2022-12-08

バトル漫画能力開示するとパワーアップが出来るのはプロレスから

バトル漫画って結局はプロレス文脈なんですよ。

現代人はちゃんプロレスを学ばずに、そこから派生した漫画ばかり読んでるから理解が浅いんですよね。

プロレスっていのは端的に言うと「より観客から「強い」と思わせた側が勝つ仕組みのヒーローショー」なんです。

何故かって言うと、プロレスっていうのはガチ勝負が持つ「え?それで勝てちゃうの?」を排除して「より納得感のある勝敗の決まり方が行われるようにした格闘技」だからなんですね。

たとえばボクシングってたまたまブロックが開いた所に頬をかすめる完璧パンチが入ったら脳みそシェイクで一発ダウンのジャイアントキリングがあるじゃないですか。

でもあれって納得できます

なんかこう「裏で人間競馬やってる人達八百長なんじゃ?」みたいな感じが一瞬よぎりませんか?

プロレスはそれを排除して「観客から見た「ダメージが入ってる感」が、それぞれの闘士の「観客から見た耐久力ある感」を超えたら負けになる」っていうルール採用してるんです。

言ってしまえば仮想HP制なんですよ。

そのためプロレスの技は実際のダメージより「ダメージがある感」が重視されます

ダメージが実際にあるかではなくダメージ演出できるかが大事なんです。

たとえばドロップ系の技で衝撃を逃がすかのようにわざと大きな音を出すじゃないですか。

あれって少し分かってきたと思い込んでるニワカは「ごっこ遊び怪我しないために音にしてエネルギーを逃してる」で終わらせるんですよ。

でも違うんです。

あれは、「相手の体内への衝撃として吸収されてしまったらダメージ演出効果が薄れる」のを回避するために「音を出すために相手を叩いてるように魅せつつ実際はリングを叩いてインパクト演出してる」んですね。

この方が「観客の査定によってダメージが決まる仮想HPダメージが増える」んですよ。

バトル漫画勝敗決定もこの文脈から派生で「よりダメージを与えている感を出したほうがダメージが増える」がルールなんです。

その中で能力開示をするっていうのは「能力を開示しても影響がないぐらいに強さに自信がある」を演出する効果がまずありますし、そもそも自分がかこれから使う技の効果を読者に説明する」という効果により読者による仮想ダメージ査定を増やす効果があるんです。

この後者の「自分が使う技の性質が読者に伝わる」っていうのは本当に大事で、読者に威力が伝わりにくい技を作中で強く描くのってバトル漫画的には無しなんですよ。

なぜなら「効いてなさそうな技で勝っちゃう八百長感が出る」から

そのためバトル漫画において威力のある技ほど「嘘科学」とかによってその理由が補足されているんです。

そしてこの技の補足は出す前にやることで最大の効果を発揮するわけです。

まり強い技を出したいなら技を出す前に効果説明しろってことです。

からってそれを相手にわざわざ伝える必要がないと思うでしょう?

から最大のポイントを言いますよ。

「来ると分かっていたのにまともに食らってしまった技」と「不意打ちだったからまともに食らった技」、どっちの方が「ヤバイ」気がしますか?

私は前者のほうがヤバイと思います

たとえばプロボクサーが「今から君に寸止めパンチするから避けてみてよw」とワンツー打ってきたら、大抵の人はガードさえまともに出来ずに風圧を顔面にモロに受けると思います

これってマジでヤバイ」ですよね?

かに「不意打ちで食らった」はダメージを補強するロジックとしては強いっちゃ強いんですよ。

でもソレ以上に「分かっていたのに防ぎきれなかった」の威力ヤバイんです。

作品描写される技の威力が格段に増します。

「今のはメラゾーマではない」という言葉の直後に発射されるカイザーフェニックス台詞自体が予備動作になってるんだからマホカンタすりゃええやんって気もしますよね?

でもそこで現れる圧倒的力は、「来るのが分かっていた所で何の意味もないような絶望」を読者に与えてくるんですよ。

これもしも不意打ちでカイザーフェニックス打ってから「そうか!これがアイツの本当のメラゾーマなんだ!」となっても、絶望の深さが大幅に目減りするわけですよ。

わかります

これがプロレス文脈における「仮想HP仮想ダメージで削る際に演出の差が及ぼす影響」なんですよ。

バトル漫画攻撃って結局は全部仮想のものから、読者がより「これはまじでヤバイ死ぬ!」と思った度合いこそがダメージ値になるんです。

それをアップさせる方法として「能力を開示する」はアリなんです。

半端にリアルを追い求めて漫画を読むと忘れてしまうでしょうが、バトル漫画のバトルのルールプロレスから派生

ダメージを決めるのは「観客への印象」なんです。

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