遠藤さんとのその後のその後
遠藤さんのシナリオ通り悪者に仕立てられた僕は、最後の抵抗で「ありがとう」と紳士ぶって終焉を迎えた。膝枕や手つなぎの約束まで取り付けた人生最大のチャンスは、会うことすらできないという最低の結果となってしまった。スポーツクラブでこのLINEを送った後、僕は全てを忘れるかのようにベンチプレスに集中した。そう、いつも通りに筋トレを楽しみ、図書館で本を借りて、美味しいご飯を作って食べれば僕は幸せだ。そこには遠藤さんは必要ない。そう自分を納得させた矢先、予想していなかった遠藤さんから返信が来た。
11:28 遠藤さん) 私も楽しかったよ!いい人と仲良くなれそうと思っていた。
遠藤さんは、途中からピクニックに行きたくなくなってフェードアウトを目指した。しかし、僕はやる気満々でなかなか諦めてくれない。そこで作戦を変更して、僕の揚げ足を取り、悪者にすることで関係を終わらせた。僕はまんまと引っかかった。以上が真理である・・・はずだった。僕の何の意味もない「ありがとう」は、120%既読スルーされ、遠藤さんとは永遠に交わることのないはずだった。ところが、遠藤さんから少し未練を残すようなメッセージが来ている。これは可能性があるのではないか?もう一度謝罪LINEを送って関係を修復しようか?
しかし・・・だ。中洲の女という小ボケで怒ったり、真意を確認しただけでピクニックに行かないと言ってみたり・・・僕は正直ムカついている。たぶんこの人とは合わないだろう。どうせまた僕の一言に突然怒り出すに違いない。それに僕だって、ここまでコケにされてプライドってものがある。こんなところでやすやすと謝ってたまるか!と脳では考えていた。しかしアソコは全く別の反応を示していた。遠藤さんと復活して、膝枕→手つなぎ→キス→下半身の手つなぎを想像すると、スポーツクラブという公衆の門前であるにもかかわらず、僕の下半身は地面に対して75度の角度になっていた。男の脳と下半身は、時として完全なる別人格となる。まさに今がその時。僕はこれまでの人生で、こういう場面でプライドや面子を大事にして、脳の判断に従って行動してきた。しかし、今思う。僕という人間は体にアソコが付いているのではない。アソコに脳を含めた体全体がついているのだ。つまり、僕という人間の中心を司っているのは、まぎれもなくアソコ。アソコの司令に従うことこそが、僕が最も自然に生きられるのではないか?脳が考えるつまらないプライドに従うのではなく、時として本能のおもむくままに行動してみよう!プライドを全部捨て去り、スポーツクラブの椅子に座って、こんなLINEを送ってみた。
11:33 金村) 僕もこんな楽しくLINEできたの久しぶり。
で思ったこと正直に話そうって言ったから、不安な気持ちを言ってしまった・・・
未練がましいかもしれんけど、もう1回やり直せないかな?
なんてカッコ悪いメッセージだ。お前には恥というものがないのか?自分で自分が信じられなくなった。僕は人生一番のダサいLINEを送ったが、さすがにすぐに遠藤さんからの返信はない。遠藤さんも迷っているのか。しかし、ここまでプライドを捨てて、かっこ悪くなれたことはある意味清々しかった。あとは神のみぞ知る!スポーツクラブから図書館に寄って、スーパーに寄って、家に返ってシャワーを浴びた。昼食にカップラーメンを食べて、少しうとうとしかけた。その時、返事がきた。
13:43 遠藤さん) うん、そうだね。もう一度やり直してみよう。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!完全に終わったはずの関係が、首の皮一枚繋がった。僕たちは、その後少しずつメッセージを交わした。しかし、遠藤さんの返信は、怒らせる前に比べて明らかに遅い。絵文字も少ない。何か上から目線のような気もする。僕が許しを乞うて、何とか許してもらった・・・この展開で完全なる上下関係ができてしまったようだ。人間と言うのはすぐにマウンティングしたがる動物であり、下であることに甘んじていると、往々にして暴徒化する。僕は常にこの下の立場だったからそれが分かる。何とか繋ぎ止めた遠藤さんとの関係だが、それは全く余談を許さない。そして、またいつ修羅場を迎えるか分からないので細心の注意を払って、何とかピクニックまで漕ぎ着ける必要があろう!
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