ウラジーミルの微笑

海外文学・世界文学の感想を長文で書くブログです。池澤全集を完走後、ゆっくり白水社エクス・リブリスの全巻読書をやってます。

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『紙の動物園 ケン・リュウ短篇傑作集 1』ケン・リュウ/古沢嘉通訳

見てごらんよく似ているだろう ・・・ファーツォンが近くにいるとき、きみの呼気に含まれているオキシトシンとパソブレッシンのレベルが急上昇しているのを検知しているし、心拍数の上昇と虹彩の拡大も見られる。これらは明白な身体的徴候だよ。(p.147) 普段…

『百年の孤独』の次はこれだ!文庫で読めるラテンアメリカ文学

はじめに 文庫で読める!!! 『百年の孤独』は日本でももうかれこれ50年ほど売られ続けている。このため、正直「文庫化」がこれほどのインパクトを与えるとは思ってもいなかった。本を買い集めるためには金に糸目をつけない自分がいかに異端で、一般の読…