穴にハマったアリスたち

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(第14話)トロピカル~ジュ!プリキュア「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」感想

2021年05月30日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■ (第14話)トロピカル~ジュ!プリキュア「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第14話より)

顧問の先生の紹介で、保育園の保育体験をすることになりました。
この先生、ぼんやりして見えるけど密かに優秀なのかもしれない。
保育士体験は毎年の恒例とのことなので、おそらくは例年の手順(希望者を募るといった)があったはず。それを「部の活動に良さそう」と引っ張ってきた。
これまでの「備品持ち込みの許可」といい「サンドアート大会の段取り」といい、常人にはいまいち分かりにくいトロピカる部の活動に、やたらと理解があります。夏海さんも成人したら、あんな感じの方になるのかもしれない。

保育体験そのものは、特にはイレギュラーもハードルもなく、和やかに大成功。
「ローラが問題なく受け入れられている」ことは特筆したい。
劇中では全く描写されていませんが、おそらくローラは「歩けない人」と認識されたと思われます。そしてそれが問題視もされないし、イベント事になるでもない。わざわざ言及するまでもなく、騒いだり認めたりすることでもなく、ごく普通に溶け込んでいる。
今回の舞台であれば、「ローラお姉ちゃんは何で歩けないの?」みたいな疑問をぶつけられる展開もおかしくはなさそうですが、今ではもう時代遅れなんだと思う。そういう個々の事情は当たり前に日常にある。

改めて考えてみれば、ローラは影に隠れる必要が全くないんだな。さすがに学内だと在校生でないことが問題になってしまいますけど、外であれば尾びれを隠せば「歩けない」ことは障壁にならない。
以前の変装の際には「無理に歩く」ことを試みていたのが、今回は素直に「飛び跳ねて」移動しているのも、何か良いです。あの時は「「歩けない生徒」の存在は風紀委員の目をごまかせない」と思い頑張ったのか、それとも後から「歩けなくてもトラブルにはならない」と気づいたのか。

そうして保育に参加したローラは、見事なお仕事ぶりを発揮します。「女王様候補が保育士体験」となると、思うようにいかず壁にぶつかるようなストーリーになりがちな気がするのですが、そうはならない。「お仕事ぶり」というか、素の彼女が人を率いるに向きまくってるのだと思う。いやもう何か、回を重ねるごとに「確かにこれは女王候補だ」と納得しまくりです。
虫にせよ「地上の姫の作法」にせよ、人魚としての矜持は持ちつつ、地上文化を先入観を持たずに吸収しまくってます。「誰かと遊ぶ暇なんてない」と豪語なされていたのも、彼女にとってはすべてが女王となるために必要なことであり、女王の職務に活かせるとの自負故だと思います。いや過剰評価してる気がするけど。サカナへの高評価が止まらない。

現女王様は案外あとまわしの魔女はどうでもよくて、研修の一環として送り出してるだけだったりしないだろうか…。冷静に考えてみれば、戦力が揃ったんだから王国の防衛に戻す方が自然なはずなのに、その素振りが全くない。地上に来る敵を迎撃しているだけなので、このままだと戦いが終わる日が来ません。ローラはその辺、どう認識してるんだろう?

虫少年の価値観を否定しないのも、友達と遊ぼうを殊更に強調しないのも、時代を反映していると共に、ローラの背景にも沿ってるように思う。その上で虫少女との出会いを好意的にとらえているのも、とても良い。

トロプリのキーフレーズ「今一番大事なこと」を、第6話時点では「タイミングが限定され、先々に活きること」「将来を見据えた上で、優先順位や機会損失や適切さや妥当性を、適時判断して行動せよ」だと受け取ったのですが、相羽さん(Twitter)がもっとビシッと言葉にされていたので引用したい。

[引用]
1000の問題の解決策のコアになるようなエッセンス的な対処能力が身につくAct(行動)
[引用終]
「トロピカる」というAct(行動)の質の向上~『トロピカル~ジュ!プリキュア』第1クールのエッセンス

園児の皆々様はまさしくそれを身につける大事な時間を歩み始めているわけで、保育士体験はド直球です。改めて顧問の先生が優秀すぎる。部のポリシーを(たぶん夏海さん本人よりも)理解しきってないか。

虫が大好きなあの少年少女が、直接的に虫に関する仕事をするのかはわからない。無関係な職についたり世間一般と同様な虫嫌いになったりすることの方が多そうだし、二人の関係も卒園とともに疎遠になり、やがてお互いの存在すら忘れてもおかしくない。でもそれとは別に、興味のある分野を調べるとか、それを分かってもらえた嬉しさとかは、人格形成の根っこになるはず。

あの子らはサナギを気にして避難が遅れた。リアルでいえばこれは極めて悪手です。火事の最中に、玩具を取りに戻るようなものだ。
ですがテーマとしては分かります。あの子たちの根っこの大事な部分であり、幼いながらも必死に守ろうとしている。そしてそれを守るものこそ、プリキュアだ。おぉ…、ここにきて、人魚さんに押されがちだった「プリキュア」の存在感がでてきた。

「子供を守って戦う」図はこれまでも何度も出てきましたけど、「トロプリ」さんは例年以上にメッセージを感じます。
エルダの出撃の背景が「分かってもらえなかったこと」だったりするのも対比になってるように思えるし、何かトロプリ熱が止まりません。まだ14話でこれとは、今後どういう展開になるんだろう?

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(第13話)トロピカル~ジュ!プリキュア「ドタバタ校内放送!響け、人魚の歌!」感想

2021年05月23日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第13話)トロピカル~ジュ!プリキュア「ドタバタ校内放送!響け、人魚の歌!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第13話より)

人魚さんといえばお歌。
太古の昔から歌声一つで船を沈めてきた勇壮なる歴史に、夏海さんも興味津々。
ねぇねぇローラも船沈めたことあるー?魂とか抜くよねー?

しかしながらローラの反応は意外に冷たく。曰く、そんなことはしないそうです。
我々の史実に基づくなら、「人魚が歌う」のイメージはギリシア神話のセイレーンによるらしい。セイレーンが何故歌うかといえば、元々鳥の化け物だから。鳥だから歌う。
それが姿かたちが人魚に変化した後も特殊能力「歌」は残ったままだったので、「人魚=歌う」のイメージがついたと思われます。
したがって、ローラが歌で魂抜いたりしないのはリアルです。人魚さんからすれば風評被害もいいところ。

ただ歌うこと自体はお好きな様子。海の中って水圧のせいで娯楽や技術に制約あるものな。歌が娯楽として進歩するのは納得できる。
同じ理由で武器としても発展しそう。現にクジラ等々、音響兵器を実装しています。やっぱり魂抜いたりするんじゃないかしら。物理的に。

さて夏海さんらは昼の校内放送に出演することになりました。
この過程のドタバタぶりが凄まじい。

たまたま廊下で放送部に遭遇する。
みのりん先輩のクラスメイトの縁もあり、出演を希望。
本番前に現場を見学。
その最中に放送部員がダウン。
急遽台本を引き継ぎ、生出演。
台本読めない。放棄。
虫襲来。
夏海さん一時離脱。
「声しか聞こえない」ことを逆手にとり、ローラも参加。

めくるめく急展開。夏海さんは3秒先すら考えていない。今を生きすぎる女。あの子、脊髄反射だけで生きてないか。
テーマ「今一番大事なこと」をひしひしと感じます。計画どおりにはいかない、やりたいことだけやっててもダメ。その場その場で最善を目指すんだ。
あと、ちゃんと出番に備えてスカートを自作するとか準備も大事。マーメイドが履くからマーメイドスカート。
すぐに退場なされた放送部の方も、「台本を全員分用意する(今日は見学の予定なので、本来ならなくても問題ない)」と地味に準備を頑張ってます。たぶん、放送に興味を持ってくれて嬉しかったんだと思う。

夏海さん以外の面々も相も変わらずでよいです。
コスメ好きで売ろうとして、虫女として周知されたと思しき涼村さん。段々、立ち位置を確立してきた気がする。

色々あった末に、最後の最後でいよいよローラのお歌。
人魚といえば歌。ずっと「歌う」「歌わない」と引っ張りに引っ張り、ついにお披露目された歌。
良いお歌です。「次期女王」の政策理念も感じる。

しかも歌詞に「歩幅を合わせ登ったら」とあります。人魚やアザラシに歩幅はないでしょうから、この歌は陸に来てから、陸棲生物向けに作った新曲もしくはアレンジと思われる。まぁタコとかをイメージした歌だったりするのかもしれませんが。
いずれにせよ聴き手を想定したチョイスなわけで、ローラの心配りが垣間見えます。

今回のお話もそうですが、トロプリさんは「人魚」と「トロピカる部(および夏海さん)」が上手く機能しまくってて、毎回楽しいです。
色々なことに首を突っ込む動機があり、その色々な場面に「人魚がいたら」のシチュエーションでお話がガンガン進む。逆も然りで、「あの状況に人魚さんを放り込もう」というネタを、トロピカる部はザクザクと実現できる。
やっぱり人魚さんは素晴らしい。「謎生物」「引率キャラ」を姿を変えることなく一人二役しつつ、今までのシリーズでいうところの「料理」とか「ファッション」のような物語の下敷きとなるジャンルまで引き受けてくれてる。

今作は「プリキュア」というより、良い意味で「人魚モノにプリキュアがいたら」感があります。プリキュアというより、人魚さん。
そろそろプリキュア卒業かと思ってたうちのお子様も、かつてない勢いで視聴してます。この基軸は大成功だと思う。

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(第12話)トロピカル~ジュ!プリキュア「没収!アクアポットは校則違反!?」感想

2021年05月16日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第12話)トロピカル~ジュ!プリキュア「没収!アクアポットは校則違反!?」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第12話より)

トロピカる部が風紀委員に目を付けられました。罪状は「最近話題の人魚騒動」。
学内は今、謎の人魚で大混乱。アザラシ的な何かを携えて跳梁跋扈する様が、各所から。
曰く実害も出ているとかで、疑心暗鬼が空気を澱ませていく…。

風紀委員としては事態の収拾を図るのは当然のこと。
トロピカる部を疑うのも真っ当です。最初から決めつけていたのではなく、抜き打ちで検査したら妙なリアクションだった。だから監視レベルを上げたところ、やっぱり何かおかしい。
事実、夏海さんらが犯人ですし、挙動不審になったのは人魚を隠蔽しようとしたからなので、風紀委員はすこぶる優秀です。限られた情報で、よく見抜いたものだ…。
描写はされていませんが、トロピカる部のドッキリ企画とでも誤解してそう。正体不明の部活内容も、先日のサンドアート大会から考えるに「校内イベント部」のようにも受け取れますから、人魚騒動をでっちあげて後でネタ晴らしとかは、いかにもやりそうな気がする。

そんな経緯でアクアポットも没収されました。つくづく勘の良い方です。校内が騒ぎになっているのは事実なのだから、彼女の行動は何ら間違っていない。
むしろ「こうなったら正体を明かそう」に行きつかなかったのが不思議です。ローラは隠れることに屈辱感を覚えている(本心をごまかすのを良しとしないのだと思う)ようなので、堂々と取り返しに行きそうにも思えたのですが…。そこは矜持を曲げてでも穏便に乗り切ろうとしたあたり、ローラも何か成長なされたんだろうか。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第12話より)

諸々ごまかすにあたり、尾びれの先っぽに片方ずつ靴を履き、二足歩行を再現してみた。
ところで、サカナやジュゴンにこれはできるんだろうか?
聞きかじった程度の知識しかなく、正確なところが分からないのですが、サカナのひれ部分には筋力はない?のであんな立ち方はできない?ジュゴンやクジラの「尾びれ」は「しっぽ」?ですから左右を別々に動かすのは無理?
つまりはこの動きができたということは、やっぱりアザラシやアシカの仲間なんじゃないかしら。

最近読んでる「人魚の文化史」(リンク)によれば、キリスト教圏でのマーメイド像は「尾を二股に分けている」デザインだったとか。要は「聖職者を惑わす、大きく股を開いた怪物」が発端のイメージ。いわれてみればスターバックスのロゴデザインの人魚もそうです。魚部分を二股に分けて、片手ずつで持ち上げてる。
私的には人魚=サカナであって欲しいと思うのだけど、「下半身がサカナ」ではなく「脚部に鱗が生えている生物」と考えた方がいいのかもしれない。なので二足歩行もどきができたのも、それほど驚くところではないのかも。

それはともかく、従来の謎生物のように「ぬいぐるみの真似をする」とか「鞄に隠れる」とかができないだけで、何かやたらに楽しいです。
くるるんが本当に何の仕事もしていない点も含めて、今年の謎生物枠は最高すぎる。人魚さんはやっぱり素晴らしい。
せっかくの特徴を活かすためにも、これからもずっとサカナのままでいて欲しい。

あと「何の仕事もしていない」という意味では、涼村さんもすこぶる良いです。居ても居なくてもストーリーが変わらない。素晴らしい。
夏海さんもあすか先輩も、結果的には何も貢献できておらず、みのりん先輩だけで部が回ってるのがなかなか奇妙で面白い。この絶妙のバランスはどこまで続くんだろう。

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感想:小説「魔法つかいプリキュア!いま、時間旅行って言いました!?」

2021年05月15日 | 小説版プリキュア
■小説「魔法つかいプリキュア!いま、時間旅行って言いました!?」


小説「魔法つかいプリキュア! いま、時間旅行って言いました!?」

以前に感想は書いたのですが、カテゴリ「小説版プリキュア」を作ったのでこちらにまとめてみる。
(以前の感想記事:「リコのパラドックス」)

改めて振り返ってみると、クシィ関連がやっぱり熱いです。「闇の魔法で過去に戻れる」と示されたので、色々と妄想が広がります。
前回の感想では「クシィは現代人」説を唱えてみましたが、もっと単純明快に考えてみよう。

①クシィは校長と同時代の人。「大いなる災い」に悲嘆した彼は、闇の魔法を習得。
これにより「過去に戻る」タイムトラベル手段を得る。

②現代魔法(推定4000年前)に限界を感じ、未来の魔法技術を取り込むことを思いつく。
未来にいくことで「大いなる災い」がどのように襲来するかもわかる。

③何らかの手段で未来に旅立つ。自己封印でもコールドスリープでも「未来に行く」魔法でもウラシマ効果でもなんでもいい。
未来に行くのは容易なので、たぶん何かで実現できる。

④未来にいったクシィは校長と「再会」。最終話のあのシーン。そこで事の顛末を知る。

⑤闇の魔法で過去に戻り、「大いなる災い」への切り札たる「プリキュア」を信じ、悪役「ドクロクシー」を引き受ける。
歴史どおりプリキュアが出現し、そして「大いなる災い」の撃退に成功する。

アニメ本編・小説の内容のいずれにも矛盾していない、はず。闇の魔法で過去に戻れるのなら、この手段を使わない方がむしろ不自然とも思えます。
「ルール無視」のムホーに嘲笑された魔法が、実は「歴史を変えない」「ルールを守る」が故にムホーに打ち勝った、踊らされていたのは魔法ではなくムホーの方だった、というのは個人的にかなりカタルシスがあります。
真相は不明なれど、私としてもう「こういう設定だったんだ」と妄信したい。


小説「魔法つかいプリキュア! いま、時間旅行って言いました!?」

【追記】

この小説はルビ付き。なのでうちのお子様も読書黎明期に黙々と読みふけってた。おかげで時間ネタの概念に触れて、映画「ミラクルリープ」を初め時間モノが結構ブームになってた。私らの世代でいうところの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいなものだろうか。
モノが「時間」ネタなだけに、なんか時を超えるちょっとした感慨があったりなかったりする。

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(第11話)トロピカル~ジュ!プリキュア「もりあがれ!海辺のサンドアート!」感想

2021年05月09日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■ (第11話)トロピカル~ジュ!プリキュア「もりあがれ!海辺のサンドアート!」


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第11話より)

先週、惨憺たる試験の結果に悶絶した夏海さんでしたが、何をどうやったのか追試はどうにか乗り越えられました。多分、先生方の温情テストだったんだと思う。先生も補習とかやりたくないだろうし。

晴れて釈放されたので校内企画「サンドアート大会」を開くことに。創立して間もないのになかなかに活動的です。
迎えた当日、参加したのは5サークル。意外に多いというかリアルな数字です。
察するに美術部はアートイベントだから。料理部は先日の調理室の際にコネができたのか。園芸部は土つながりでしょうか。
野球部と柔道部はよくわかりません。休日2日を使う気合の入ったイベントなので参加しづらそうですが、勝手な想像と先入観でいえば「女子4名の部活」に興味を惹かれたんだと思う。そりゃ参加したい。トロピカろう。

和気あいあいと盛り上がる一同を横に、ローラは終始不満げ。砂をいじって何が楽しいのか。
彼女は決して好奇心が低いのではない。今回も空飛ぶグライダーには興味津々で、後の雨の際にすぐに思い出し、活用しています。
今までの傾向を見るに、「海の中でできないこと」に強く惹かれてるんだろうか。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第11話より)

ところで、ジュゴンの造形のアドバイスに自分の尾びれを見せていましたが、人魚さんの尾びれはジュゴンのそれに相当するんだろうか。
ジュゴンは「足は退化して胴にめり込み、尾が尾びれに変化した」生き物です。間違ってたらごめんなさい。
もしも人魚さんがジュゴン(海牛類)ならば、ローラの尾びれは足ではなく尾です。
個人的にはローラには歩いて欲しくないのですけど、伝統的なマーメイド像にのっとり、尾びれが足に変化するのだとしたらアシカやオットセイ(鰭脚類)の仲間だと思う。

途中で雨が降ったり、やる気のない方の襲撃を受けたりもしましたが、イベントは盛況のうちに終了。

夏海さんの描いた設計図は、思いの迸りは分かってもそれだけでは先に進めない。
手直して目標をはっきりさせて動き出したが、やりながらより良い工夫が見つかった。
イレギュラーによる変更もありつつ、出来上がったのは計画とは違ったもの。でもとても良い物になった。
トロピカる部の創設時の経緯等々と同じ発想です。好きなだけではダメ。計画だけでもダメ。方向性を決めた後にその場その場で臨機応変に動く。

思えばローラの散歩もそれに通じます。
「外を出歩くな」と言われたのに勝手に出歩く…のは謎生物の定番ですが、今回のローラは全く問題を起こしていません。見つかっててんやわんやとか、迷子になって迷惑かけるとかはない。
それどころか興味をもって撮影していたことが、雨天時の解決策に繋がっている。「言いつけを守らなかった」ことがプラスになってる稀有なエピソードで、これも臨機応変さや「今一番大事なこと」に思えます。
(ところでローラは、あすか先輩の写真を撮っていません。事前評価はすごく高かったのに、割とガチで険悪なムード。今までにないパターンでとても良い)

参加した各部の皆様も同様です。序盤の序盤にして、周囲にまで「今一番大事なこと」が浸透してしまった。
テーマらしきものがこんなに繰り返し強調されるとなると、どんでん返しがあるんだろうか。逆に不安になってきた。楽しみです。

【スポンサー様】


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第11話より)

今回はマリングミおよびグミケースの大盤振る舞い。
スタプリのララさんの、常にグミケースを持ち歩く販促優等生ぶりは記憶に新しいところですが、夏海さんも頑張っていらっしゃる。

参考までにグミケースは3種類あり、今回のスタンダードモデルの他、ローラやくるるんモデルがある。(参考:トロピカル〜ジュ!プリキュア マリングミケース [全3種セット]
うちの子はローラモデルを使ってます。派手なくるるんモデルと違い、シルエットが刻印されているデザインで、意識しないとローラだと分かりにくいんですが、「マーメイド」という強力なビジュアルのおかげでとても素敵。やっぱりローラは人魚のままでいるべきだと思う。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第10話より)

ちなみに前回のお勉強シーンでもしっかり食べてます。良い子だ。

そんな苦労も知らず、ローラはあろうことか「もっとしっとりしたものが良い」とケチをつける始末。ワンダフルジューシーグミより「しっとり」したお菓子があるとでも。海の中のびしょぬれお菓子とは違うんです。
まだまだ地上の仁義が分かっていないらしい。

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感想:小説 フレッシュプリキュア!

2021年05月08日 | 小説版プリキュア
■小説 フレッシュプリキュア!


小説 フレッシュプリキュア!

ラビリンスとの決戦から1年後のお話。
中学3年生になった桃園さんは、今後の進路で迷い悩み。何か深刻な事情があったりはしないのだけど、逆にこれといって事情がないので判断もできず。
周りの面々はブッキーは獣医師、せつなは国家運営、美希たんは実家の美容院と、なんか色々と覚悟が決まってる人ばかり。なのに自分だけは決まらない。
なお、大輔くんとの関係もいまだ保留です。むごい。そっちは早く解決してあげて欲しい。

そんな中、突如現れた魔フィストなる敵により、街の人たちが次々に怪物「フシアワーセ」に変えられてしまい。1年間のブランクを経て、桃園さんらは再び戦闘に。

同じく1年後の後日談の小説「スイート」(感想)と比べると、「フレッシュ」はアニメ本編のノリを持ち込んだ感じ。場面転換が早く、細かなネタが雨あられと続きます。
「サウラーが看護婦の変装をする」場面があるのですが、ストーリー的には強い必然性はなく、描写そのものも一言触れた程度。その恰好をしていたのも1ページほどで、挿絵もなし。何の意味があったのか謎ですが、映像としてはよく分かります。本編でやってくれたら愉快そうなことを、細々盛り込んでくれた感が物凄い。

再び巻き込まれた四つ葉町の人たちのショートストーリーが無数に出てくるのも、本編でのゲストの皆様の物語を想起します。アズキーナを初め懐かしい皆様も出演され、アニメ数話分の追加エピソードを小説にした雰囲気。
そしてこの構成が「フレッシュ」のテーマ(だと思ってる)「それぞれに人生山あり谷あり。迷い迷って、されどたどり着く先は一つ」を反映しているようで、非常に納得感もある。

読んでいて純粋に「楽しい」「愉快」な小説なのですが、一方で考察ネタも強烈です。さりげなく重大な問題が投げかけられてる。

・ラビリンスとの決戦後、桃園さんらは変身アイテムを手放しており、1年のブランクがある
・せつなはラビリンスに(本編でも言及されていた通り)、蒼乃さんはパリに留学する
・アカルンの瞬間移動は「疲れるので1日に何回もはできない」らしい、他諸々

特に1番目はエグい。これにより、「フレッシュ組も変身できる」「せつなは普段はラビリンスにいる」と描写された映画「春のカーニバル」が、決戦から1年以上後とほぼほぼ確定してしまいました。「春のカーニバル」時点ではゴープリは序盤戦と推測されるので、「春野はるかの戦いは、フレッシュの少なくとも1年後」と予測されます。何か色々とどうでもよい妄想が羽ばたきます。(参考:「春野はるかの未来への道」

上記の派生で「ハートキャッチ本編もフレッシュ本編の1年後」だと勝手に決めつけると、映画「花の都」の際に実はパリに美希たんがいた可能性が出てきます。
モデル志望でパリに行ってるんだから、この時点で面識があるなら、ファッションショーのために渡仏した来海さんらは普通に考えれば連絡も取りあうはず。ど素人の花咲さんにランウェイ歩かせてるぐらいなんだから、声をかけても不思議はない。

ですが実際には蒼乃さんは出演なされていない。「フレッシュとハトプリ本編は同時期である(「花の都」の時点では留学していない)」「面識がなかった(DX2は「花の都」の後の出来事だった)」「連絡先を知らなかった」「パリにいることを知らなかった」「知っていたが誘うほどの仲ではなかった」「蒼乃さんが忙しかった」「素人を売りにした企画だったのでNGくらった」等々、無駄に妄想が広がります。
パリにいたのならサラマンダー戦に参加していないのもなんでだろう?距離があって間に合わなかっただけ?よくよく見たら、パリ市民に交じってミラクルライト振ってたりしないかしら。

同様にアラモードの映画でも、ミラクル・マジカルの影に隠れて奮戦しているベリーがいたのかもしれない。「花の都」と違い、クックの騒動はパリ中に広がっていますから、パリにいたなら応戦していない方が不自然です。
この時点で朝日奈さんと蒼乃さんが知り合い同士なら、パリに不慣れな朝日奈さんが、蒼乃さんを頼ってもおかしくない。「蒼乃さんの家に下宿する魔法つかいチーム」とかいうどこに需要があるのかよく分からないけど何か楽しそうなイベントが起きてたんだろうか。夢が広がります。

ついでにいえば「スイート」の北条さんがドイツにいます。ドイツとパリの間はそれなりに離れている(飛行機で2時間ぐらいらしい)ので頻繁には会わないでしょうけど、「プリキュア仲間が集まる」的事情があるなら、パリ観光を兼ねてプチ同窓会をやっても変ではない気はする。じゃあハトプリ映画やアラモード映画の時、パリの現場にキュアメロディもいたのか?妄想の宝庫。

今でこそ「15年」でひとまとめになってはいますが、「フレッシュ」本放送時は「5年」の節目のあとの新シリーズ。「3DのED」「プリキュアの存在が当たり前に認知されている」「敵幹部のプリキュア化」等々、衝撃展開の嵐だった。そんな当時のカオスなワクワク感を思いださせてくれる小説でした。


小説 フレッシュプリキュア!

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(第10話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やる気重ねて!プリキュア!ミックストロピカル!!」感想

2021年05月03日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■ (第10話)トロピカル~ジュ!プリキュア「やる気重ねて!プリキュア!ミックストロピカル!!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第10話より)

夏海さんは悟った。試験勉強はトロピカらない。
今の今まで気づいてなかったところを見るに、小学生時代は試験を意識していなかったらしい。自由人。
かくして極めて自然な帰着として、夏海さんの成績は惨憺たる有様に。

従来であれば、みんなで試験勉強に励んだり、謎生物どもが勉強の邪魔をしたりしそうですが、トロプリさんはその辺の距離感が心地よいです。試験に全く興味ないローラがとても良い。くるるんの、ただの動物感もとても良い。協力はしないが邪魔もせず、楽しくボール遊び。のんびり日向ぼっこ。良い光景です。

そんな危機の中、あとまわしさんらは新兵器を携えてやってきた。ゼンゼンヤラネーダ。ここまで「恐ろしさ」と「役に立たなさ」を両立したネーミングはなかなかない…。
これにより夏海さんはやる気を根こそぎ奪われぐうたら。だけど仲間や魚の奮闘に奮起され、新たなるやる気を生み出されました。
でも悲しいかな、そのやる気は試験勉強には発揮されず、結果は赤点。次週の追試をクリアしないと、部活動は停止とのこと。これ幸いと喜ぶローラが相変わらず良いです。部活動とか、何なら学校とかそういうのいいから、プリキュアとして働こうそうしよう。

【あとまわし】

なぜ夏海さんは試験勉強にトロピカらないんだろう?
勉強は「今しかできない」「未来に役立つ」ことですから、トロピカの定義に合致してるように思う。
現に、赤点をとったせいで部活動が停止の危機。何やらちょっと不可解です。

ありそうなのは「他人と関わることかどうか」かしら。
先日のペンギンオブジェの件も、卒業生同士で他者とのつながりがポイントになってる。
そう思うと、夏海さんが一人で勉強しているのも物語上の必然なのかもしれない。お勉強会をやった場合、トロピカってしまうのかも。
ただ「赤点取ったらつながり(部活)が切れる」のだから、他者も関わってはいそうに思うけれど…。「やればプラス」には燃えるが、「やらないとマイナス」には燃えない性質なのかな。

「他人のためなら頑張れる」という意味では、汚水に飛び込むローラもそうです。
あの時の彼女の中にあったのが「女王になるために必要」なのか「夏海まなつのため」なのかははっきりしませんが、いずれにせよ彼女は夏海さんを見捨てなかった。
なお彼女は人魚であり、水中で呼吸しますから、あの汚水は我々の思う以上にえげつない。実質飲んでる。多分えらが汚物まみれでひどいことになってるはず。まぁ息止めて、水面に上がってから呼吸してたのかもしれませんが…。

「他人のため」でいえば、チョンギーレも同様。面倒くさくても魔女様のためなら優先的に動いています。
ただ結果だけを見るなら、「料理」を優先して「戦闘」を後回しにした結果、敗北した。
「料理」も「戦闘」も魔女様のためなので怠慢やおごりが原因ではない。ではどこが間違いだったんだろう?

①チョンギーレとしては「料理」がやりたいことで、「戦闘」はやむなくやってること。夏海さんにとっての「トロピカること」と「試験勉強」に相当する。
とりあえず魔女様のために「戦闘」を行いはしたものの、彼のやりたいのは「料理」なので理由があれば「料理」を優先してしまった。だから負けた。
「試験勉強」から逃避してしまった夏海さんが、赤点だったのと同様。

②夏海さんのやる気には、周囲が応えてくれた。
しかしチョンギーレのやる気に魔女様は応えてくれず、料理は無駄になった。だから負けた(時系列的には敗因ではないですが、テーマ的な意味で)。

「あとまわし」は「それがまずいことは分かるが、どの選択が正しいかの判断が困難」で、テーマとして面白い。
今回の話も①の観点だと「主人公が敵と同じ理由で敗北した回」とも言えそう。

【蛇足】

先週の予告以来、うちの子は「ゼンゼンヤラネーダ」を大層気に入り、1週間楽しみにしまくってた。
あと、くるるんの評価が極めて高く、放送終了後「ひなたぼっこしてた、くるるん可愛かった」と繰り返してる。
今年のプリキュアさんは、今までにない軸で大ヒットしてる気がする。

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感想:小説 ハートキャッチプリキュア!

2021年05月01日 | 小説版プリキュア
■小説 ハートキャッチプリキュア!

 
小説 ハートキャッチプリキュア!【電子書籍】[ 山田隆司 ]

ゆりさんから見たハートキャッチの物語。
本編終了後の後日談にあたる小説版「スイート」「スマイル」と違い、「ハートキャッチ」は本編を別視点から。

「ハートキャッチ」のテーマは「外見を変えても内面が変わらなければ意味がない」からの「服を変えるだけでも気持ちが変わる。単純だけでそれでいいと思うんだよね」。これから転じて「各自の事情は分からない。だから他人では本質的な解決はできない」「しかし表面的なお手伝いでも、大きな助けになる」だと思っています。
そのイメージ通りに「本編のあの場面を、ゆりさんサイドから見たらどうなのか」が描かれる。あの時ゆりさんは何を考えていたのか。分からなかった「他人の事情」が明らかに。一方でゆりさん視点では花咲さんらの事情は分からない。分からないので、物凄く愉快なことになってる。

ゆりさんは華やかなりし中学生時代にプリキュアになり、日常でも武道を学び、数年間に渡り砂漠の使途と交戦、満を持してプリキュアの試練に挑んだとのこと。花咲さんに対する冷たい視線もむべなるかな。前準備なし・素の性格が戦闘に向いていない・プリキュアの自覚薄・半年間の短期決戦と不安材料しかなさすぎる。

しかも「ゆりさんの出番があるシーン」が舞台になるので、必然的に「ブロッサムらがピンチ」ばかりになります。ダークさんにゴミのごとく蹴散らされ、死屍累々と倒れ伏すブロ子たち…。ゆりさんの視線がますます冷たくなる。あなたたち、プリキュア舐めてるの?

[引用]
薫子はプリキュアの先輩として、二人にアドバイスだけでもしてもらえないかと頼んできた。
ゆりがきっぱりと断った時、息を弾ませながらつぼみが温室に飛び込んで来た。
つぼみは、えりかやその姉ももかとショッピングに行こうとしていたが、薫子からリュウゼツランが開花したとの連絡を受け、向こうを断って駆けつけてきたのだった。
「何十年に一度ーーっ!」
と、つぼみが興奮気味に叫んだ。リュウゼツランがただ一度開花するまで要する期間を言っているのだが、ゆりには何のことかさっぱり分からなかった。
[引用終]

もはや珍獣。思い返せばハートキャッチ13話でそんなシーンがあったような気がしますが、ゆりさん視点では不可解な生き物にしか見えない。そう、これが今のプリキュア…。アドバイス?お断りします。

相対的にサソリーナさんらの評価は妙に上がる。あのムーンライトと数年も戦い抜き、ブロ・マリ・サンシャイン相手には五分以上。というか、よく半年程度で勝てたものだ。
プリキュアの試練を受ける際の「まだ早すぎる」「でもやらせてください」のようなやり取りも、こうしてみると確かに深刻です。「まだ早い」はお約束展開ですからテレビ本編では大して気にしなかったけど、ゆりさん視点だと自殺行為にしか見えない。死に急ぐ脇役プリキュアたち…。(なお小説本文中には「ムーンライトの死体」とかの物騒なワードも出てくる)

そんなどうしようもない最弱プリキュアども(マリンやサンシャインも、ゆりさん視点では大差ない)が、仲間の力で押していくのはなかなかに強烈。
依然としてゆりさんの方が圧倒的に強く、彼女の事情を3人は詳しく知らない。が、それでも確かに力になってる。
「詳しい事情は分からない。でもお手伝いならできる」。ハートキャッチの真骨頂。本質的な解決には踏み込めなくても、それでも何かが力になるはず。

また、薫子さん視点でも描かれており、彼女から見た月影家族やつぼみらの様子も興味深い。孫のこと、めちゃくちゃ不安ですね…。花咲さんが古風な言葉遣いをするようになった経緯も書かれているのですが、この子をプリキュアにして戦地に送り込むのは並大抵の覚悟ではない。
一方で、孤立していることを気にしていたようなので、えりからのことも踏まえて後押ししたのも分かる。改めて考えてみれば「薫子さんが(性格的に明らかに不向きに見える)つぼみをプリキュアとして戦わせた背景」は謎といえば謎だった。世界を守る云々の大仰な話の前に、「孫の交友関係」というささやかな願いがあったのかもしれない。

欲を言うなら、同じ形式で「マリン視点」「サンシャイン視点」の物語も見てみたい。映画「花の都」がそんな感じ(オリヴィエを介して各自の物語が進む)ですが、「同一場面で、各自が何を思っていたのか」は、アニメよりも小説に適してる。二人とも色々と抱えていますから「おちゃらけてたけど、内心ではこう思ってたのか…」みたいなのが沢山ありそう。読みたい。

 
小説 ハートキャッチプリキュア!【電子書籍】[ 山田隆司 ]

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