、誤り。正しくは100万円以下である。
3.◯
法第7条の6第1項第2号により、正しい。
4.◯
法第85条第2項により、正しい。
5.◯
法第3条第1項第4号により、正しい。