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2011.06.16
15秒で訓練なしにできる記憶力を倍増させる方法
繰り返しはあまり役に立たない
ものを覚えるのに、今でも頻繁に使われる方法に《繰り返す》というのがある。
これは思ったほど(一般に思われているほど)効果がない。
記憶システムを短期記憶と長期記憶から構成されるものとするレトロな二重貯蔵モデルにおいては,繰り返し唱えたり書きなぐったりして、記憶したい情報を反復することで,短期記憶から情報が失われないようにすると同時にその情報を長期記憶へと転送させるのだと考えられていた。
ところが,情報を単に反復することに時間を費やしても,必ずしもそれが記憶として定着するわけではないことがその後分かってきた。
現在では,こうした《繰り返し》は維持リハーサル maintenance rehearsal(または1次リハーサル primary rehearsal)と呼ばれ,情報を短期記憶に一時的に保持させるに過ぎないと考えられている。
記憶技法はめんどい
情報を長期記憶に送り込むには、同一の符号系列の単純な反復である維持リハーサルではなく、情報に対するイメージの構成や意味的処理によって既有知識と関連づける精緻化リハーサルが有効である。
記憶したい情報を相互に関連づけたり情報の意味づけを行う、いわゆる《深い処理》にあたるものだ。
単語のスペルや音韻に注意したり,繰り返し読み上げたり書き写したりするような「浅い」処理を行うよりも,意味を考えたり,イメージしたり、自分の経験と関連づけるような「深い」処理を行う方が,その単語の保持成績は優れたものになる。
記憶したいものをカテゴリーに分類したり,記憶すべき項目をあらかじめ決めた場所に置いたり,各単語や単語リストのイメージを作るというイメージ化することも、これにあたる。
いわゆる記憶技法や記憶方略として知られているものは、この《深い処理》をプロセスに含んでいる。
しかし問題は残る。
記憶技法は、それなりの準備や訓練を必要とするものが多い。
《深い処理》自体が難易度が高い方法だったり、そうでなくても手間暇がかかることが多い(手間暇をかけ、簡単にすまさないから「深い」処理になるのだとすら言える)。
記憶技法や記憶方略は、それぞれに効果のあるものなのだが、思ったほど普及しないのは、ぶっちゃけ「面倒くさい」からである。
では、とりあえず《繰り返す》よりはましで、《深い処理》ほど面倒くさくない方法はないのだろうか?
もっとずっとシンプルで、特別な訓練も、特殊な準備も必要のないものは?
ただ《持っておく》こと
紹介するのは、あまりに地味なので、意外に知られていない方法である。
A.誰かに読み上げてもらった単語を、すぐに復唱する
B.誰かに読み上げてもらった単語を、15秒間待ってから、復唱する
これはすぐに実験できるから、AとBをどちらも試してみよう。
Bのやり方の方が、圧倒的に記憶に残る。
違いは「15秒間待つ」ことだけである。
短期記憶に情報が保持される時間はかなり短く、通常15秒(長くても30秒)程度と考えられている。
それを超えて記憶を保持しようとすれば、情報を処理せざるを得ない。
記憶したい情報をただ流すのでなく、少しの間「持っておく」ことで、情報処理プロセスを作動させる訳である。
4つの基本技
では「15秒待つ」ことを組み込んだ記憶法の4つあげよう。
4つというのは2種類のインプット(聞く/読む)と2種類のアウトプット(言う/書く)を掛け合わせた数である。
どれもシンプルな方法なので、いろんな記憶技法や記憶方略と組み合わせることも簡単である。
(1)delayed repetition 聞く→言う
時間差復唱。
耳で聞いた情報(たとえば単語や文)を、15秒待ってから、復唱する。
(2)delayed dictation 聞く→書く
時間差ディクテーション。
耳で聞いた情報(たとえば単語や文)を、すぐに書き留めるのでなく、15秒待ってから、書き出す。
(3)delayed copying 読む→書く
遅延写経。
読んだ情報(たとえば文字や単語や文や数式など)を、すぐに書き写すのでなく、15秒間待ってから、何も見ずに書き出す。
(4)Read & look-up 読む→言う
時間差音読。
読んだ情報(たとえば文字や単語や文や数式など)を、すぐに発音/発声するのでなく、15秒間待ってから、何も見ずに唱える。
(関連記事)
・(保存版)覚え方大全/自分で選ぶための53種の記憶法カタログ

・復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる

・古今東西の記憶術をざっくり7つにまとめてみた

FC2ノウハウ
ものを覚えるのに、今でも頻繁に使われる方法に《繰り返す》というのがある。
これは思ったほど(一般に思われているほど)効果がない。
記憶システムを短期記憶と長期記憶から構成されるものとするレトロな二重貯蔵モデルにおいては,繰り返し唱えたり書きなぐったりして、記憶したい情報を反復することで,短期記憶から情報が失われないようにすると同時にその情報を長期記憶へと転送させるのだと考えられていた。
ところが,情報を単に反復することに時間を費やしても,必ずしもそれが記憶として定着するわけではないことがその後分かってきた。
現在では,こうした《繰り返し》は維持リハーサル maintenance rehearsal(または1次リハーサル primary rehearsal)と呼ばれ,情報を短期記憶に一時的に保持させるに過ぎないと考えられている。
記憶技法はめんどい
情報を長期記憶に送り込むには、同一の符号系列の単純な反復である維持リハーサルではなく、情報に対するイメージの構成や意味的処理によって既有知識と関連づける精緻化リハーサルが有効である。
記憶したい情報を相互に関連づけたり情報の意味づけを行う、いわゆる《深い処理》にあたるものだ。
単語のスペルや音韻に注意したり,繰り返し読み上げたり書き写したりするような「浅い」処理を行うよりも,意味を考えたり,イメージしたり、自分の経験と関連づけるような「深い」処理を行う方が,その単語の保持成績は優れたものになる。
記憶したいものをカテゴリーに分類したり,記憶すべき項目をあらかじめ決めた場所に置いたり,各単語や単語リストのイメージを作るというイメージ化することも、これにあたる。
いわゆる記憶技法や記憶方略として知られているものは、この《深い処理》をプロセスに含んでいる。
しかし問題は残る。
記憶技法は、それなりの準備や訓練を必要とするものが多い。
《深い処理》自体が難易度が高い方法だったり、そうでなくても手間暇がかかることが多い(手間暇をかけ、簡単にすまさないから「深い」処理になるのだとすら言える)。
記憶技法や記憶方略は、それぞれに効果のあるものなのだが、思ったほど普及しないのは、ぶっちゃけ「面倒くさい」からである。
では、とりあえず《繰り返す》よりはましで、《深い処理》ほど面倒くさくない方法はないのだろうか?
もっとずっとシンプルで、特別な訓練も、特殊な準備も必要のないものは?
ただ《持っておく》こと
紹介するのは、あまりに地味なので、意外に知られていない方法である。
A.誰かに読み上げてもらった単語を、すぐに復唱する
B.誰かに読み上げてもらった単語を、15秒間待ってから、復唱する
これはすぐに実験できるから、AとBをどちらも試してみよう。
Bのやり方の方が、圧倒的に記憶に残る。
違いは「15秒間待つ」ことだけである。
短期記憶に情報が保持される時間はかなり短く、通常15秒(長くても30秒)程度と考えられている。
それを超えて記憶を保持しようとすれば、情報を処理せざるを得ない。
記憶したい情報をただ流すのでなく、少しの間「持っておく」ことで、情報処理プロセスを作動させる訳である。
4つの基本技
では「15秒待つ」ことを組み込んだ記憶法の4つあげよう。
4つというのは2種類のインプット(聞く/読む)と2種類のアウトプット(言う/書く)を掛け合わせた数である。
どれもシンプルな方法なので、いろんな記憶技法や記憶方略と組み合わせることも簡単である。
(1)delayed repetition 聞く→言う
時間差復唱。
耳で聞いた情報(たとえば単語や文)を、15秒待ってから、復唱する。
(2)delayed dictation 聞く→書く
時間差ディクテーション。
耳で聞いた情報(たとえば単語や文)を、すぐに書き留めるのでなく、15秒待ってから、書き出す。
(3)delayed copying 読む→書く
遅延写経。
読んだ情報(たとえば文字や単語や文や数式など)を、すぐに書き写すのでなく、15秒間待ってから、何も見ずに書き出す。
(4)Read & look-up 読む→言う
時間差音読。
読んだ情報(たとえば文字や単語や文や数式など)を、すぐに発音/発声するのでなく、15秒間待ってから、何も見ずに唱える。
(関連記事)
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・復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる

・古今東西の記憶術をざっくり7つにまとめてみた

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