遠藤さんとのその後
遠藤さんのまさかの体調不良によって、土曜日そして日曜日もキャンセルになったピクニック。一時は膝枕と手つなぎの約束までして、キスぐらいまでは確実に行けるかと思われたが、一気に怪しくなってきた。さらに延期にしてほしいと言われたあとに、「次の土曜日も空けとくよ」と送っても既読スルー。客観的に見て、フェードアウトの可能性濃厚なのかもしれない。さらに、断られた翌日の日曜日にも何の連絡もなかった。
仮に僕が遠藤さんの立場として、ピクニックには行きたいけど自分の体調不良で延期になった場合はどうだろうか。無論、相手にやる気を無くされないように、自分から積極的に連絡を取り、謝罪し、次の具体的な予定を提案するだろう。体調不良と言っても所詮風邪なので、そのぐらいは布団の中から十分にできるはずだ。ではなぜそれをしないのだろう?考えられる理由は行きたくないから。どう楽観的に考えてもどっちでもいいからという結論にしか達することができない。
9月25日(月)も体調の経過報告ぐらいはあるかと思っていたが、何の連絡もなし。やっぱりこのままフェードアウトする気に違いない。さすがにこのまま終わらせるのは嫌なので、僕のほうからメッセージを送ってみた。
21:07 金村) 体調はどう?
返信がないどころか、既読にすらならない。ブロックされたのか?いずれにせよ、遠藤さんの冷めっぷりが半端ない。しかし、行きたくないなら中途半端なことをしないで、はっきりと断ってほしい。何か怒りすら覚えてきた。ただ、次の朝起きると、夜中に返信が来ていた。
0:14 遠藤さん) 熱が下がらなかったから、月曜日は仕事休んだよ~。今は熱もだいぶ下がったよ。
一応返信があったが、かつては文書末尾にあった絵文字がもはや1個もない。もう終わりかけているが、一応返信だけはしておこう。
7:00 金村) おはよう。大変やったな~。でも、回復傾向でよかった。
元気になってまた話せるの楽しみにしてる。
8:08 遠藤さん) おはよう!昨日も病院行ったら、扁桃腺が腫れてるらしい。今日まで休まないかんから、最悪。
8:12 金村) 結構重症やったんやな。治って話せるの楽しみにしてる。
8:25 遠藤さん) ありがとう!
その後も、一応LINEのやり取りは続けたが、メッセージは僕から一方的。かつては遠藤さんのほうから、スタンプ付きで「お疲れ様」とか「おはよう」とか頻繁に連絡が来ていたのに・・・つい1週間前のあの頃が懐かしい。そうこうするうちに9月29日(金)を迎えた。明日は一応ピクニックの可能性があり、僕は空けておくと事前に言っている。なので遠藤さんのほうから、可否について連絡があることが普通。しかし、今の遠藤さんにそんなことは全く期待できない。もはや誠実さの欠片もなくなっている。当然のように僕から連絡をした。
20:51 金村) 体調はどう?土日のピクニックはどうかな?
22:10 遠藤さん) 体調ね、あまり良くないというか、喉がいたくて。
22:11 金村) そうか~。延期にしとく?
23:30 遠藤さん) 延期でもいい?ごめんね。
この日早く寝た僕は予想通りの返事を朝確認した。体調不良で土日のピクニックがキャンセルになることはまあ分かる。しかし、2週連続でピクニックにも行けないほど体調不良が続くものだろうか?大病ならわかるがただの風邪で病院にも行っているのにこれはあり得ない。さらに体調不良になった途端に対応があり得ないほど雑になったことも鑑みると、もう行く気がないことは明らかだ。しかし万に1つでも可能性は残っている。いや、残っていると思うようにしている。この僅かばかりの期待があるせいで、僕は予定を入れることができない。本来なら土曜日もミステリーショッパーに応募したかったが、ピクニックの可能性を考慮して応募できずにいた。これ以上、煮え切らない態度で待たされるのはもうごめんだ。はっきりとさせたほうが自分のためでもある。それにもしも、遠藤さんがピクニックに行きたいとは思っているけど、本当に体調がひどくてLINEのやる気もなくしているのだとしたら?白黒はっきりさせるメッセージを送ったところで、それで怒ってダメになることなどあり得ず、謝罪があるだろう。この状況で遠藤さんの真意を問うことは間違い。
7:07 金村) 分かった。期待しているのもあれなんで・・・今後行ってもらえることはあるんかな?
1時間弱で既読になり、メッセージが返ってきた。
8:03 遠藤さん) え?私は行きたいと思ってたけど・・・
行きたくないから延期にしてると思われてるっぽいね。
8:05 金村) ごめん。もしかしたら、そうじゃないかって思って聞いてみた。
行きたいと思ってくれてるなら、よかった。
8:36 遠藤さん) 体調悪いって嘘ついてると思われたんやね。
8:42 金村) このまま終わっていくんじゃないかと・・・
9:11 遠藤さん) ピクニック、行きたいと思ってたけど・・・そんな風に思われてたって知ると、なんか行きたいって思えなくなってきた。
9:16 金村) そうか・・・疑ってしまってごめん。そう思わせて、もう行ってもらえないなら仕方ない。中止かな?
11:12 遠藤さん) 私がタイミング悪く風邪とかひいたのが悪いんだけど、ピクニック楽しみにしてたよ。でも、会う前から疑われてるんなら、先々うまくいくのかな・・・って思う。だから、中止でお願いします。
完全にフラれた。このやり取りだけを見ると、遠藤さんはピクニックに行きたいとは思っていたけど本当に体調不良で行けなかった。なのに僕に嘘だと疑われていると知って、不信感を持って行きたくなくなったと取ることができる。つまり、僕が不用意に遠藤さんを疑っていることが分かるLINEを送ったのがフラれた原因だ。今朝送ったメッセージが大失敗ということになる。しかし、話はそう単純ではないだろう。遠藤さんのこの1週間の態度は、明らかにピクニックに行きたいそれではなかった。自分が原因で断っておきながら、適切なフォローもなし。ピクニックの予定も全て受け身。体調不良であるとお茶を濁し、このままフェードアウトする気だったに違いない。そこへ僕から疑っているようなLINEが来た。僕がかなり乗り気でなかなかフェードアウトすると難しいと考えた遠藤さんは作戦を変更した。僕に罪をなすりつけるのだ。本当は遠藤さんが僕のルックスか非モテぶりを察知して、ピクニックに行きたくないと途中で思ったのだろう。別のもっといい男を見つけてそちらに乗り換えたいのかもしれない。いや、体調不調だと称して先日には会って、もう1戦交えた後ってこともあり得る。しかし、「もう行きたくない」と正直に言ってしまえば、当初は自分からピクニックに行きたいと言っておきながら、急に翻意した悪い女ということになってしまう。そこに僕から墓穴を掘るようなメッセージが来た。遠藤さんはここぞとばかりに断る口実を作って、見事なまでに僕に全ての罪をなすりつけて、自分は信用してもらえなかった可哀想な女を演じきることに成功した。結局は僕が悪者ということになってしまった。完全なるシナリオだ。僕はただフラれただけではなく、罪までなすりつけられてしまった。もはや反論する元気もない。力なく返信した。と同時に試合終了のゴングが鳴り響いたのが分かった。
11:20 金村) そうやな。せっかく楽しく話できたと思ったけど、そういうことなら仕方ない。ありがとう。
2度の遠藤さんからのメッセージが返ってこないことは僕にも分かった。空が気持ちいいほど澄みきって秋の空気が感じられる土曜日だった。
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