最近「ダイソー」がすっかり垢抜けてしまった。
記憶にあるかつてのダイソーといえば、どこか垢抜けないカラフルな外観だった。
そうそう、「DAISO」のロゴはワードアートみたいなやつだったよな。
もっさりとしたダイソーの外観が懐かしい
デフレ社会に生きてきた平成初期生まれの私としては、100円ショップが人生の伴侶くらいの感覚がある。
クラス行事で渡すプレゼント選びに精を出した小学校時代、放課後一人でチャリを飛ばしてお店に通った中学・高校時代、はじめての一人暮らしの拠り所だった大学時代。
どの時代も、ダイソーの思い出とともにあるのである。
100円でアダルトビデオが売られているのを発見してドキドキしたり、かつて店内にあった低クオリティなプリクラ機でプリクラを撮ったり、ひと悶着あったヤンキー新聞勧誘員と店内で鉢合わせたりと、エピソードを語れば枚挙にいとまがない。
そんなダイソーだが、少し前からロゴが新しくなり、お店の外観もシンプルなものに変わり始めている。
すっかり垢抜けちゃって…俺がセリアに浮気したから?
かつての趣きがなくなり始めていることに、少しだけ寂しさを感じる。
そうそう、ダイソーといえば一部の店舗に見られた「DAISO」のロゴ。
「なんだよこのやっつけワードアートみたいなロゴは!」などとは当時は露も思わなかった。
↑こちらは会津若松市で発見
さきほど「ダイソーといえば…」と書いたものの、立体的な書体で書かれた「DAISO」の文字は上の2例しか採集していなかった。
他のお店でも無意識で見ていたが気に留めなかったのかもしれないし、「DAISOワードアート」自体がそれほど多くないのかもしれない。
ではこちらはどうだろうか。
これは私がofficeの機能で再現したもの。
画像は手持ちのものがなかったので、ネット上の画像を参考にさせていただいた。
詰めが甘い部分もあるが、適当なポップ体と図形を使うだけでそれっぽくなった。
こちらのカタカナ表記のロゴは多くの人の記憶に残っているのではないだろうか。
ポップ体を採用しているだけで見下されるきらいがあるが、インパクトを残すという意味では、このダイソーのロゴも高度な視覚デザイン戦略なのかもしれない。
DAISOワードアート in 実店舗
さて、気になっているのは、2つのお店で見つけたワードアートっぽく書かれた「DAISO」の文字。
こちらを実際にワードアートで再現してみる。
といってもワードアートの機能に詳しくないので、試行錯誤である。
↑この辺で手打ちということで…
↑うーん、へったくそ
がんばってこれ。
標準で入っているフォントからは本物に近いフォントが探し出せなかったし、微妙なねじれ具合も再現できなかった。
文字と文字の重なりを表現するために、1文字ずつ個別に作ってそれぞれを重ねたのだが、それが妙な歪みとなってしまった。
完敗です。
ワードアートに詳しい人はもっとスマートに再現できたりするんだろうか。
悔しいがこれでよしとして、自分の作った疑似「DAISOワードアート」を出力してみる。
↑手持ち札を作成
これをお店に持って比べてみよう。
私が最もお世話になった新潟県長岡市の店舗は、まだ新ロゴになっていなかった。
ワードアートっぽさも健在。
100円アダルトビデオにドキドキしたのもこちらの店舗である。
いやー、文字の立体の厚みが足りなかったか。
やはり本家のDAISOロゴは貫禄がある。
もう「やっつけワードアート」とは呼ばない。
我々が目にしていたのは偉大なるタイポグラフィーだ!
↑すでに新しいロゴに移行している店舗にも持参してみた。この行為はもう意味わからんす。
ダイソーの外観は社会の写し鏡だ
企画段階ではもう少し実際のお店の外観にある「DAISO」に近いものがワードアートで作れると思っていた。
本家「DAISO」ロゴはプロクオリティで凝りに凝って作られたものだということがわかった。
はたまた私のワードアートの技術不足か。
絶滅危惧種となっている賑やかなロゴのダイソー。
あの賑やかさは、デフレ期「失われた20年」の陰鬱さを吹き飛ばす意味合いがあったんじゃないだろうか。
となればダイソーのスタイリッシュ化は、社会の転換、なのかな。
これからどんどんスタイリッシュになっていったとしても、俺たちはあのもっさりとしたダイソーを忘れないでいような!
↑これは懐かしい感じの外観のセリア