この季節に野山で目立つ花といえばツワブキの花だろうか。沖縄では地域で呼び名が違うのだが、仲宗根ではスパンプと呼んでいる。
私の父は運天港の港湾事務所で働いていたのだが、鹿児島から貨物船が港に入ってくると、船員が食用にスパンプを採っていると話していたのを思い出す。
実家の庭にもあちこちにスパンプの花が咲いている。種は綿毛で飛んで広がり繁殖力旺盛で、適当な場所以外は除去している。
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大学生時代に帝銀事件の死刑囚・平沢貞通氏の無実を訴え、再審請求を続けていた森川哲朗氏の講演を聴いたことがある。重病に冒され余命は限られていると聞いていたが、平沢氏の冤罪を晴らし、獄中から救い出そうとする執念に打たれた。その後、森川氏の『獄中一万日 追跡帝銀事件』(図書出版社)も読み、帝銀事件の背後にある闇の深さを教えられ、冤罪や権力犯罪に関心を持つきっかけの一つとなった。
今年、足利事件が冤罪 . . . 本文を読む
〈日時:2008/12/27(土)12:51
件名:攻撃
攻撃!
何十もの高層ビルが爆撃された。死亡者は120人以上、負傷者は何百人にものぼる。標的になったビルのうち、ひとつは我が家から100メートルのところ、別の10階建てのビルは別方向に120メートルのところにある。
子どもたちも妻も私も今のところ無事だ。
恐ろしい光景だ〉(10ページ)。
ちょうど1年前にパレスチナのガザから発せられた . . . 本文を読む
『中央公論』2010年1月号に〈地元利権に振り回される普天間、日米同盟ーー守屋武昌・元防衛次官、沖縄問題の真相を語る〉という15ページにわたるインタビューが載っている。橋本政権下で普天間基地返還が政治目標として浮上してからの経緯や、沖縄および自民党中央の埋め立て利権の問題、〈沖縄の特殊性〉などについて守屋氏が語っている。辺野古新基地建設に絡む利権の問題を考える上で一読の価値はある。ただ、〈地元利 . . . 本文を読む
昨日は午後6時半から名護市労働福祉センターでヘリ基地反対協主催の「名護市民投票13周年集会」が開かれた。遅れて参加したので途中からしか話を聞けなかったが、東恩納琢磨氏や吉川秀樹氏が「2009年米国海洋哺乳類委員会年次大会」で行ったプレゼンテーションの様子を報告し、それに対する質疑応答が行われていた。
名護市民投票が行われたのが1997年12月21日。海上ヘリポート基地建設に反対する市民の意思が . . . 本文を読む
今年読んだ本の中で強く印象に残った一冊。
マリオ・ジャコメッリのことはこの本で初めて知ったのだが、書店で辺見氏の名を目にして本書を手にしたとき、表紙の写真に目が釘付けになった。釘付けという表現は手垢にまみれたものだが、この写真についていえば、視線が中央の少年に一気に引き寄せられ、鋭く打ちつけられるような実感が伴う。その一点から生身の存在とは思えない黒服の女性たちや薄暗くぼんやりとした石畳の町の . . . 本文を読む
この数日、沖縄も冷え込んでいる。この寒さが緋寒桜にはいい刺激になるだろう。
20日午後から名護市辺野古のコミュニティセンターで、宜野湾市基地政策部長の山内繁雄氏を招いて学習講演会が開かれた。新基地建設問題を考える辺野古有志の会、ティダの会としては今年最後の企画である。久辺三区、名護市、今帰仁村、本部町、宜野座村ほか中南部から来た人も含めて60名ほどの参加があった。
前半に山内氏が在沖海兵隊の . . . 本文を読む
在沖海兵隊は司令部機能だけでなく戦闘部隊を含めて大半がグアムに移転する。11月29日に沖国大祭で宜野湾市の伊波洋一市長の講演を聴いたのだが、あれから3週間、伊波市長の主張は大手メディアも取り上げ、全国的な注目を浴びるようになっている。伊波市長の主張はユーチューブで見ることができるし、宜野湾市のホームページで資料を読むこともできるので、ぜひ多くの人に参考にしてほしい。
以前にも紹介したが、20 . . . 本文を読む
去る12月13日に「ひき逃げ死亡事件に抗議する読谷村民総決起大会」が開かれた。県内紙の記事によれば、主催者発表で1500人が参加し、在沖米陸軍トリイ通信施設前までデモ行進が行われ、米軍に決議文を手渡したという。うないフェスティバルと重なって参加できなかったのが残念だった。言うまでもなく、これは読谷村民だけの問題ではない。
事件が発生したのが11月7日。すでに40日以上が経過しているが、容疑者の . . . 本文を読む
12月15日に米軍普天間基地の「移設」に関する政府方針が示された。16日付琉球新報からまとめれば政府方針の骨子は次のようなものだ。
1.移設先は年内決定を先送りし、来年5月までに結論を出す。
2.与党3党で実務者委員会を設置し、移設先を協議する。
3.辺野古への移設関連経費を2010年度予算に計上し、環境影響評価も継続する。
4.日米合意の名護市辺野古への移設計画を含め、候補地を新たに検討する . . . 本文を読む
昨日(13日)は那覇市国際通り沿いのテンプス館とその前の広場で第25回「うないフェスティバル」が開かれた。「うない」とは沖縄の古語で「姉妹」を意味し、兄弟は「うぃきー」という。ちなみに、私の祖父は兄弟姉妹のことを「うとぅじゃんばー」と言っていた。
1985年に初めて「うないフェスティバル」が開かれた時、ラジオで長時間にわたって中継をしていたのを覚えている。女性の地位向上や政治参加、平和、人権な . . . 本文を読む
【学習講演会のお知らせ】
演 題:「米海軍省グアム移転計画」
講 師:山 内 繁 雄 氏 (宜野湾市基地政策部長)
日 時:2009年12月20日(日) 午後2時より4時まで
場 所:辺野古区コミュニティーセンター
共 催:辺野古有志の会/ティダの会
普天間基地の「移設」先は辺野古以外にない。辺野古「移設」が破綻すれば、日米同盟が危機に瀕する。政治家・官僚・大手マスコミがそのように宣 . . . 本文を読む
名護市役所の近くに南米原産のトックリキワタの並木があり、一月ほど前から花を咲かせている。開会中の名護市議会の一般質問を傍聴に行きがてら何枚かカメラに収めた。歩道には花びらがかなり落ちていて、すでに咲き終わった木もあるが、この二本はまだしばらく花を楽しめそうだ。
沖縄自動車道の脇にもトックリキワタが植えられていて、11月から12月にかけてピンク色の花を咲かせている。観光で沖縄に来て目にした人も多 . . . 本文を読む
書評:屋嘉比収『沖縄戦、米軍占領史を学びなおす 記憶をいかに継承するか』(世織書房・3800円)
初出:2009年12月5日付沖縄タイムス朝刊
待望の1冊である。著者は近現代思想史を研究しつつ、基地問題や教科書問題など同時代の課題にも積極的に発言してきた。雑誌や新聞でその評論を読むにつけ、ぜひ1冊にまとめてほしいと思っていた。書き下ろしを含め『現代思想』『EDGE』などに発表された13本の論文 . . . 本文を読む
かなり間があいてしまったが、「満州開拓団跡地を訪ねる旅」の続き。
臥牛吐地区の幹線道路脇にバスを止めて、最初に向かったのは南風原開拓団の跡地。脇道に入ってすぐの所に現地の人が住む家があった。今帰仁開拓団にいたTさんが、自分たちもこういう家に住んでいた、と口にし、皆懐かしそうに家の様子を見ていた。枯れ草を泥土に混ぜて日干し煉瓦を造り、それを積んで壁にした上に梁を渡し、屋根は草葺きになっている。
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