世界中の南の海にタックスヘイブンのクモの巣が張り巡らされてきたのは、あらゆる法律がロンドン・シティーには適用されず、何世紀も前から半ば無法状態に置かれてきたからです。
サッチャーの果たした役割と、初のイスラム教徒の大ロンドン市長の役割
NGO「タックス・ジャスティス・ネットワーク(Tax Justice Network) が、「2015年版ー租税回避を誘導している国別世界ランキング」を発表しています。
何を基準に?ということですが、どうせ本当の巨悪を隠すためのランキングですから、これこそ興味本位に受け取るべきです。
とにかく、それによると、日本は世界第12位。次いでパナマが13位。
日本人が考えているほど、日本は清潔な国とは見られていないようです。
特筆すべきは、英国の第15位という、“謙虚過ぎる”ポジションです。
これについては、賢明な英国市民でさえ首をかしげている人が多いのですから、ここでは、このランキング表が公表された背景に、いったいどんな意図があるのか、それを探るための材料であると捉えておけばいいのです。
全世界のタックスヘイブンの仕組みをつくったのは、ロスチャイルド家のジェームズ・ゴールドスミスです。彼は、“カリブ海の影のオーナー”とまで言われた男です。
ゴールドスミスがタックスヘイブンの仕組みをつくってから、しばらくすると、表面上は手を引いたかに見せて、他の金融勢力にその拡大を任せたのです。それぞれに、銀行さえ作っておけば、自動的に世界中から黒いマネーが転がり込んでくるのですから楽なものです。
このステルス金融支配によって、最大の恩恵を受けてきたのが、やはりロスチャイルド財閥です。その背後には英国王室の存在があります。
今、世界中の多くのジャーナリスト、評論家がタックスヘイブンについて語るとき、必ずと言っていいほど引用するのが、フィナンシャル・タイムズの元記者ニコラス・シャクソンが書いた『タックスヘイブンの闇』という本です。
ヨーロッパで大ベストセラーとなっただけでなく、日本でもタックスヘイブンの闇を解き明かすためのバイブルのような本として多くの人に読まれています。
その『タックスヘイブンの闇』によると、ロンドン・シティーが本格的なタックスヘイブンのコントロールタワーになったのが、マーガレット・サッチャー政権の時代でした。
彼女がぶち上げた新自由主義的な金融改革(それは国境を取り払うことと、規制撤廃によって成し遂げられた)によって、英国、特にロンドン・シティーには、“ウィンブルドン現象”によって世界中から資金が集まってきたのです。
その負の遺産として残されたのが、英国市民の貧困化で、ロンドンでは、いまだにサッチャーに対する抗議デモが再燃することがあります。
西側のメディアは、このサッチャーによるロンドンの金融市場の再構築のことを“ビッグバン”と呼んで、もてはやしました。
このとき、日本のインチキ経済評論家たちが、いったい何を言っていたか覚えている人は少ないでしょう。
彼らは、「日本も、英・米のように金融立国で食べていくべきだ。製造業など古い」・・・まったく馬鹿げた連中です。
そうした経済評論家たちは、アベノミクスの失敗でも、まだ目が覚めないのです。
この「鉄の女」の異名を取りながら、その真の姿は正反対で、実はロンドン・シティーと英国王室にひざまづくだけのグローバリズムの走狗であったことを英国市民が悟ったのは、シティーによるタックスヘイブンの再構築が完成された後のことでした。
札束のプールで溺れ死ぬことを夢見ていたロンドン・シティーの“ジェントルマン”たちが、国家や帝国の枠を超えてグローバルな金融市場に本格的に踏み出したのは、このサッチャー政権の登場と軌を一にしています。
そう、タックスヘイブンの総本山こそが、ロンドンのシティーなのです。
ロンドンでつくられる法令の数々がロンドン・シティーに及ばないようにするために、17世紀から欧州貴族が果敢に「特権」を振りかざしてきました。『タックスヘイブンの闇』の375ページには、このように書かれています。
・・・たとえば、ウィリアムズ三世とメアリー二世の1690年の法律は、「コーポレーションの特権を確認して」、次のように述べている。
「彼らの自由権、営業権、もしくはシティー・オブ・ロンドンのメイヤーや、法人構成員や市民の自由権、特権、営業権、免責特権、土地、保有財産、および法定相続産、権利、権限、または不動産権のいずれかに関するすべての特許状、譲与証書、開封勅許状、委任状は、いかなる人物に与えられたものであれ・・・事実上、無効であり、ここにその旨を宣言し、認定する」。
「彼らの自由権、営業権、もしくはシティー・オブ・ロンドンのメイヤーや、法人構成員や市民の自由権、特権、営業権、免責特権、土地、保有財産、および法定相続産、権利、権限、または不動産権のいずれかに関するすべての特許状、譲与証書、開封勅許状、委任状は、いかなる人物に与えられたものであれ・・・事実上、無効であり、ここにその旨を宣言し、認定する」。
「いかなる人物に与えられたものであれ・・・」と、ありますが、ほとんどの場合、こうした権限や証書は法人にしか与えられることはないので、必然的にロンドン・シティーの「コーポレーション限定」ということになります。
ロンドン・シティーは、英国と地続きではあるものの、もったく別の政体で、議会制民主主義、二大政党制の見本である英国議会でつくられた法律が、ごく一部の「コーポレーション」には適用されるものの、ロンドン・シティーには及ばないのです。
英国の中の異空間、ロンドン・シティーで執り行われる数々の儀式は、ロンドン・シティーこそが世界の金融の支配者が集う場所で、その特権が彼らだけに与えられ、それを思う存分、享受することが許されていることを世間に知らしめるためのデモンストレーションとして機能してきたのです。
1884年、改革派がシティーを、グレ―ター・ロンドン(日本では、一般に「大ロンドン」)と合併させる法案を提出した年の「ロード・メイヤーズ・ショー」は、あるシティー研究者によると、「今日まで開催された最も壮麗で、最も政治的色彩を帯びた政治ショー」となった。
最も大きな横断幕には、「ロード・メイヤーズ・ショーのないロンドンはロンドンではない」と書かれていた。もちろんこれは、シティーが改革されたに、ロンドンはロンドンではなくなる、という意味だ。(同376ページ)
最も大きな横断幕には、「ロード・メイヤーズ・ショーのないロンドンはロンドンではない」と書かれていた。もちろんこれは、シティーが改革されたに、ロンドンはロンドンではなくなる、という意味だ。(同376ページ)
前の大ロンドン市長は、オックスフォード大学内の特権階級だけが入ることが許されている秘密クラブ、ブリンドン・ダイニング・クラブ(Bullingdon Dining Club)出身のボリス・ジョンソンでした。
しかし、今度の大ロンドン市長は、褐色の肌をしたイスラム教徒、サディク・カーンです。
なぜ、ロンドンで起こされたいくつかのテロの犯人グループがイスラム過激派だと、さんざん言ってきた張本人たちが、まるで手のひらを返したように、シティーという、いわば“歴史ある金融行政特区(無法地帯と言うのが正解)を含む大ロンドンの行政を司ることができるのか、その理由をつまびらかにしているメディアはありません。
日本のメディアは、ただひたすら驚き、欧米のインチキメディアは、「英・労働党によるロンドンの奪還だ」と書きたてています。(前大ロンドン市長のボリス・ジョンソンは、英・保守党で、キャメロンの後、保守党党首になる予定)
まったく、しらじらしいにもほどがある、というものです。
これは、イスラム諸国(それ以外の国々からも)の莫大な黒いマネーを、ロンドン・シティーに引き寄せようという戦略の一環です。事実、ロンドン・シティーは、1980年代から、アラブの富豪たちの富を積極的に受け入れてきました。
さらに想像力をたくましくすれば、長年の夢であった大ロンドンとロンドン・シティーを合併させたいという狙いがあるのかも知れません。
「腐敗対策サミット 2016」?世界で、もっとも腐敗している国は?
このように、ロンドンには、最初から議会制民主主義も二大政党政治も存在しないのです。そのように見せかけるために、英国の支配者たちは、すべてのメディアを買い占めてしまいました。
ロンドン、いや、英国全体が英国王室の所有物であり、歯に衣を着せないロシアの政治家に言わせれば、「ロンドン・シティーは、犯罪によって得た資金を洗浄するための巨大な“洗濯屋”」ということになるのです。それも、貴族のお墨付きを得た「世界一優秀な“洗濯屋”」なのです。
エリザベス女王は、よく「私の臣民は・・・」、「私の国民は・・・」というような言い方をすることが知られています。
これは、何もエリザベスに限ったことではなく、シティーからの独立を勝ち取るためのアメリカ独立戦争のときから英国王室が言ってきたことでなのす。
英国王室とがっちり手を組んでいるロスチャイルド財閥は、ロンドンに「ロスチャイルド・ニューコート・ビルディング」を建てました。このビルは、N・M・ロスチャイルド&サンズの総本山になります。
実は、N・M・ロスチャイルド&サンズは、とても秘密めいていて、ロンドンっ子でさえ、その場所がどこにあるのか知らない人が多かったのです。
シティーの中にあることは分かっていたのですが、「N・M・ロスチャイルド&サンズ」の看板らしい看板がいっさいなかったので、どのビルがそうなのか見当さえつかなかったというのです。
それが、近代的なビルとなって堂々と世間にお披露目されたのです。
彼らは、もう準備万端、いままでのようにコソコソ裏で画策する必要もなくなったということです。
「腐敗対策サミット 2016」?
きっと本当の事情を知っている一部の人々は、腹を抱えて笑っていることでしょう。
「よくも、こんな猿芝居で世界中を騙せると考えたものだ、いよいよ英国王室とロスチャイルドも焼きが回ったか」と。
ここに面白い記事があります。
「最新の世界腐敗ランキングは、世界的な犯罪が急増する中、英国の本当の順位を示していない」という記事です。
ロスチャイルドの資本によって運営されている英国メディアは、なんとか難癖をつけて削除してしまいたいと思う記事でしょう。
まだ、それほど広がっていないところを見ると、英語圏の人々は、「そんなことなど、とっくに知っているさ」ということなのか、あるいは、本当に知らないのか、どちらかでしょう。
この記事の要点は、こんなことです。
・・・結局、このトランスペアレンシ―・インターナショナルが発表した「世界腐敗度ランキング」から、世界の68%の国々は、重大な収賄、汚職、腐敗の問題を抱えていることが分かります。
これは、G20のうち、EUを一つの地域と考えて、20の国々と地域の半分が腐敗した国である、ということです。
そして、G20の国々は同時にOECD(経済協力開発機構)にも加盟しているので、OECDの半分の国々が、腐敗を撲滅するための国際的な努力を怠ってきたことを示しているのです。
・・・英国は、デンマーク(第1位)、フィンランド、スウェーデン、ニュージーランド、オランダ、ノルウェー、スイス、シンガポール、カナダ、ドイツとルクセンブルクの後に初めてトップ10に入りました。 米国は、第16位にランクします。(ちなみに、日本は18位)
腐敗度を色別に表示した世界地図。日本は中間の黄色
・・・これは、実際の腐敗のランキングでないことを承知してください。
トランスペアレンシ―・インターナショナルのコメントでは、「英国は、情報法によって自由が確保されていると言いながら、出された情報は不適切なまでにチェックされたものと分かった」とのこと。
トランスペアレンシ―・インターナショナルの英国の責任者であるロバート・バーリントン(Robert Barrington)でさえ、「このランキングについて人々が懐疑的なのは、これは、英国の本当のランキングではないと考えているからだ」と言っているように、このランキング作りに関わった当人でさえ信じていない、ということを吐露したのです。
これは、G20のうち、EUを一つの地域と考えて、20の国々と地域の半分が腐敗した国である、ということです。
そして、G20の国々は同時にOECD(経済協力開発機構)にも加盟しているので、OECDの半分の国々が、腐敗を撲滅するための国際的な努力を怠ってきたことを示しているのです。
・・・英国は、デンマーク(第1位)、フィンランド、スウェーデン、ニュージーランド、オランダ、ノルウェー、スイス、シンガポール、カナダ、ドイツとルクセンブルクの後に初めてトップ10に入りました。 米国は、第16位にランクします。(ちなみに、日本は18位)
・・・これは、実際の腐敗のランキングでないことを承知してください。
トランスペアレンシ―・インターナショナルのコメントでは、「英国は、情報法によって自由が確保されていると言いながら、出された情報は不適切なまでにチェックされたものと分かった」とのこと。
トランスペアレンシ―・インターナショナルの英国の責任者であるロバート・バーリントン(Robert Barrington)でさえ、「このランキングについて人々が懐疑的なのは、これは、英国の本当のランキングではないと考えているからだ」と言っているように、このランキング作りに関わった当人でさえ信じていない、ということを吐露したのです。
トランスペアレンシ―・インターナショナルの「世界・腐敗度ランキング」は、このページの下から3分の1のところにある「Table of results: Corruption Perceptions Index 2015」の見出しの下にある「SEE FULL TABLE」をクリックしてください。
要するに、トランスペアレンシ―・インターナショナルは、世界中のGDPを稼ぎ出している国のほとんどが、腐敗しているといいたいのです。
もっともです。これは、世界規模のキャンペーンを展開しようという意図の表れです。
タックス・ジャスティス・ネットワーク(Tax Justice Network) の、「2015年版ー租税回避を誘導している国別世界ランキング」にしても、このトランスペアレンシ―・インターナショナルの国別・腐敗度ランキングにしても、その背後に、どうもタックスヘイブンに預けてある資金を凍結して、やがては没収してしまおうという意図が透けて見えるせいか、いまいち、このキャンペーンは盛り上がりに欠けるのです。
タックス・ジャスティス・ネットワークにしても、トランスペアレンシ―・インターナショナルにしても、このキャンペーンを成功させたければ、英国に「特別席」を与えなければならないはずです。
タックスヘイブンの仕組みを作り、ロンドン・シティーという世界中の裏金脈を長い間守護してきた功労を称えて・・・
「本当の犯人ほど、饒舌で現場に行きたがる・・・」。
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