https://anond.hatelabo.jp/20250727144129
テーマ:宋儒の道統構築学と日本の公武合体内閣の失敗理由について
儒学は歴代王朝の歴史観と同様に後代に作られた構築物であり、宋代以降に「道統」という連続した正統性の学説として体系化された。
それ以前の漢唐では、先秦の儒学は古代のものであっても直結した連続性は強調されていなかった。
宋儒は禅宗の開祖継承体系を模倣しつつ、儒学の連続性を強調して組織を強化しようとした。
古代の部族や宗教集団では、厳格に記憶され唱えられる口伝による伝承が神聖視されていた。
文字記録は信頼できず、かえって官僚や士大夫の利益のために歴史や法律の改竄や争いを生んだ。
英国の普通法も元は口伝習慣法で、文字化は利益対立から生まれたものであり、自由は元来古いが専制は新しい体制である。
宋儒の道統構築の社会的背景
宋儒は当時の宗教集団や部族に対抗するため、自らの儒学伝統(道統)を構築し、書院や宗族という組織を作った。
これらの組織は基層共同体を争奪し、社会的権威を強化するためのものだった。
それまでは書院は主に仏教のものであり、儒者は官僚か貴族の子弟で組織化されていなかった。
唐代は鮮卑系の征服者貴族が支配し、家族集団がほぼ国家のような性質を持っていた。
南方の「矮民」(主に東南アジア系)には強い種族差別があり、黒く猿のような外見が貶められ、奴隷や貢物として扱われた。
こうした差別は宋明以降も続き、歴史叙述や文学にも影響を与えた。
宗教(仏教やキリスト教)は政治支配より安価で広範な影響力を持ち、技術や医療と結びつけて広まった。
しかし宗教は知識人には理論的な影響力があったが、庶民や権力者は実際の効果で信仰を判断した。
現代知識人の歴史解釈は階級的利益や偏見を反映し、実際の歴史真実とは乖離している場合が多い。
■ テーマ:「大陸體系(Continental System)」の最大限界について 1. 「大陸體系」は本質的に弱者の陣営 強者は「海洋體系(Maritime System)」に属する。大陸體系は外との貿易に弱く、内...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 要約:劉仲敬訪談084(2020年4月16日) テーマ:宋儒の道統構築学と日本の公武合体内閣の失敗理由について 儒学の建構と王朝史観の類似性 儒学...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 ■ 米国の香港制裁の意図 米国の対香港制裁(林鄭らへの制裁)は、「柔軟な対応(flexible response)」の一環であり、全体制裁よりも個別制裁の方が香...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 ■ 概要: このインタビューでは、劉仲敬が蔣經國(蒋経国)と李登輝という台湾の二大政治指導者の遺産について、特に蔣經國の政治スタイルとその本...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 ■ 概要 劉仲敬は、李登輝の政治行動はその場その場の必要に応じた「実験的」なものであり、長期的なビジョンや理想に基づいた「設計者」ではなかっ...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 ■ 要約(簡潔版) 大英帝国の核心は本国ではなくインド帝国であり、直布羅陀~スエズ~インド~シンガポール~オーストラリアの海上交通線が生命...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 要旨:香港という存在は「中華化」「冷戦」「経済発展」を経て「脱武装中産階級」に変質し、現在は“生存力”を失った国家なき中間層の集団になって...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 劉仲敬「論習近平毀黨造黨」インタビュー要約 香港国家安全法の影響について アメリカの対応は表面的で具体的な措置はこれから数か月かかる。撤...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 要約:劉仲敬「東欧とバルカンの民族発明」 19世紀後半の民族発明:特にバルカン半島での事例が中心。西洋は主にオスマン帝国(近東)を東方として...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 1. バイデンをハリソン大統領になぞらえる理由 ハリソン対ヴァンビューレンの選挙(1840年) ヴァンビューレンはジャクソン路線の後継者ながら...
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129 1. 問題設定──「大一統史観」の枠組みを疑う 劉仲敬は理系思考(可否の証明・反証)を重視し、問題解決できないなら“問いの立て方”自体が誤って...