何気なくカメラを向ければ、そこにはイオンがある――
我が国の郊外でよく見られる光景だ。
ふと気付けば風景の中にある「それ」。
「遠景のイオン」と向き合った。
イオンは日本の原風景
たとえば夕暮れ時。
「黄昏」って言葉、何となく使うけれど、こんな時間を指すんだっけ。
そんなことを思いながらふとカメラを向ければ、そこにはイオンがある。
↑あなたには見えるだろうか、イオンが
↑黄昏のイオン
↑カメラロールの肥やし、データの無駄遣いみたいな写真だが
↑あるんだそこには、イオンが(倒置法)
決してイオンを狙って撮らなくとも、何気なくカメラを向ければ、そこにはイオンがある――
現代の「犬も歩けば棒に当たる」である(違うか)。
あなたの思い浮かべる日本の原風景はどんなものだろう?
稲穂が揺れる田園地帯、川のせせらぎ…
私の原風景は、イオン。
それも、遠景の中にあるそれである。
あえて遠景のイオンを撮る、という趣味
何気なくカメラを向ければ、そこにはイオンがある――
「何気なく」という無意識性がフリになって日本の都市風景を表現するフレーズではあるが、あえて狙って風景の中にあるイオンを撮影するというのも、オツなものではなかろうか。
やってきたのは、長野県中野市。
そこにあるのは、信州の雄大な山々と、イオン中野店。
↑画像右側に映り込むのがイオン中野店
↑ポツンと一イオン
今度は同じイオンを逆の方角からも狙ってみる。さまざまな角度から多角的にイオンを捉えたい。写真家マインドである。
↑高原や小高い山からの撮影はイオンが狙いやすい
↑ちょっとした展望台のようなところから撮影に臨む
↑イオンを取り巻く街の成り立ちなども感じられる作品
↑「イオンは決して『ハレ』ではなく、生活と地続き。そんなことを表現してみました」
2つのイオンを一枚に収めたい
イオンを遠景で撮影しているうちに、私の中に一つの願望が生まれていた。
「2つのイオンを一枚に収めたい」
現在のイオンは、昔でいうジャスコとサティである。
かつてそれぞれジャスコとサティとして営業していた店舗が看板を変えイオンになったため、2つのイオンが近距離にある場所が新潟県にあるのだ(早口)。
やってきたのは新潟県は燕三条地域。
↑こちらはイオン県央店。元サティである。
↑こちらはイオン三条店。元ジャスコである。
この2店は直線距離で約2.3km。
2店が重なるような方角から狙えば、遠景で2つのイオンを一枚の写真に収めることができるのではないだろうか。
↑小高い公園にやってきた。ここから2つのイオンを狙う
↑公園にはイオンを撮影するためとしか思えない展望台が
↑さあどうだ
↑やりました!
↑人類初、2つのイオンを捉えるという偉業達成です!
↑撮影成功後、感慨にふけって2つのイオンを小一時間眺める筆者であった
まとめ:遠景のイオンを眺めるということ
知らない街を車で走るとき、イオンのピンクの塔屋がふと視界に入った時の高揚感は、特別なものがある。
それはきっと刷り込まれた我らのDNAだから。
遠景の中のイオンを眺めるとき、それはどんなガイドブックよりもその街を表しているような気がする。
街はそれぞれちがっているのだけれど、他の街と同じようにナショナルチェーンのピンクの看板がある。
それはある種のフックとなり、少しその街と握手できた気になる。
風景の中のイオンを見るとき、イオンもまたこちらを見ている――なんて。