機会費用とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ビジネス > 経営 > 費用 > 機会費用の意味・解説 

機会コスト

読み方:きかいコスト
別名:機会費用

1つのことを選択実行した場合の、別の選択肢実行していた場合得られていたであろう利益のこと。会計学上の利益ではなく経済学上で利益を指す。

機会コストは、例えば「アルバイトへ行かなかった」ことに対する「アルバイト行った時のアルバイト料」である。また、アルバイト料を自宅保管していた」ことに対する「アルバイト料を銀行預金して得られる金利」でもある。

きかい‐ひよう〔キクワイ‐〕【機会費用】

読み方:きかいひよう

ある生産要素特定の用途利用する場合に、それを別の用途利用したならば得られであろう利益最大金額指し実際生産額費用とする概念オポチュニティーコスト


機会費用

 労働等の生産要素特定の用途利用することについて、(その特定分野以外の他の分野投入したならば得られであろう最大貨幣額のこと。例えば、大学進学する機会費用とは、大学進学せずに働いた場合給料などが当てはまる。

機会費用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 09:52 UTC 版)

機会費用(きかいひよう、: opportunity cost)とは、時間の使用・消費の有益性・効率性にまつわる経済学上の概念であり、ある経済行為を選択することによって失われる、他の経済活動の機会のうちの最大収益をさす経済学上の概念[1]。最大利益を生む選択肢以外を選択する場合、その本来あり得た利益差の分を取り損ねていることになるので、その潜在的な損失分を他の選択肢を選ぶ上での費用 (cost) と表現している。

会計学上では、ある意思決定をしたために行えなかった投資機会のうち、得ることができなかった最大の利益額のことである[2]

似た概念として、機会損失[3] (opportunity loss) があるが、機会費用 (opportunity cost) が「ある選択を実行する」(ことで他の選択が実行できなかった)ことで生じる・生じた架空の費用・損失 (loss) を表現する積極的概念なのに対し、機会損失は単に(ある行為を)「実行できなかった・実行し損ねた(やり損ねた)」ことで生じる・生じた架空の損失を表現する消極的概念であり、ややニュアンスが異なる。

会計学上では、最善の意思決定をしなかったために失った利益額のことである[2]

法学における類似概念として、逸失利益があるが、こちらも機会費用よりは機会損失に近い概念である。

概要

機会費用は、希少性(使いたい量に対して使える量が少ないこと)によって迫られる選択に際して生じる。「そのことをすると、他のことがどれだけ犠牲になるか」計算するものを機会費用(機会コスト)と呼ぶ。つまり、一つのことをすると、もう一つのことをするチャンスがなくなることである。機会費用の概念の応用としては、比較優位があり、相手より少ない機会費用を有することを意味する。この比較優位を有する財の生産に特化すること(分業)で、全体的なアウトプットを増大させることができる。

経済学上の費用

例えば、大学進学の機会費用とは、進学せずに就学期間中働いていたら得られたと考えられる利益である。大学進学の場合、会計上あらわれる費用は、大学進学のための学費などで、就学期間中働いていたら得られたと考えられる利益は会計学上は費用には入らない。しかし、経済学上の費用とは、会計学上の費用に機会費用を足したものとなる。通常、経済学において合理的な行動とは、会計学上の費用ではなく経済学上の費用にもとづいたものと考えられている。

時間に対する機会費用がゼロでない限り、なにかしらの費用が発生する[4]。時間の機会費用が高い人は、割引のために列に並んだりはしない[5]。時間当たりの機会費用が小さい人は、通常価格では買わないことが多い[6]

ベンジャミン・フランクリンは、「時間は貨幣」すなわち「時は金なり」という格言で、経済学のいう機会費用の考え方を表現している[7]

たとえば、100万円儲かったとき、別のやり方なら150万円儲かったというとき、50万円が機会費用である。

その他の実例

例えば、ネットワーク商法などで会員をあつめる場合、「サイドビジネスで月に何万円収入が増えるから、儲かります」という売り文句がつかわれる。しかしサイドビジネスにおいて、会計学上の収支として「儲け」が出たとしても、機会費用を考慮した経済学上の費用においても「儲け」が出るかどうかは別の問題である。

もし、経済学上の費用においては、サイドビジネスに時間がとられるのなら、その間の労働の機会費用を考慮にいれなければならない。もし、時給計算で就業可能な別のアルバイトよりもサイドビジネスが劣っているとすれば、サイドビジネスによる収入増加は労働による機会費用をかならず下回る。

また、本業のほうで疲労した後に時間を割くから余暇は希少になり、余暇の価値はサイドビジネスをしない場合より大きくなるだろう。もし、この犠牲となる余暇の価値をこえる収入がサイドビジネスによってもたらされないのならば、サイドビジネスは経済学上の収支としては損である。

この場合、個人の選択として合理的なのは、セールストークの会計学上の費用にもとづいて行動することではなく、経済学上の費用にもとづいて行動することである。このことは、合理的な選択にあたっては機会費用を考慮に入れる必要があることを示している。

脚注

  1. ^ "機会費用". 百科事典マイペディア. コトバンクより2022年6月14日閲覧
  2. ^ a b 「機会損失」と「機会原価」の違いについて”. 杉本公認会計士事務所 公式ブログ (2014年3月31日). 2024年1月28日閲覧。
  3. ^ 機会損失 (機会ロス) キカイソンシツ”. 日経クロストレンド. 日本経済新聞社 (2020年7月2日). 2024年1月28日閲覧。
  4. ^ ロバート・H・フランク 『日常の疑問を経済学で考える』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2013年、113頁。
  5. ^ ロバート・H・フランク 『日常の疑問を経済学で考える』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2013年、137頁。
  6. ^ ロバート・H・フランク 『日常の疑問を経済学で考える』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2013年、318頁。
  7. ^ 日本経済新聞社編 『世界を変えた経済学の名著』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2013年、120頁。

関連項目

外部リンク


機会費用 (opportunity cost)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 22:57 UTC 版)

費用」の記事における「機会費用 (opportunity cost)」の解説

ある経済活動に対して選択されなかった最善選択肢選んだ時に得られる価値

※この「機会費用 (opportunity cost)」の解説は、「費用」の解説の一部です。
「機会費用 (opportunity cost)」を含む「費用」の記事については、「費用」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「機会費用」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「機会費用」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



機会費用と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「機会費用」の関連用語

1
オポチュニティー‐コスト デジタル大辞泉
100% |||||






7
36% |||||




機会費用のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



機会費用のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2025 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
農林水産省農林水産省
Copyright:2025 The Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries of Japan
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの機会費用 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの費用 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS