バレンタインだった。私は事務職で、うちの会社は営業が多いから、毎年バレンタインになると営業の男どもがそわそわしだす。でもうちの課の女たちは「義理チョコ廃止」ってことでここ数年配ってなかった
そしたら今年、新しく入ってきた後輩ちゃん(めっちゃ純粋)が「やっぱりバレンタインですし、日頃お世話になってる人には渡したいです!」とか言い出した。お世話になってる人?営業の男たち?いやいや、あいつら私らの仕事増やしてくるだけだし。つーか、そういうのやるとめんどくさいことになるんだって
けど、後輩ちゃんの気持ちを無碍にするのもな~って思って、「じゃあ本当にお世話になってる人だけにしよっか」ってことにした。そうなると、やっぱり一番お世話になってるのはエンジニアのチー牛くんになる
チー牛くんは、うちのシステム関係全部やってくれてるオタクっぽいエンジニア。メガネで猫背で、喋り方もモソモソしてて、いかにも「女慣れしてません」って感じの男。営業のPCトラブルとかも全部対応してくれるし、正直いないと困る存在。でも、なんていうか……キモい
で、こっからが本題
今日、バレンタイン当日。私はチー牛くんに「〇〇さん(チー牛の名字)、いつも助けてもらってるので、チョコです!」って言って、百均のラッピングした安いやつを渡した。そしたらチー牛くん、顔真っ赤にして「えっ、あ、あ、ありがとうございます」って挙動不審に。ガチで震えてたのがウケた
で、ここで終わらせるのもつまらないから、私と後輩ちゃんで「せっかくなら、もうちょっと楽しませてもらおうよ」って話になった
昼休み、社食でわざとチー牛くんの近くに座って、「チョコ、おいしかったですか?」って聞いたら、チー牛くんは「すごく美味しかったです……!」とか言いながら、また顔真っ赤。そこに後輩ちゃんが「手作りの方がよかったですか?」って聞いたら、チー牛くん、固まって何も言えなくなった
後輩ちゃん「でも〇〇さん(チー牛)、私たちの手作りチョコなんて食べたくないかもしれませんね……?」
その後も、他の女子たちにも話を広めて、「〇〇さん、私たちのチョコ食べてくれたよね?どうだった?」って聞かせまくった。チー牛くんはもう半泣き
極めつけに、営業の男たちにも「あれ?〇〇くん、チョコもらったんだ?モテモテじゃん!」とか言わせて、社内の空気を「チー牛くん=バレンタインの主役」みたいに仕向けた。私たちは適当に「いやいや、そんな大げさな~」とか言いながら、裏では爆笑
今日の午後、チー牛くんは急にトイレにこもって、そのまま出てこなくなった。定時になっても戻らず、結局誰かが様子を見に行ったら、顔を真っ赤にして俯いたままだったらしい。結局そのまま早退していった
文章からおっさん臭がしてて草
(^^)https://www.irasutoya.com/2016/01/blog-post_729.html?m=1