木炭を運ぶ女性

英語版1911年11月号より

2021.10.29
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ナショナル ジオグラフィック英語版1911年11月号より(白黒写真に手で彩色)。<br>写真:WILLIAM W. CHAPIN
ナショナル ジオグラフィック英語版1911年11月号より(白黒写真に手で彩色)。
写真:WILLIAM W. CHAPIN
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 大きな俵を背負った女性が石畳で立ち止まり、こちらを振り返る。ここは日光の山中。俵の中身は木炭で、ここまで5キロ近く歩いてきた。さらに1.5キロほど離れた場所まで荷物を運び、その対価として、いくばくかの代金を受け取る。屈強な男性でも音を上げそうな重労働だが、女性はこの仕事に慣れているのか、軽々と運んでいるように見えたという。1911(明治44)年11月号の特集「私が垣間見た日本」の1枚。

 特集の筆者で撮影者のウィリアム・W・チェイピンは、米や材木を運ぶ人々にもレンズを向けた。当時の山村には車両に適した道がなく、「何から何まで人が背負って運ぶしかない」と伝えている。

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