ウラジーミルの微笑

海外文学・世界文学の感想を長文で書くブログです。池澤夏樹世界文学全集の全巻マラソンもやっています。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

総括＆お気に入りランキング！　池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第１集

その他 池澤夏樹=個人編集　世界文学全集 20世紀文学

命短し本読め乙女 ブログ開設からはや１０か月。ようやく池澤夏樹=個人編集 世界文学全集の第１集を読了したので、ここらで一度総括をしたい。 第１集は全１２冊。１冊に複数の作品を収録しているものもあるから、全部で１８の作品があった。なお、うち１つ…

1-12②『モンテ・フェルモの丘の家』ナタリア・ギンズブルグ/須賀敦子訳

20世紀文学 ☆☆☆ イタリア文学 池澤夏樹=個人編集　世界文学全集 思想を感じる

住み慣れた我が家に花の香りを添えて わたしは、小説のなかで、描写の部分はがまんできないの。これといった意味もなく、だらだらと描写が続く箇所がある。だれそれが、なになにの味を感じる、なんとかの匂いを嗅ぐ、どこそこへ行く、だけど犬一匹会わないし…

『失われた時を求めて』第２篇「花咲く乙女たちのかげに」マルセル・プルースト/吉川一義訳

20世紀文学 フランス文学 文体を味わう 『失われた時を求めて』

Overnight Sensation だが、それがどうしたというのか？今は、まだ花盛りの季節なのだ。(第４巻、p.533) <<感想>> 前回の「スワン家のほうへ」の記事【過去記事】では、一人でも多くの方にこの作品に触れてもらいたいという思いから、本作を読むためのコツを…

『ガルガンチュワ物語―ラブレー第一之書』フランソワ・ラブレー/渡辺一夫訳

16世紀文学 ☆☆☆ フランス文学 思想を感じる

１５ｃで不良（ポストモダン）と呼ばれたよ いかほど深遠な寓喩や理窟があることになさろうと御勝手でござるし、殿も各々方も、お好きなだけ夢を見られるのもよろしかろう。拙僧より見ますれば、打球戯の有様を、判りにくい言葉で描き出しただけのものと心得…