12月18日、経営統合に向け協議中であるとのコメントを発表したホンダと日産の両社。「実現すれば販売台数世界第3位の巨大グループの誕生」と報じられ、各所から歓迎する声も多く上がっていますが、事はそう単純な話ではないようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、この経営統合の流れを詳しく紹介。さらに台湾企業「鴻海」の動きや経産省の思惑といった「驚きのウラ事情」を明かしています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:カルロス・ゴーンの負の遺産
前向きでも発展的でもない。ホンダと日産「経営統合」の真実
まず始めに、12月11日配信の第290号の「黒船インバウンド」で取り上げたコンゴ民主共和国で広がっている未知の感染症「疾病X」についての続報です。メルマガ配信6日後の12月17日、コンゴ保健当局は調査の結果として「疾病Xはマラリアだったと判明した」と発表しました。しかし、そうであれば、どうして原因特定までに2カ月近くも掛かったのでしょうか?また「疾病X」の致死率は約50%と非常に高いですが、マラリアの致死率は1%以下の約0.24%です。この違いは何なのでしょうか?
一方、WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長は、患者から採取した検体を検査した結果、12例のうち10例でマラリアの陽性反応が出たとして「少なくとも一部はマラリアが原因だった可能性がある」とした上で「ただし、マラリアだけでなく複数の疾患が関係している可能性もある」と報告しました。専門家でもないあたしが、ここでアレコレ推測しても仕方ないので、引き続き警戒しつつ続報を待ちたいと思います。
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…そんなわけで、ここからが今週の本題ですが、12月23日、ホンダの三部敏宏社長、日産の内田誠社長、三菱(自動車)の加藤隆雄社長が経済産業省と国土交通省を訪れ、3社経営統合の本格的な協議入りを国に報告しました。今後の流れとしては、まず規模の大きいホンダと日産が年内にも協議入りし、日産と企業連合を組む三菱が年明けに合流し、来年6月の合意を目指すと発表されました。
現在の自動車の年間販売台数は、ホンダが世界7位、日産が8位ですが、この3社統合が実現すると、世界首位のトヨタ、2位のフォルクスワーゲングループに次ぐ、世界3位の連合となります。
この発表だけを見れば、前向きで発展的な経営統合のように感じてしまいますが、すでに多くの皆さんがご存知のように、これはそんなに喜ばしい話ではないのです。現在、ホンダは二輪部門が好調なので何とかなっていますが、日産は極めて苦しい状況です。日本車の主要マーケットである北米での売上を見ると、日産は去年まで2千数百億円の利益を上げていましたが、今年はマイナス50億円へと急降下してしまいました。これには複数の原因があるのですが、最大の原因は「カルロス・ゴーンの負の遺産」です。
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