そしたら、次の問題でどてらしてもらか。
だからそれどういう意味やねん。
慶應大学医学部2009年度の[Ⅲ]の解説。
[問題]
以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。また、設問(3)に答えなさい。
正方形の4つの頂点にA_1,A_2,A_3,A_4の順に反時計回りに名前をつける。A_1,A_2上には表を上にした硬貨を1枚ずつ置き、A_3,A_4上には裏を上にした硬貨を1枚ずつ置く。いま次の操作Tを何回か繰り返し行う。
操作T
4つの頂点のどれかを確率1/4ずつで選ぶ。選ばれた頂点をA_i(i=1,2,3,4)とするとき、辺に沿ってA_i上の硬貨と並んでいる硬貨2枚のうちA_i上の硬貨とは逆の面を上にしたものの枚数をkとする。次に、A_i上の硬貨を確率k/3でひっくり返し、確率1-k/3でそのままにしておく。
以下、nを自然数とする。操作Tをn回繰り返し行った結果、表を上にした硬貨がちょうど1枚だけある確率をp_n,ちょうど2枚だけありそれらが辺に沿って並んでいる確率をq_n,ちょうど2枚だけありそれらが対角線に沿って並んでいる確率をr_n,ちょうど3枚だけある確率をs_nとする。
(1)p_1=(あ),q_1=(い),r_1=(う),s_1=(え)である。
(2)n≧2のとき、p_n,q_n,r_n,s_nとp_(n-1),q_(n-1),r_(n-1),s_(n-1)の関係を4次の正方行列を用いて表すと
(p_n q_n r_n s_n)=((お) (か) 1/3 0 (き) (く) 0 1/6 (け) (こ) 1/3 0 0(さ) 1/3 (し))(p_(n-1) q_(n-1) r_(n-1) s_(n-1))
である。これより任意のnに対してr_nを求めるとr_n=(す)である。
(3)任意のnに対してp_n=s_nであることを示しなさい。
(4)任意のnに対して(√2)p_n+q_nと(-√2)p_n+q_nをそれぞれ求めると
(√2)p_n+q_n=(せ),(-√2)p_n+q_n=(そ)である。これより
o_n=1/2√2・((せ)-(そ)),q_n=1/2・((せ)+(そ))
[解答と解説]
(1)
この問題はなんか…もぉ…はぅん…って感じやな。
まず問題文が長いし操作がややこしいし、問題解くのも面倒臭くてもう力が抜けて好きにしてってソファーに寝転んでテーブルには浣腸置かれいたって言う状況になるわけや。
p_1,q_1,r_1,s_1を求めろってことやけど、とりあえず全部書き出して下さい。
こういう問題は文章で長々とわけわからん説明するより、絵を書いて説明するのがコツです。
まあ穴埋めやから、慶応大学医学部のこの問題については答え出すだけでええけどな。
写真を見てもらって、
p_1=1/12+1/12=1/6
q_1=1/6×4=2/3
r_1=0
s_1=1/6
(2)
もうこれが死ぬな。
なんでこんなややこしいことをさせるんやろな。
行列はあんまり関係なくて、単に4つの連立漸化式が成り立つってことだけです。
後は
p_n=(お)p_(n-1)+(か)q_(n-1)+1/3・r_(n-1)
なら、n-1の状態で表が1枚になってる確率がp_(n-1)で、表1枚の状態から操作Tをほどこして1枚のままになる確率が(お)になります。
それでn-1の状態で表が2枚が辺に沿って並んでいる確率がq_(n-1)で、表2枚が辺に沿って並んでいる状態から操作Tをほどこして1枚になる確率が(か)になります。
そしてn-1の状態で表が2枚が対角線に沿って並んでいる確率がr_(n-1)で、表2枚が対角線に沿って並んでいる状態から操作Tをほどこして1枚になる確率がなんか知らんけど1/3らしいな。
そうは言っても今受験会場ではないし勉強のためには、やっぱりうやむやと言うわけにはいかん。
だから穴埋めとは関係ないものまで全て書き下してみました。
n-1の状態で表2枚が辺に沿って並んでいる状態からの操作は(1)で書き下してるからそれを利用してください。
この図から4つの連立漸化式が求まります。
表1枚になるやつはp_nの確率へ、表2枚が辺に沿って並んでいるやつになるのはq_nの確率へ、表2枚が対角線に沿って並んでいるやつになるのはr_nの確率へ、表3枚のはs_nの確率へ
p_n=(1/12+1/6+1/4+1/6)p_(n-1)
+(1/12+1/12)q_(n-1)+(1/6+1/6)r_(n-1)+0×s_(n-1)
=2/3・p_(n-1)+1/6・q_(n-1)+1/3・r_(n-1)
q_n=(1/12+1/12)p_(n-1)+(1/6+1/6+1/6+1/6)q_(n-1)
+0×r_(n-1)+(1/12+1/12)s_(n-1)
=1/6・p_(n-1)+2/3・q_(n-1)+1/6・s_(n-1)
r_n=0×p_(n-1)+0×q_(n-1)
+(1/12+1/12+1/12+1/12)r_(n-1)+0×s_(n-1)
=1/3・r_(n-1)
s_n=0×p_(n-1)+(1/12+1/12)q_(n-1)+(1/6+1/6)r_(n-1)
+(1/6+1/4+1/6+1/12)s_(n-1)
=1/6・q_(n-1)+1/3・r_(n-1)*2/3・s_(n-1)
これで四つの連立漸化式が作れて、行列の表示したらオッケーなわけや。
r_nは公比1/3、初項r_1=0の等比数列やから
r_n=0×(1/3)^(n-1)=0
まあ計算するまでもなく0やけどな。
(3)
漸化式を見るとすぐにわかるとは思いますが、記述式はこれしかないし一応ちゃんとした証明である数学的帰納法を用いて丁寧に示しとこか。
数学的帰納法により任意のnに対してp_n=s_nが成立することを示す。
(i)n=1の時
(1)よりp_1=s_1=1/6で題意成立。
(ii)n=kの時、p_k=s_kと仮定すると
(2)より
p_(k+1)=2/3・p_k+1/6・q_k+1/3・r_k
=2/3・p_k+1/6・q_k
s_(k+1)=1/6・q_k+1/3・r_k+2/3・s_k
=2/3・s_k+1/6・q_k
よってp_(k+1)=s_(k+1)
(i)(ii)よりいすべてのnについてp_n=s_nが成立
(4)
これはなんか知らんけど(√2)p_n+q_nと(-√2)p_n+q_nを考えたら解けるってやつです。
(√2)p_(n+1)+q_(n+1)にさっきの連立漸化式から
p_(n+1)=2/3・p_n+1/6・q_n+1/3・r_n
=2/3・p_n+1/6・q_n
q_(n+1)=1/6・p_n+2/3・q_n+1/6・s_n
=1/3・p_n+2/3・q_n
を使うと
(√2)p_(n+1)+q_(n+1)=(√2+4)/6((√2)p_n+q_n)
になって(√2)p_n+q_nは公比(√2+4)/6の等比数列だから
(√2)p_n+q_n=((√2)p_1+q_1)((√2+4)/6)^(n-1)
=((√2+4)/6)^n
ってなんか知らんけど、上手いこといって同様にして
-(√2)p_n+q_n==((-√2+4)/6)^n
が出てきます。
受験会場ではこれで完璧やねんけど、なんで(√2)p_n+q_nとか(-√2)p_n+q_nなんか言うと、
連立漸化式の一つの解法として
p_(n+1)=ap_n+bq_n
q_(n+1)=cp_n+dq_n
と言うのがあると
p_(n+1)-αq_(n+1)=β(p_n-αq_n)
と言う式に出来ないかを考えて、p_nとq_nであらわしていくと
ap_n+bq_n-αcp_n-dαq_n=βp_n-αβq_n
⇔
(a-αc-β)p_n+(b-dα+αβ)q_n=0
より
a=αc+β
b=dα-αβ
を解いたらええわけで、この式では
2/3=α/3+β
1/6=2α/3-αβ
これを解いて
(α,β)=(-1/√2,(4+√2)/6),(1/√2,(4-√2)/6)
やから
p_(n+1)+1/√2・q_(n+1)=(4+√2)/6・(p_n+1/√2・q_n)
⇔(√2)p_(n+1)+q_(n+1)=(4+√2)/6・((√2)p_n+q_n)
p_(n+1)-1/√2・q_(n+1)=(4-√2)/6・(p_n-1/√2・q_n)
⇔(-√2)p_(n+1)+q_(n+1)=(4-√2)/6・((-√2)p_n+q_n)
と言うように、(√2)p_n+q_nと(-√2)p_n+q_nを考えたら等比数列になるってことがここからきてます。
まあ、この解法は覚えていなくても
p_(n+1)=ap_n+bq_n
q_(n+1)=cp_n+dq_n
からq_nかp_nかを消去するとp_nかq_nかの三項間漸化式になって解けるから、覚える必要は特にはありません。
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