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2011.07.10
復習のタイミングを変えるだけで記憶の定着度は4倍になる
1,3,7……で復習する
一度に覚えるのと、分けて覚えるのでは、分けて覚えるほうが効果が高く、しかも長く続く。
これは、単純な暗唱ものから文章理解から技能習得に至るまで、あらゆるジャンルとコンテンツとシチュエーションで確認されている。
そして同じく学習を分散するにしても、その間隔を次第に広げる方が効果があることが知られている。
・Glenberg AM & Lehmann TS. (1980). Spacing repetitions over 1 week. Memory & Cognition. 1980, Vol. 8 (6), 528-538.
・Glover JA & Corkill AJ.(1987). Influence of paraphrased repetitions on the spacing effect. Journal of Educational Psychology, Vol 79(2), Jun 1987, 198-199.
たとえば、3日おきに復習するよりは、1日後、3日後、1週間後……という間隔で復習する方が定着度が高い。
次第に間隔を広げていくこのやり方をSpaced Repetitionあるいはspaced rehearsal、expanding rehearsal、graduated intervals、repetition spacing、repetition scheduling、spaced retrieval and expanded retrievalなどと言う。
これは学習する側からすると、非常に役に立つ知見だが(そして実際いろんなところで活用されているのだが)、案外知られていない。そして耳にしたことがある人も、あまり重要なものとは思っていない。
教育現場で、教師や生徒にどれほど知られていないか、有効性が認識されていないかを調べた研究があるほどだ。
・Rothkopf, E. Z. (1963). Some observations on predicting instructional effectiveness by simple inspection. The Journal of Programmed Instruction, 2, 19-20.
・Zechmeister, E. B., & Shaughnessy, J. J. (1980). When you know that you know and when you think that you know but you don't. Bulletin of the Psychonomic Society, 15(1), 41-44.
35ミニッツ・モジュール
復習の間隔を次第に広げていくやり方のひとつで、シンプルなのはDWMシステムである。
これはDay-Week-Monthの略で、1日後、1週間後、1ヶ月後に復習するというもの。
単語や構文を覚えるのにカードを使うなら、学習/復習した日付を記入して、箱に並べておいて、上記の復習スケジュールで見直す。
少々面倒だが、機械的なスケジュールなので、プログラミングをかじった人なら、ちょっとした仕掛けで復習支援環境を実現できるだろう。
お仕着せのものもある。
Spaced Repetitionをとりいれたソフトで、一番有名なのはAnki(http://ankisrs.net/)だろう。Windows、Mac osx Linux、FreeBSD、それにiPhone、ノキアのMaemo(マエモ)、Androidで動くソフトがダウンロードできる。オンライン版もある(http://ankiweb.net/account/login)。
さて、DWMシステムを組み入れた35分間で1セットの学習モジュールとしたものが、35ミニッツ・モジュールである。35分間を以下のように使う。
0~20分……新規項目の学習
21~24分……定着のための小休憩と復習の準備
24~26分……1日前の学習項目の復習
26~28分……1週間前の学習項目の復習
28~30分……1ヶ月前の学習項目の復習
30~35分……今日の学習項目の復習
35分間という時間設定は、集中力が維持できる時間とが新規項目の学習に全学習時間の60%(つまり復習には40%)を割くことから算出されている。
暗記ものの学習スケジュールを組み立てるのに利用できる。
(関連記事)
・1年の計はこれでいく→記憶の定着度を4倍にする〈記憶工程表〉の作り方 読書猿Classic: between / beyond readers
・(保存版)覚え方大全/自分で選ぶための53種の記憶法カタログ
・15秒で訓練なしにできる記憶力を倍増させる方法
・古今東西の記憶術をざっくり7つにまとめてみた
一度に覚えるのと、分けて覚えるのでは、分けて覚えるほうが効果が高く、しかも長く続く。
これは、単純な暗唱ものから文章理解から技能習得に至るまで、あらゆるジャンルとコンテンツとシチュエーションで確認されている。
そして同じく学習を分散するにしても、その間隔を次第に広げる方が効果があることが知られている。
・Glenberg AM & Lehmann TS. (1980). Spacing repetitions over 1 week. Memory & Cognition. 1980, Vol. 8 (6), 528-538.
・Glover JA & Corkill AJ.(1987). Influence of paraphrased repetitions on the spacing effect. Journal of Educational Psychology, Vol 79(2), Jun 1987, 198-199.
たとえば、3日おきに復習するよりは、1日後、3日後、1週間後……という間隔で復習する方が定着度が高い。
次第に間隔を広げていくこのやり方をSpaced Repetitionあるいはspaced rehearsal、expanding rehearsal、graduated intervals、repetition spacing、repetition scheduling、spaced retrieval and expanded retrievalなどと言う。
これは学習する側からすると、非常に役に立つ知見だが(そして実際いろんなところで活用されているのだが)、案外知られていない。そして耳にしたことがある人も、あまり重要なものとは思っていない。
教育現場で、教師や生徒にどれほど知られていないか、有効性が認識されていないかを調べた研究があるほどだ。
・Rothkopf, E. Z. (1963). Some observations on predicting instructional effectiveness by simple inspection. The Journal of Programmed Instruction, 2, 19-20.
・Zechmeister, E. B., & Shaughnessy, J. J. (1980). When you know that you know and when you think that you know but you don't. Bulletin of the Psychonomic Society, 15(1), 41-44.
35ミニッツ・モジュール
復習の間隔を次第に広げていくやり方のひとつで、シンプルなのはDWMシステムである。
これはDay-Week-Monthの略で、1日後、1週間後、1ヶ月後に復習するというもの。
単語や構文を覚えるのにカードを使うなら、学習/復習した日付を記入して、箱に並べておいて、上記の復習スケジュールで見直す。
少々面倒だが、機械的なスケジュールなので、プログラミングをかじった人なら、ちょっとした仕掛けで復習支援環境を実現できるだろう。
お仕着せのものもある。
Spaced Repetitionをとりいれたソフトで、一番有名なのはAnki(http://ankisrs.net/)だろう。Windows、Mac osx Linux、FreeBSD、それにiPhone、ノキアのMaemo(マエモ)、Androidで動くソフトがダウンロードできる。オンライン版もある(http://ankiweb.net/account/login)。
さて、DWMシステムを組み入れた35分間で1セットの学習モジュールとしたものが、35ミニッツ・モジュールである。35分間を以下のように使う。
0~20分……新規項目の学習
21~24分……定着のための小休憩と復習の準備
24~26分……1日前の学習項目の復習
26~28分……1週間前の学習項目の復習
28~30分……1ヶ月前の学習項目の復習
30~35分……今日の学習項目の復習
35分間という時間設定は、集中力が維持できる時間とが新規項目の学習に全学習時間の60%(つまり復習には40%)を割くことから算出されている。
暗記ものの学習スケジュールを組み立てるのに利用できる。
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