Tumblrの魅力:「面倒くさい」を溶かし、ReBlogという反響装置を持ったTumblrはソーシャルメディアの最新型だ
Web界隈では、SNS向けの共通APIであるOpenSocial、Googleの携帯向けプラットフォームAndroidなど、今後のWebを大きく変えそうなトピックの発表が続く。が、TumblrのDashboardでそれらの初報や反応も含めて知ることは、なぜか刺々しさが和らぐ気がする。
さて、
Tumblrの魅力:かつてないほど「Webをやる」ことに惑溺できるツール
https://nakanohajime.wordpress.com/2007/10/27/tumblr/
Tumblrの魅力:TumblrがブログやSBMはもちろん、いわゆるTumblelogとも違う理由(の序章)
https://nakanohajime.wordpress.com/2007/11/01/tumblr1101/
と続いてきたTumblrネタだけど、今回で一度区切りを付けようと思う。
もちろんTumblrに飽きたわけじゃなく、ぼくはとりあえず捉えたかったものを形にしてみたし、これから先はDashboardに流れる言葉をReBlogしつつ何かが湧いてきたら書いてみたい。
最近のTumblrのニュースといえば、バージョン3.0のリリースだ。詳細はこちら。
[観] リニューアル後の Tumblr のレポート (超簡易版)
http://watcher.moe-nifty.com/memo/2007/11/tumblr_dd31.html
このリリースはおそらく、大方予測がついていたことだが、Tumblr, Inc.(っていうんだ)の見込みを大きく超えた使い方をしている日本のコアなTumblrユーザーにとっては肯定的な反応は難しいものだったと思う。
to
http://to.tumblr.com/post/18130635
あぁChannelとかfollowとか、リファラ制限とか、すごくコミュニティ/SNSよりにいっちゃったなー。
結局は、クライアント側次第でどうとでもなるんだけど。
Tumblrもそっちに、いきたいのか、儲かるのかなぁ。
この「結局は、クライアント側次第でどうとでもなる」が、Tumblrではことのほか重要だろう。
が、Dashboardは確かに一瞬停滞した。ShareOnTumblrやtomblooといったユーザースクリプトがv3に追いつくまでは。
Traumen Vinyl von elektrischen Schafen?
http://plasticdreams.tumblr.com/post/18322085
断tumblrの禁断症状のようなものが出始めていたので“やっとtumblrが出来る!”と安心する一方,“dashboardにあの流れが感じられなくて残念” 。また,他のtumblristaのpost数が以前と比べて減っていて“あの情報量を捌かなくて済む”とか“情報の洪水に飲まれなくて済む”というような別の意味での安心感もある。
Dashboardは再び徐々に加速しはじめ、今日現在は巡航速度・経済速度といったところか。60人をFollowしているぼくにとって、この流量はややキツくなってきた。
そんな停滞や蠕動や再加速のなかでも、Tumblr界隈は名言を生み出し続けている。
Traumen Vinyl von elektrischen Schafen?
http://plasticdreams.tumblr.com/post/18244152
Tumblrのために早退したい。
(…)
近年稀にみる名言
Tumblrバージョンアップへの不安と期待ないまぜ感を、潔く表わしたフレーズ。
to
http://to.tumblr.com/post/18412771
能動、受動
耳掃除を人にやってもらうと痛い。自分でやる分には、多少強くやっても平気だ。能動/受動とは、このようなものだと思う。
自分でキーを押すと、押した結果が画面に伝わる以外の変化も自分に起きている。
この頭で思って、動き、反応が返ってくる流れが大事に思える。
一瞬の停滞は、特にEarly Tumblristaにとっては内省のチャンスだったのかもしれない。
英語圏だが、こんなのもあった。
nakano.tumblr.com
http://nakano.tumblr.com/post/18515161
I just subscribed to a shit load of more tumblogs. why does this feel like the best social networking ever? it’s like myspace for independent minds. we’re not messaging each other, we’re bearing witness to each other’s lives. it’s like how good relationships are about turning outward rather than to each other.
超訳:「tumblogsがなんでベストなソーシャルネットワークだと感じられるかって?」「独立した心たちのMySpaceのようなものだから」「互いにメッセージを送りあうのでなく、互いの人生の目撃者となるんだ」「二者間でなく、外部に向かう関係がいかに素晴らしいか」
英語圏で見かけるTumblrについての呟きはこのように( Tumblr has reinvigorated my love for having… )オプティミスティックなだけで平凡なものが多いが、あっちのTumblr使いにもビールをおごってあげたい人もいる、と思わせるTumblr評だ。
一方で、ReBlogの仕様変更については。
続・拝むようにつまみ弾き
http://7inch.dubstronica.com/post/18331691
その人がやった渾身のreblogは誰かからのreblogだと説明することなくその人の選んだPostということでいいとおもう。今の「-a-b」みたいなエクスキューズは美術館に行ってしらないおっちゃんに耳元で解説を聞かされる様な感じがしちゃう。
せっかく溶かしたものの成分分析やるような真似をするな! というような拒絶だろう。Tumblr v3は、少しお行儀がよくなったように思う。
Web屋らしいことも書いておこう(いや本質的には、ここまで書いてきたことがWeb屋らしい内容だと思うんだけど、so called「Web屋」として)。
nakano.tumblr.com
http://nakano.tumblr.com/post/18376976
めんどくさがりだけど世界(情報)に興味がある人々の心をつかんだ。
TwitterやTumblrがすごい点のひとつは、確実にこれだ。
あらゆるソーシャルメディアは自サービス上にできるだけユーザーを留めておくことに執心すべきだという前提に立つなら、このトレンドはわかっておく価値がある。
さらに、ソーシャルメディアがTumblrから学べる2つの点を挙げておく。
nakano.tumblr.com
http://nakano.tumblr.com/post/18252698
Wiki に ShareOnTumblr みたいにぽいぽい投稿できる何かができればいいのか?
投稿の障壁を下げる。ユーザーが気持ちよいと感じる状態を妨げず長続きさせる。これはずっと重要になってくるだろう。
ついでにいえば、ぼくが今ネットで一番面倒くさいと感じていることのひとつは「mixi日記を書く」ことだ。mixiが今のようにレガシーなままで日本に君臨していることは、日本のWebにとってよくないと思う。
nakano.tumblr.com
http://nakano.tumblr.com/post/18470421
いずれにしろ、デカいファーム/データサイロみたいなサービスは、そのサービス内をかき回す意味でもReBlogボタンをどんどん付けた方がいいと思うってことに半年後ぐらいにはなりそう。
もう一つはこれ。
“ReBlog”というコンセプト・現象・事件が、この術語ごと浸透するかどうかはわからないが(といっても”Tag”という言葉についても2005年に同様の予測をして外れたので、そのまま定着しそうな予感)、これから半年~1年先までのソーシャルメディアでは、この”ReBlog”によって何かが起こりそうだ。
CGM/UGCを何度でもかき回し反響させるスイスアーミーナイフが、ReBlogだ。面白くなりそう!
長くなったのでここまでにしつつ、他にも言及したかったことを二つ挙げておく。
- TumblrとSocial Taggingの関係はどうなのか
- 敷居が下がり反響効率も高まったソーシャルメディアでは、どんな「共創」が起こりどんな「創作」が立ち上がってくるのか
これらは、また考えが進んだら書く予定。
—
追記(2008.02.07):
Tumblrについては他にも書いていますが、おすすめ記事はこちら。
Tumblelog×企業:わかる企業ならナルハヤで試してほしいtumblrのマーケティング活用
https://nakanohajime.wordpress.com/2007/11/27/tumblr_marketing/
The New New Web Diggersイベント:「QuoteとReBlogで語ってみるtumblrの魅力」を発表しました
https://nakanohajime.wordpress.com/2007/12/14/newnew_tumblr/
ご紹介ありがとうございます。
ですが、あの文章は to さんの文章を ReBlog したものです。Tumblr 的にはそれではいいのかもしれませんが、Tumblr 以外の場所ではちょっと恥ずかしいです。
ちなみに、あの文章を受けて僕がブログに書いた文章があります。
http://handa.ifdef.jp/2007/11/blog-post_06.html
これからもどうぞよろしくおねがいします。
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H & A
2007年11月8日
コメントありがとうございます。
あー、いいんじゃないですかね。Tumblrっぽくて。
といいつつ、できるだけ原典を…と思ったんだんですが、TumblrのReBlog元はパーマリンクじゃないので大変ですね。
このコメント欄も含めてブログ記事だと思うので、読んでいただければわかるということでいい気がします。
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nakano
2007年11月8日
と言いつつ、やっぱり直しておきました。
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nakano
2007年11月8日
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2008年2月7日