吉野家HDの株価、一時9%安 3〜5月の減益決算を嫌気

一回PER見て落ち着け的な話になりそう。

上記記事は大手外食チェーンの吉野家HDの決算が期待を下回ったということで株価が大幅に下落したニュースであるが、これは少し日本株の内需株で人気があった銘柄についてどうすべきか考える時が来たのではないかと思う内容であったのでまとめていきたい。

【吉野家HDの株価チャート】
タイトルなし


吉野家HDの決算が市場の期待値以下であった理由はニュースを見れば大体想像つく内容で、人件費増・材料費増・M&A費用増ということで、とにかく費用増加が大きかったわけである。
これに対して、これまでは販売価格において値上げを連続して行うことによって利益を増やしてきたわけであるが、決算が伸ばせる余地があるとすれば値上げなわけで、これが段々できにくくなっているがために市場期待以下の決算となっているわけである。

さらに海外要因も少し気になるところだ。
外食チェーンによっては海外進出によって海外利益も増やしてきたということもあって、大手外食チェーンほど株価が上昇していっていたわけである。
しかし、アメリカでさえ外食支出が抑制され始めているということもあり、マクドナルドはアメリカで5ドルセットの販売を開始するなど、人件費をはじめとした費用増加に対して値上げができなくなっている。
つまり海外でも利益を伸ばしづらい状況になっているわけである。

こういったアップポテンシャルが徐々に減少しつつある中で、元々優待目的でそこそこ割高株価であるが、そこから機関投資家も参入してわっと短期間で1.5倍とかになった外食チェーン株が多かったわけであるが、急速に雰囲気は「この株価は期待値に対して正当化できるんか?」になっているのである。
それが素直に吉野家HDの決算発表後の株価にストレートに反映されていると思われる。

これは何も吉野家HDだけではない。
ゼンショーHDもすかいらーくもサイゼリアもくら寿司もと、大なり小なり類似点のあるチャートの形となっている。
(複数チャート載せるのめんどくさいので各自で確認してもらいたい)
つまり外食銘柄全体で「ちょっと待てよ・・・」と皆が立ち止まって考え始めているのである。

外食銘柄はインバウンド恩恵もあることを考慮すると、実は内需を代表する銘柄群だったりもするわけだが、こうした外食銘柄の雰囲気が悪化していることは内需系株価全体に影を落とすことになっているのではないかと思う。
さらに言えば、値上げ機運が徐々に剥落していることを意味しているわけで、これは日銀の金融政策にも影響する話になりかねないわけで、そういった様々な視点で外食銘柄を見ると内需系株価は今一度PERと値上げ余力による利益伸長のバランスが取れているか確認したいタイミングになっているように思う。

日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック