星野源を困らせた、紅白本番5日前「曲チェンジ」騒動に芸能記者が思うこと。視聴率低迷は当然、ホントそういうとこだぞNHK…

2024.12.27
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大晦日の紅白に出場予定の星野源さんを大いに困惑させた“寝耳に水”のトラブル。『地獄でなぜ悪い』から『ばらばら』しかも弾き語りへの曲目変更騒動は、40年近く紅白を取材してきたベテラン芸能ジャーナリストの芋澤貞雄さんすら驚くほど「前代未聞」の出来事でした。

星野源『地獄でなぜ悪い』騒動は基本的に「100%、NHKが悪い」!?

本番を5日後に控えた『第75回紅白歌合戦』に、前代未聞の曲目変更騒動が勃発しました。

今月23日、星野源の歌唱曲は、NHKからのオファーに応える形で『地獄でなぜ悪い』と発表されたのですが、そこからわずか3日後の26日、デビューアルバムに収録されている『ばらばら』に変更が決まったのです。

私は、40年近く『紅白』を取材してきていますが、本番5日前に歌唱曲が変更されることなぞ、今までに知りえません。

騒動の顛末を振り返ってみましょう。

23日、出演アーティストの曲目が発表され、星野源の歌唱曲は『地獄でなぜ悪い』と決まります。

この楽曲は星野が2012年にくも膜下出血を発症した病床で作られた曲で、私の勝手な解釈を言わせていただければ“地獄の様な現実にもがき苦しみながらも、そんな現実でもいつかは夢や希望や自信を、絶対自ら掴んでやる”という歌詞の曲です。

これだけなら今年の紅白のテーマである“あなたへの歌”…同じような境遇で過ごしている人たちへの歌という意図に沿った曲だと解釈できます。

ただ、星野の6枚目のシングルでもあるこの曲は、同名タイトルで2013年9月に公開され、星野も出演していた園子温監督作品の主題歌でもありました。

騒動になったのは、この園監督に対する、2022年春の一部メディアからの性加害疑惑報道でした。

今年1月、名誉棄損でこの報道を提訴していた園監督と出版メディアの裁判上の和解が成立しましたが、SNSでは――

「性加害疑惑が報じられた監督作品の主題歌を、なぜ国営放送の大晦日、世界に向けて歌うのか」
「故・ジャニー喜多川氏の性加害問題でジャニタレを締め出したくせに、全くの事実無根という提訴ではなく、報道は事実と異なる点が多いから…という提訴声明は黒でなくグレー。グレーなら容認するってこと?」

といったコメントが溢れ、その声はNHKと星野の事務所に、協議の話し合いをもたらすことになりました。

そして発表されたのが『ばらばら』への変更だったのです。

NHKは「性加害は決して許さないという姿勢であることは言うまでもありませんが、曲目発表後の反響を受け判断」、星野の事務所は「この曲を歌唱することが二次被害にあたる可能性があるという一部の指摘を完全に否定できません」と、この緊急曲目変更の理由をコメントしています。

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アーティスト側に選曲の権利がない紅白歌合戦

視聴者にはほとんど知られていないことだと思いますが、紅白の歌唱楽曲の選定は、アーティスト側に選択の余地はほとんどないのが現実です。

特別枠で出演した、テレビで歌唱することがほとんどないアーティストや大物歌手は別ですが、普通の楽曲選びは、制作スタッフたちが“あぁでもない、こうでもない”と頭を悩ませて選ぶものなのです。

アーティストが、今年は〇〇を歌いたいと主張しても、“今年の紅白のテーマは〇〇ですから、それに沿う形で違う〇〇の方を…”と言われることも度々あると聞いています。

実際星野も、曲目発表後に自らのインスタで――

「演出の方に、今年この曲を歌って欲しいんです。この曲をテレビで観ている“あなた”の一人一人に届けて欲しいんです」

と熱弁されたことを明かしていました。

確かに歌詞だけを見ればそう思えるのかもしれませんが、個人的には、もう少し広い目で、この曲に関わる全ての現実…この歌を歌うことがどんな影響を及ぼすのかを、広い視野で考えられなかった制作陣の勉強不足やセンスの無さを感じてしまいます。

SNSでも「源ちゃんや曲、映画作品には何の罪もない」とか、「とんだとばっちり。源ちゃんが可哀そう…」なんて意見も述べられていました。

好き嫌いは別にして、この騒動には堀江貴文氏も「悪しき前例」、「テレビはどんどんつまらなくなる」と『X』に投稿しています。

NHK紅白は演出側、制作側のセンスがなさすぎる

芸能マスコミは、ここ数年の紅白の低視聴率をアーティストのマンネリ化、クオリティの低さと指摘しますが、私は個人的に、はからずも今回の騒動で露見した“演出側、制作側のセンスの無さ”が問題だと思っています。

だからといって具体的には何も言えないのですが、漠然と“もっと違う見せ方”があるんじゃないか…と思うのです。

その年度の“年末紅白スペシャルメドレー”とか、“〇〇年特別アレンジ・バージョン”で過去のヒット曲を何回も歌わせる手法にも、いい加減飽きてきたような気がしているのは私だけでしょうか…。

歌唱曲がその年のヒット曲にならなかったアーティストを何組も出演させる、大晦日の日本の歌の祭典って何の意味があるんだろう…なんて、今年も思ってしまうのです。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

image by: 星野源 オフィシャルサイト

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