yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

ロンドン大学SOASライブラリー蔵書の凄さ!多分この方面では世界一

昼前からここで5時間あまり過ごした。ワクワクの連続で去りたくなかった。でも、大降りだった雨が少しマシになったのを見はからって退出。6月に再訪するのが待ち遠しい。

ロンドン大学に来るという計画は、10年前にペンシルベニア大学でのシンポジウムで、パネラーとしてご一緒した浮世絵と歌舞伎の大家、G教授にコンタクトを取ったのが端緒。それも4年も前。そのあと私事が色々とあって、頓挫していた。当初予定では1年間滞在だったのに、年齢とともに億劫になっていた。やっと重い腰を上げて連絡したのがこの2月。大学の学期が終わる4月末からと考えていたのだけど、英国の大学の後期はアメリカより1ヶ月遅く5月ということで、そのあとということにした。

ロンドン大学に来ることにして本当に良かった!ビブリオグラファーのK先生を紹介していただき、彼女のご尽力(「顔」?)のおかげでライブラリーの入館証(3年間)とアーカーブへの入館許可証を発行していただいた。そのあと巨大なライブラリー内を案内していただいたのだけれど、もう、もう、ただ、ただ、圧倒された。ここまでの東アジアの特に日本の文献、資料、図書を揃えている大学はないだろうから。ハーバード大学のYenching Libraryよりも充実しているように思った。もちろん私の母校、ペンシルベニア大学のアジアコレクションよりも。しかも紙媒体でスタックに在る!電子化した端から倉庫送りになっているのが、ペンシルベニア大の図書館蔵書。もちろん仕方ないのだけれど、私のような「昔人間」は寂しいし、不便に感じてしまう。

さすが大英帝国「末裔」のロンドン大学。日本の大学は本当にケチケチしていて、大学内に資料を囲い込むことが多い。だから一旦そこを離れると、アクセスするのは至難の技。「研究者に使ってもらって初めて有効活用できるのに、勘違いしているのでは?」って思う。大学に所属していても、他大学から資料を取り寄せる場合、いくつもの手続きを踏まなくてはならず、挙げ句の果てに「コピーはダメ」と言われた。連れ合いの大学では持ち帰りもコピーもOKらしいので、大学によって規定が違っているのかもしれないけど。でも不便だった。アメリカにいる頃はインターライブラリーローンで、ペン大にない本でも1週間もすれば近隣の大学なり図書館なりから届いた。この違い!「図書は共有財産、だから使ってもらってナンボ」という考えがないんでしょうね、日本には。

SOASライブラリーで手にとって読みふけってしまったのが能関係の以下の3冊。増田正造氏の『能と近代文学』、平凡社の『別冊太陽 道成寺』。そして『井上八千代芸話』。

増田正造氏の『能と近代文学』は全編非常に面白かった。特に三島由紀夫の章。また馬場あき子の章も。また、別冊太陽の『道成寺』にも啓発された。この2冊はアマゾンと日本の古書店で即注文した。片山慶次郎著『井上八千代芸話』はおそらく絶版で入手できないだろうから、一部コピーをとった。興味深いエピソードに満ちていた!

今後5年間、毎年ロンドン大学に短期、もしくはある程度の期間滞在しようと決意した。こんな機会があること自体が夢のよう。そうなると今までの億劫風はどこへやら。我ながらこの軽さに呆れる!

イースター休暇中にもかかわらず、学生が結構いた。黙々と本を読んだり、ペーパーを書いていた。