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救ったつもりが救われていた。子猫を保護した女性が、慕われ求められる愛情の尊さを知る物語(アメリカ)

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 ある日のこと、アメリカのガソリンスタンドで、息も絶え絶えになっていた生後6週間の小さなオスの子猫が見つかった。

 のちにアンディと名づけられた子猫は、偶然スタンドに立ち寄った女性宅に保護されて一命をとりとめた。

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 その後子猫は、女性にすべての愛情を注ぎ、母のように慕い、ぎゅっと抱きついて眠る猫に成長した。

 だがアンディは単に命を救われた猫ではなかった。実はその女性もまた、アンディに救われていたのである。彼女は孤独を抱えて育った過去があり、アンディに心を救われたのだ。

 もしかしたらこの出会いは偶然ではなく必然だったのかもしれない。

立ち寄ったガソリンスタンドで命を落としかけていた子猫

 ルイジアナ州を車で旅していたムーングレード・ローズさんとその彼氏は、ガソリンスタンドの水たまりに放置されている1匹の小さな子猫を見つけた。そこにはガラスの破片や吸い殻も落ちていたが、母猫の姿はどこにも見当たらなかった。

 子猫は見るからにぐったりしていて呼吸するのがやっとの状態だった。

 どうにかしてこの子を助けたい。そう思ったローズさんは子猫を連れ帰ることに。アンディと名付けて看病することにした。

常に愛情を求めていた子猫。それにこたえる女性

 それから2日間、ローズさんはアンディのそばにつきっきりで過ごし、必死で抱きついてくるアンディの様子を見ながら優しく看護し続けた。小さなアンディは1匹になるのをとても嫌がり、いつも愛情を求めていた。

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image credit:Moonglade Rose

 そこでローズさんは夜、アンディに腕枕をすることにした。そうすれば孤独を恐れるアンディも彼女に抱きついたまま寝られると思ったからだ。

 するとアンディはようやく安心したように彼女の腕に甘えながら眠りにつくようになった。

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image credit:Moonglade Rose

献身的な介護により数週間で元気になった甘えん坊の子猫

 数週間すると、アンディはかなり回復した。ボロボロだった毛並みも見違えるようにきれいになり、耳の先まで元気になっていった。

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image credit:Moonglade Rose

 以来、甘えん坊のアンディは命の恩人であるローズさんにつねに寄り添うようになり、お互いになくてはならない存在になった。

アンディと同じ。実は孤児だったローズさん

 実はローズさんとアンディの間にはいくつかの共通点があった。ローズさんもアンディ同様、生後まもなく捨てられた孤児で、捨てられた場所も同じルイジアナ州だったのだ。

 厳密に言えば見つかった場所は8kmほど離れていたが、ローズさんには自分と同じような境遇で生まれ、愛情を求めて必死に抱きつくアンディの気持ちが痛いほど伝わってきたようだ。

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image credit:Moonglade Rose

 「私たちは同じ魂を持っていると感じました。アンディをガソリンの水たまりから救い出したのは私ですが、孤独につぶされそうになっていた私を救ったのはアンディです」

更に家族が増える。犬を引き取りみんな仲良し

 その後、ローズさんはメスのパグの子も引き取った。アンディは初対面のときこそ警戒したが、あっという間に意気投合し今はすっかり仲良しになった。

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image credit:Moonglade Rose

 家族は増えたが、二度とひとりぼっちになりたくないアンディ。眠るときはローズさんに抱きつき、その存在を確認してから眠るのが習慣となった。

 それを見守るローズさんも同じ気持ちだ。

 もはや彼がいない暮らしなど考えられない。

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image credit:Moonglade Rose
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image credit:Moonglade Rose

 「今となってはアンディなしでは寝られなくなりました。これまで私はずっと孤独を感じていましたが、もうそんなことはありません」

1歳になったアンディ。今でもギュっと抱きつくのが止まらなくて

 それからしばらくしてアンディは1歳になった。

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image credit:Moonglade Rose

 すっかり大きくなったアンディだが、寝るときはやっぱりこのポーズだ。

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image credit:Moonglade Rose

 同じ境遇だった1人と1匹は出会った瞬間に魂で引かれあい、同時に孤独から救われた。そして現在、彼らは愛とぬくもりにあふれた幸せな日々を送っている。

18トリソミーの子どもたち。家族の思いを応援したい!

via:lovemeow / facebookなど / translated by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント、36件

コメントを書く

  1. 泣けてきた。ローズさんのファミリーがこれからも幸せでありますように

  2. 孤独っていうのは、『誰かがそばにいる』だけでは足りなくて、『誰かが自分を必要としてくれている』って『実感』して、はじめて癒されるんだよね。
    そしてそんな誰かの存在が、生きるぞっていう力を与えてくれる。

    1. ※5
      人として最も哀しい事は誰からも必要とされない事ですってマザーテレサも言ってた

  3. 子猫が来るまで常に孤独を感じて
    いたって、彼氏と犬の立場が・・

    1. ※6 まともな育ちの人には理解しにくいかもしれないが、
      親の愛情の不足や虐待の場合、誠意あるパートナーや
      友人たちの愛だけでは立ち直れない事も多いんだ。
      ローズさんの場合、子猫を助け育てるのと同時に、
      「自分の育ち直し」ができたのだと思う。
      親に見放された子であっても、周囲に愛され、
      支えられ、素晴らしい存在でいられることを
      実感できたセラピーとなったのでは。

  4. 猫は社会の穢れから正常な心を思い起こさせてくれる貴重な先生。
    その価値は不動不変で人間に愛されている莫大な年数がその実績を物語っている。
    しかし手放しでそうしたスキルを与えてくれる事はなく飼い主の歩み寄りも必要。

  5. 20年前の俺か。放置子だった俺の唯一の家族の猫がいた。
    彼女は妹であり恋人であり連れ合い。彼女と一緒の時間は夢のようだった。
    彼女は先月死んでしまったよ。
    今は幸せだった20年分のツケを支払っている最中だよ。
    虹の橋の上で彼女と再会する事だけが心の支え。
    再び出会って「大好きだよ」言って、ずっと一緒に暮らすんだ。

    1. ※10 彼女もあなたに会いたくて会いたくて模様とか毛の長さとかを替えて、急いでまたあなたの元に戻ってくるかもよ。

    2. 米10 とても幸せだったって
      米10と過ごした日々を忘れないって言ってる
      大好き 必ずまた会える
      そう言ってるよ

    3. ※10の人、20年も一緒にいた子とのお別れは辛いね。何にも出来ないけど、あなたの幸せを願っているよ。
      猫ちゃんの転生は人より早いから、姿を変えてあなたに会いにくるかもしれない。

  6. 愛は、貰うだけじゃなく与えて初めて満たされるんだよね。

    動物達にそれを教えて貰った人は多いと思う。
    自分もその一人。

  7. 人間の孤独(感)を癒すのは、やっぱり同じ人間だけじゃないんだね
    猫や犬のような動物の方が人の感情の深いところまで理解してるように感じるのは、きっと気のせいなんかじゃないと思う

  8. クリスマスイブになんちゅうもんを読ませてくれるんじゃ
    今夜もうちの猫と寝よう……メリークリスマス!

  9. 売れ残りのケーキを買ってフォークも2本もらってきた
    さてあとは猫を拾うだけ

  10. 猫は、その人を助けるためにやって来ると知人に言われたことがあるよ。
    私もいつも、人生最悪の時に猫がやって来て救われて、何年か後にまた私に不幸が降りかかると身代わりになるかのように旅立って行っちゃう。
    猫に助けられてる人生です。

  11. ( ;∀;) イイハナシダナー
    ターゲットマークがあるからアメショの子猫やね
    その辺にアメショが落ちてるとかすげー時代になったもんだ

  12. 分かる。
    猫はフカフカの毛並みと流動体の身体で、心の根っこの深い部分に入り込んで温めてくれるんだよ。
    猫に愛されると世界が輝いて見えるし、明日も生きていけるって強く思えるんだ。

  13. わかる!
    生まれたての時期に救った子犬子猫との絆は、救い救われの絆の仲でも、特に永遠に特別だ
    たとえ人間の方が先にしんでも動物のほうが先にしなれてしまっても、そのスペシャルで無垢で堅くてあったかくってふんわりと柔らかに包み込む幸せな絆は、切なくも美しくずっとずーっと続くのだ

  14. すてきだな!命の連鎖だな。生きているって、すてきだな!

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