偶然だけど、だいぶ前に私が毎朝通勤で歩いて通り過ぎるバス停でも同じことがあった。中央区の、とある路地にある小さな停留所だった。大通りから一本入っていて朝でも人通りは少なめ。皇居が近いかもしれない。
そこでバスを待つのは、大抵、制服姿の女子高生か中学生のグループだ。彼女たちはいつもバス停で、地面に荷物を置いてしゃがみ込んでる。お話をしたり、スマートフォンを眺めている。
初めてそれに気がついたのは、今年の春。朝の八時頃かな、私がバス停の脇を通り過ぎて、駅へ向かう。その数メートル手前で、いつも同じスーツを着た、年齢はたぶん40代くらいの会社員が立ってた。
そいつは毎朝、私よりも少し前にバス停に到着して、女子高生たちの数メートル後方、建物の壁際で立ってた。
最初はただのバス待ちだと思ってた。商店の軒下を借りてるようなバス停だからか、ベンチはないし。でもある日、彼が持っている大きな書類カバンがしゃがんでいる女子高生の一人に異常なほど接近していた。
状況説明は端折るけど、そのカバンを利用して、そいつは彼女らのスカートの中を盗撮していた。
わかりたくはなかったけど、理解した。カバンの中に小型カメラでも仕込んでいるのか、あるいはカバンで体を隠しながら、携帯で覗いているのか。そんなのはどうでもよくて紛れもない悪意だった。なんで男性って、こんなことするんだろうか。
私はその日、何もできなかった。会社でも気分が悪いままだった。
私はそいつと同じ時刻にその路地を通って、バス停に行くことが多かった。悪い意味で意識していた。
そいつは毎日のように、盗撮をしてたと思う。私はまるで共犯者みたいだった。だって、私は何もしていなかったから。
どうして声を上げないの?と自分に質問したけど、理由はシンプルだった。関わりたくない。それだけ。
ただでさえ会社が遠くて、毎日早歩きして出社時刻ギリギリなのに、時間を取られたくない。なにより、その男が逆上して何をされるか分からない。
でも、彼女たちは何も知らないんだ。心が痛かった。いつものバス停で、悪意の視線に気づかずに、他愛ない話で笑い合ってる。「見て見ぬふり」の罪悪感が重くなった。でも、どうしたらいいんだろう。彼女らに言うわけにもいかない。
それから何週間も、何十回も、私は彼から目を逸らして、早足で通り過ぎた。
でも、その男の行為は次第にエスカレートしていった。ある朝、カバンを地面に置くと、片方のスマートフォンを不自然に低い位置で、女子高生の真後ろ?に突き出すように持ってた。
隠す気があるんだろうか。て思ったけど、犯罪者というのはそういう心理なのかもしれない。
その瞬間に、怖かったけど、私は行動を起こした。
正義感というより、何週間も積み重なった自己嫌悪とか、または強迫観念だった。こいつの悪意を許した人間になりたくなかったのが何より大きい。
「何してるんですか!」
声をかけると、そいつはビクッとして振り返った。その顔は、毎朝見ていた会社員の顔というよりは、全然違う人みたいだった。
携帯とか荷物をそいつは隠そうとしてたけど、私が手を伸ばして、携帯を持っている彼の腕を掴んで、それからは、あの一昨日の増田で痴漢を捕まえたのと似たような展開だった。
しゃがんでいた女子高生たちは驚いて立ち上がってた。様子まで見る余裕はなかったけど、絶対に怖がっていた。
その男が腕を振り払おうとして、「勘違い!」と叫んでたけど、そのまま膠着状態になって……そしたら、周りの女性がこっちにきてくれた。私が「警察」と言ったら、誰かが通報してくれた。私は意地でその場を動かなかった。
サイレンと一緒にパトカーが到着して、警察官がお互いに事情を聞いて、十分以上が経って、男は現行犯に近い形でパトカーの後部座席に乗せられていった。その間、女子高生たちは呆然と立っていたはずだ。
驚いてる子もいたし、困惑してる子もいたし、泣いている子もいた。恐怖だったと思う。でも、警察官とか、私が彼女たちが「大丈夫だよ~、もう行って」と声をかけるとが、次のバスに乗っていった。
一件落着。めでたし、めでたし。と言っていいんだろうか。
お巡りさんが現場からいなくなる時、周囲には野次馬がいなかった。ドラマやアニメみたいに、もっとたくさんいるって、勝手にそう思ってた。あの瞬間も、実はそんなにいなかったのかも。
ふっと力が抜けて、バス停のある商店のガラス戸のところに背中がくっついた。少し休憩して、会社に向かった。
会社に遅刻したのは言うまでもない。私は、あの日のことは正しかったと思っている。声を上げたことは、絶対に間違っていなかった。
勇気を出して、会社の総務の人に事情を説明すると、総務課長の人を呼んでくれて、「有給使わなくていいよ」って言われた。嬉しかった。
今では、実はあのバス停を避けて通っている。また、あんな思いをするのが怖いのだと思う。
あの女の子たちは今、安心してバスを待ってると信じたい。できればだけど、またあんなことが起こってるんだとしたら、今度は私ではなくて、ちゃんと勇気のある、できれば男の人が注意してくれるんだと信じてる。
あの痴漢を捕まえた日記にもあったけど、本当に世の中は助け合いだと思う。
あの子達だって、別の形でほかの人を助けるのかもしれないし、私だって、今負っている心の傷を、誰かに癒してもらうことがあるのかもしれない。
でも、私は本当の意味で、あそこにいたんだ。それで、あの子達を助けられたんだって思うし、そう思いたい。体を動かせた自分が今では誇らしい。読んでくれてありがとうございました。
わかったかもしれない。 東京大学から南に行った区画に小さい商店の軒下が事実上のバス待ち場所になってるところがある。 通学時間で、お金持ちの女子校かなって感じの子らがバスを...
え?で?肝心の証拠があったかどうかは書かないの? これだけだと誤認かどうか分からんだろ
また男叩きAIファンタジーか…
デリヘル増田の持ちネタの一つ 皇居近くのバス停の下着が見える女子高生 https://anond.hatelabo.jp/20241007124537 https://anond.hatelabo.jp/20241201122224
デリヘル落ちがない文章でも 「これはデリヘル増田の書いたものに違いない」 って判定をしてるってこと?
デリヘル増田本人が公言したり、ブクマしてカラースター配ったりしてるよ
盗撮なんてキモいだけで実害ないやん