村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

セクター投資アイデア

〇〇不足ってニュースが流れたら関連銘柄買えばいいのかも

「卵が10分足らずでなくなった!」アメリカでも卵不足と価格高騰深刻化…レストランではオムレツ“2800円” 年内で4割超の値上げ予測も

とにかく反射神経で動けばいい疑惑。

最新の四季報が発売されたので、いつも通り全銘柄を見ているのだが、その中で序盤に出てくる1384のホクリョウの株価が暴騰していて、理由は卵不足だからということが理由に書いてあった。

【ホクリョウの株価チャート】
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確かにニュースでアメリカで鳥インフルかなんかで卵不足になっているというニュースはそういえば見た記憶があるが、日本で卵不足になったのは去年の話であり、今年の話ではなかったし、さすがに日本からアメリカに卵輸出するわけないだろと思っていたりしていたので気にしていなかったのであるが、アメリカの卵不足ニュースが出たあたりからバーッと株価は上昇していて、今年に入ってからあっという間に+50%という数値になっている。

なんか一見すごそうな最先端技術とかやっている企業より、単なる採卵養鶏場運営している会社の株の方が上昇していることは、下記過去記事に書いたように、デフレからインフレの世界になってしまったことが非常に要因として大きいのではないかと思う。

【過去参考記事】
デフレからインフレへなぜ世界は大きくレジームチェンジしたのか?

特に今まで多くの人から使用量は多いにもかかわらず需給がだぶついていたために儲からないとして馬鹿にされていたオールド商品を扱っている企業ほど現在このデフレからインフレへレジームチェンジした世界で立場が強くなっているわけである。
2022年以降、こういった様々なオールド商品で需要に対して供給が不足しているというニュースはずっと続いているわけで、長く続いたデフレが今度はインフレを招くターンになっていることがよくわかる。

ということを考えると、やはりニュースで「〇〇が不足しています!」っていうニュースが出たら何も考えず関連銘柄にとりあえず投資するという姿勢が重要なのではないかと思う。
しかも、それが日常生活においてなくてはならないものであればあるほど、多くの投資家の認識がひっくり返る事象であり、そういうニュースが出てきたらとりあえずチンパン連打買いすればいいのではないかと自分が書いたnote記事を見ながらやっぱりそうだよなあと思う次第である。

また、この事象から考えられることは、基本的にそういう事象が発生しやすいのは新しい企業より老舗で高シェアを保持している企業であり、そういうことを考えると伝統的に供給体制について責任をしっかり果たす意識のあるバリュー系日本企業は株価的に非常に有利な立ち位置にあるのではないかと思う。
(逆に言えば、新興の一体誰にとって必要なのかよくわからない未知数企業は今のところおよび出ない可能性が高い)

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半導体でもメモリー関連企業に中国からの過剰供給懸念が台頭

The Financial Times' warning: Chinese chipmakers threaten Korean dominance

中国からの供給増でダメージを受ける半導体関連は避けたい。

上記ニュースはメモリー分野で中国のチップメーカーがシェアを確保し始めていることを記載したニュースである。
具体的にはCXMTというチップメーカーがDRAMにおいて、過去はほぼシェアがゼロであったところから足下で5%ぐらいのシェアを確保しているとのことである。
一応メインは低級品らしいが、メモリーというのは半導体の中でもかなり競争が厳しい上にダイレクトの需給のだぶつきから製品販売価格が影響を受けるというところもあり、個人的にはこのニュースはメモリーをメインで取り扱うメーカーの株価には非常にマイナスだと思っている。

おそらくこのチップメーカーも政府から多額の補助金をもらっていることはほぼ間違いないだろう。
そして、こういった中国の採算度外視供給は中国政府の資金源が尽きるまで基本的に続くことを覚悟しないといけない。
そうなると直接的に関連した製品の採算は急速に悪化していくことが想定される。
製造できているのはあくまで低級品であり、高級品というところまではいかないだろうが、そもそも半導体製造は一枚のウェハーから高級品から低級品まで製造状況によってバラバラと作られるため、メモリー製造会社にとっては高級品の採算は維持できても低級品の採算が悪化すると会社全体として業績は悪化してしまう。

そしてメモリー企業も去年は半導体関連銘柄のテンションの高さからばーっと高値をつけてきたが、上記のようなニュースが段々と悪影響を与えていることは確実で、実際にマイクロンの株価は非常にぱっとしない動きとなっている。

【マイクロンの株価チャート】
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サムスン電子も最近のぶったるんだ企業文化を背景に株価は非常に厳しく、メモリーで今一番勢いのあるSK Hynixも株価的にかなりもたついている。

こういうのを見ていくと、十把一絡げに半導体関連銘柄といっても、単に需要が一旦弱いという理由だけで株価が止まっている銘柄から、上記のように競争環境がより厳しくなっていることによって株価が厳しい位置に追いやられている企業からその状況はかなり千差万別である。
そういうことを考えるとSOX指数でざっくりと半導体関連に投資するというのはどうしても投資効率が悪いし、さらにいえば3倍レバレッジかかっているSOXLだと意味ない上下で逓減していくリスクもあるので、個人的には半導体関連銘柄はきちんと銘柄選別して選ばないと十分な投資パフォーマンスは得られないのではないかと思う。

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エヌビディア決算前にヘッジポジション構築が進む市場

Options Traders Line Up Hedges Before Pivotal Nvidia Earnings

エヌビディア株への取り組みは、オプション市場から見る限りは比較的皆理性的だと思う。

現在ご存じの通り、注目される米国株の決算の中でもエヌビディアはもう世界中の投資家がその決算動向に注目している。
単にプロの期間投資家だけでなく、個人投資家の注目度も一企業としてはありえないレベルの高さとなっている。

ただし、その注目度はどちらかというと警戒感的な側面が大きい。
まだ生成AI自体がビジネスとしてきちんと金になっているという実績が薄い中で、メガテック各社が設備投資を積極的にしているわけであるが、この設備投資が少しでも翳ればエヌビディアのPER51倍というのは正当化できないでしょという警戒感が非常に大きく、この警戒感は機関投資家から個人投資家まで幅広く持っている考え方だと思われる。
ここらへんは根本的な需要がマネロン需要しかない仮想通貨界隈のどんな草コインでも買いだみたいなテンションとは全く真逆と言えるだろう。

実際に投資家の警戒感が高まっているかどうかはインプライドボラティリティを見てもらえればわかる。

【エヌビディアの30日インプライドボラティリティの推移】
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https://fintel.io/siv/us/nvda

インプライドボラティリティはオプション市場でオプションの価格を決定する際に重要な指標であるが、これが高いほどオプション(コールもプットも)の値段が高くなる。
つまりオプションの需要が高まっているわけで、エヌビディアの株価が不安定なことを考えるとヘッジ売りのポジションニーズが全般的に高いことを意味する。

【エヌビディアの株価チャート】
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特に決算月にDeepseekショックが起こったところからインプライドボラティリティーは上昇したままで、決算が無事通過するとこを見るまではヘッジを組んでおかなければという機関投資家が多い様子がなんとなくうかがえる。
そしてこのヘッジ売りというのはエヌビディア株でやろうとするとインプライドボラティリティがめちゃくちゃ高いがためにコストが割高なので、ナスダック100などの代替物で行ったりしているために、他のハイテク株も巻き添えを食う形で下落していたりするのである。

しかし、これだけ生成AIというものが次世代技術として注目されている中で、みんな高PERにびくびくしながらあーでもないこーでもないと四苦八苦しているわけで、株価だけ見ると過熱感があるようにも見えるが、センチメント的にはあまり過熱感を感じない。
個人的にはエヌビディアの株価が本当に死ぬときは決算で死ぬのではないと思っており、なぜなら世界中のテック企業がエヌビディアのGPUを発注していて在庫がひっ迫する中で、その在庫のひっ迫度合いを見ている人はごまんといるわけで、在庫ひっ迫度合いに変化があれば真っ先にこの先に事情を知っている人達が一斉に売りに回るはずで、決算の数値しか見れていない人達が先手を取れるわけがないのである。
決算が無事通過すればヘッジ売りは順次アンワインドされていくことが期待できるわけで、そういった諸々を考えていくと、エヌビディア決算でどうのこうのという株価動向にはならないと思う。

ということで、市場を上下に大きく揺さぶるオプション市場から考えると、エヌビディアの決算後の反応はおそらく大したネガティブニュースにはならないと思っており、オプション市場から株価の考察の仕方については下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
株価が上にも下にも行き過ぎる現象をオプション市場から考察する



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生成AIブームを背景に再度盛り上がるサイバーセキュリティ銘柄

【参考書籍】
AI覇権 4つの戦場

サイバーセキュリティーがあらためて注目されそう。

ここもと米国株相場を見ていると、メタを除くとメガテックの株価がやや足踏みとなる中で、その他のナスダック銘柄が好調推移することによってナスダック100は好調推移している。
メガテックの株価がやや足踏みとなっているのは、生成AI投資負担がかなり重たいことと、最終的に商売になるのかどうかという疑問がある中で、一方でその他銘柄はメガテックが投資を継続してくれるんだからその恩恵を得られるよねという動きを反映しているように思われる。

その中でも実はサイバーセキュリティ銘柄が好調推移している。
下記のサイバーセキュリティ関連ETFであるHACKの株価が明らかに好調推移しており、かつて2022年にSPACバブル崩壊で死んだテーマだと思っていたところから再度盛り上がりを見せている。

【HACKのチャート】
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実際にいくつかのサイバーセキュリティ関連の米国企業の決算コールから好決算+強気コメントが出ており、ビジネスとして拡張されていることは把握していた。

しかし、これがはたしてAIブームに牽引されたものかどうか個人的には本当なのか確証を得られていなかった。
イメージとしてはわかるが、本当に生成AIブームがかつてのサイバーセキュリティーブームを超えるようなサイバーセキュリティー需要を生むかどうかを、やはり実務として携わったことがないために確証を持つに至れなかった。

しかし、そんな疑問を上記書籍を読んでいる中の下記文章から解決に至った。

「AIテクノロジーは強力だが、弱点が多い。機械学習システムは、データに偏りがあるか、敵がデータを汚染していたときには、間違ったことを学んでしまう。AIシステムは、そのシステムがどう”考える”かにつけこまれて、操作されるおそれがある。コンピューターのソフトウェアへのサイバー攻撃に似た、認知(コグニティブ)ハッキングと呼ばれるものもある。AIテクノロジーにはこういった特徴があるために、変形したり、壊れたりしやすい。」

よくよく論理的に考えれば確かにその通りだとしか思えなかった。
生成AIの安全・安心な運用のために、元データの保護が必要であり、これは明らかなサイバーセキュリティー需要であることは疑いようがない。
しかもAIテクノロジーというのは、昨今のパランティアの株価高騰を考えれば軍事技術と密接にかかわっていることには疑いがない。
こういったことを総合的に考えれば、安全・安心なAIテクノロジー運用にはサイバーセキュリティーがセットになることは自明の理ということになる。

このような情勢変化から、サイバーセキュリティーは2022年のSPACバブル崩壊で一度死んだテーマであったが、生成AIブームによって息を吹き返し、まだまだ相場テーマとしては継続する可能性が高そうだと考えた。
ただ、どの個別銘柄に資金を投じれば良いのかというのは、そこまで細かい技術に自分も詳しくなく、よくわかっていないというのが現状で、自信がなければ大手の中からバラっと銘柄分散して資金を投じれば良いのではないかと思う。
そうなると、ぱっと思いつくのはCRWD・PANW・FTNT・NETあたりで、そこからそのベンダーとしてACN・IBMなどがばっと思いつく範囲じゃないかなと思う。

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水素投資ネタがトランプ政権爆誕で爆散

Hydrogen still holds promise as a fuel

しばらくは駄目な投資テーマ。

トランプ政権再爆誕してからクリーンエネルギー関連はプロジェクトが撤回されたり補助金の見込みがなくなってしまったことで採算性に疑問がもたれてしまい、ばーっと株価が下落しているが、そうした中でこれまで期待されていた投資テーマである水素ネタも死にかかっているという話が上記FTの記事で紹介されているのでそのことについてまとめていきたい。

クリーンエネルギー会社の株価が下落したら水素ネタも死ぬのは個人的にはまあそりゃそうだろうなという話だと思っている。
理由としては、そもそも水素ビジネスというのは再生可能エネルギーで余ったエネルギーを水素として蓄積するという発想から生じているものであり、再生可能エネルギーが採算性ある形で普及しないと成立しないというボトルネックが存在する。
そのため、トランプ政権下で再生可能エネルギーのプロジェクトが進まないとなると、水素の商用化も遠いわけで、そうなるとこれまで進められてきた投資ネタも一旦バックせざるを得ないというところだろう。

実際に株価の動きはどうだろうか?
日本の水素関連銘柄の代表格と言えば、真っ先に思いつくのは岩谷産業だろう。
では岩谷産業の株価を見ていきたい。

【岩谷産業の株価チャート】
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うーん、これは・・・という動きだろう。
どうやらトランプ政権になりそうというあたりが株価のピークとなり、その後はひたすらだらだら下がり続け、トランプ当選後もひたすら下がり続ける厳しい動きとなった。
やはり、水素事業が商用化・実際にキャッシュフローを生むまでにはまだ相当長い時間がかかるわけで、かつ世界的に金利が高水準で推移する中でディスカウント率を高く計算すると遠いキャッシュフローの価値が以前より評価されない中で
大体こうした夢を追ってしまっている銘柄というのは実現可能性がかなり遠いキャッシュフローを勝手に織り込んで高くなってしまっていることは下記書籍でも分かる話で、非常に注意してもらいたいところである。

【参考書籍】
企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析

こうして特定テーマで一度盛り上がった後にシナリオ前提が完全に狂って爆散してしまった株価というのは復活するまでには大分長い時間かかってしまうので、一旦ここらへんをネタにした投資をしてしまっている場合は損切り・検討していた場合は忘れてしまうのが吉だろうと思う。
特に岩谷産業とかは結構年金勢や機関投資家勢が期待を持って投資してしまっているケースが多いため、すっぱり諦めるのが吉だろうと思う。
 
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