野村アセットマネジメントは、NISAの口座数が年末には1千万口座に迫る見通しと試算していますし、来年はジュニアNISAもスタートします。
NISAが盛り上がっているのかな
というわけで、今回はNISAのデメリットについて
なんでデメリット?
なぜメリットではなく、NISAのデメリットを取り上げるのか。
それは、メリットは証券会社などの金融機関が大いに宣伝しているからです。メリットはもう十分でしょう。
だからデメリットです。NISAの仕組み自体は少し複雑で、わかりにくいところがあります。投資のスタイルにもよると思いますが、私にとっては「使い勝手の悪い仕組み」です。
NISAの仕組みのおさらい
以下のような図を見たことがあると思います。NISAの説明でよく使われる概念図です。
で、NISAで押さえるポイントを箇条書きすると
1. 年間の新規購入枠100万円(2016年から120万円に拡大)の非課税枠が与えられる。
2. 非課税枠の範囲内では、投資の値上がり益も配当金も非課税。
3. 非課税枠の存続期間は5年間。ただし途中売却したらそれまで。非課税枠の再利用は不可。
4. 制度の継続期間は2014年から2023年の10年間。
こんな感じです。
最大のメリットは非課税ということです。どんなに儲けても非課税です。
ただし、金額と期間に制限がありますが・・・
NISAのデメリット
さて、NISAのデメリットの話をしましょう。
NISAのデメリットを箇条書きにすると、こんな感じです。
1. 投資期間に制限がある
2. 一度売却したら、投資枠は終了する
3. 特定口座とは分離された独立した口座(損益通算できない)
あまりデメリットを強調してもしかたないので、ポイントを3つに絞ります。
NISAのデメリット1:期間の制限
2015年、今年のある時点で100万円投資したとします。そうすると、2015年を含めて5年後の年末である2019年末に非課税枠は終わります。でも、そのとき証券を保有していたら、2020年の投資枠を使うことで、そのまま持ち続けることは可能です。いわゆるロールオーバーです。
先にあげた図表で、2020年の時に黄色い矢印で下に降りているのはロールオーバーを意味します。
ただし、2020年にロールオーバーしたとしても、2024年末にはもうロールオーバーはできません。制度が終わるからです。
で、投資していた分は2024年末までに売ってしまうか、2025年以降は課税される特定口座に移すかしないといけません。
特定口座に移す場合は、その時の時価を引き継ぐので、含み損を抱えた銘柄を移す場合は要注意です。
2015年に100円の株価だったものを、2020にロールオーバーして持ち続けて、2024年末のときに80円になっていたら・・・
NISAではない一般の課税口座では、簿価80円で受け入れることになります。
課税口座で当初の100円に戻ったところで売ると、80円から100円になったとみなされて、その分のキャピタルゲインに課税されます。
NISAの制度が恒久的でなく、終わりがあることのデメリットの一例です。
NISAがモデルにした英国のISAは恒久化されたので日本もそうなるかもしれませんが、現状では終わりがある制度です。
NISAのデメリット2:下車前途無効
非課税枠は5年間存続します。
でも、途中で売却すると、もうそこまでです。非課税枠の再利用はできません。
5年間有効のチケットを持っているつもりでも、途中下車すると前途無効になるんです。
NISA口座では、バイ・アンド・ホールドの長期投資を想定しているのでしょうが、売ることをためらってしまう仕組みです。
私は、投資の判断は誤りが付き物なので、売買の柔軟性は確保しておきたいという考えです。だから、NISAの下車前途無効、再入場不可という仕組みは、使い勝手が悪いなーと思ってしまいます。
実際、私はそれほど頻繁な売買はしないのですが、心理的にはNISAは使いにくいです。
NISAのデメリット3:損益通算ができない
NISA口座は独立した口座です。他の口座との損益通算はできません。
たとえば、NISA口座で利益が出て、特定口座(源泉徴収あり)で損失が出た場合。
このときは、もともとNISA口座は非課税なので気にしなくてOKです。NISA口座の利益はそのまま全部受け取れます。
しかし、NISA口座で損失が出て、特定口座(源泉徴収あり)で利益が出た場合。
特定口座の利益をNISA口座の損失で圧縮する損益通算はできません。
NISA口座の最大のメリットは非課税ですが、投資に関する課税を考えるなら、NISAとその他の証券口座との総合的な税負担を考えたいですね。
相場は常に上昇するとは限りませんから。
まとめ、のようなもの
NISAのデメリットは主に3つあります。制度に時限性があること、非課税枠が使い切りなこと、他の口座との損益通算ができないことです。
一方で、NISAには非課税というメリットがあります。
まあ、一般的な結論ですが、メリットとデメリットの両方を理解して、利用するなら利用しましょうということです。
蛇足ながら・・・
NISAは政府が2020年までに25兆円という目標を掲げています。
金融庁の資料では、2014年末時点でNISA口座での総買付額は2兆9,769億円です。
目標にチャレンジ!しないといけませんね。(^^;
ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
さっそく記事にしていただき、ありがとうございましたm(__)m
友人たちにURLを送り、LINEで議論中なのですが、私、根本的に勘違いしていたようで…。
NISAは2014年に制度が始まりました。
私は2014年7月に、野村證券でNISA口座を開きました。
が、まったく利用していません。
(ここらあたりから、こんがらがってきます)
2014年から2023年ですよね。
てっきり、2014年から数えるんだと思っていました。
つまり、言い方は間違っているかもしれませんが、
2014年から2019年が買い付け期間で、2020年からはロールオーバー期間だと。
(私はチャンスを1年、フイにしたと思っていたわけです)
でも、たしかにそれでは2027年まで表に目盛りがある意味が不明ですよね…。
2015年に開いたら、今年から5年間なんだ…。
2023年にNISAで買った分はロールオーバーの余地がないわけですね。
膝をポンッと打つほどの感動です!
と言うか、理解してなかったんかい!という話ですが(^_^;)
では、私のように、去年口座を開いて、1円も利用していない者は、どう数えたらいいんでしょう?
これからもし利用したら、今年から5年ですか?
(デメリットを知って、余計に利用する気は失せましたが…苦笑)
追伸
どうして勘違いしたんだろうと、資料を探ってみたら、
野村の前に説明を聞きに行った地元の証券会社の資料に、
2019年のところをグリグリと囲んで、『ここまで買い付け』とありました。
これだー!
窓口オバサマと私の脳のベクトルが一致していませんでした(笑)
大変勉強になりました、ありがとうございましたm(__)m
※721:みみんさん
たしかにNISAは2014年から始まってます。ブログの図では2014は省略しちゃいましたけど。
2015年から始めても、最大枠の5年分まで使うことはできます。みみんさんの場合、2015年から毎年投資していけば大丈夫です。(無理に5年連続で投資しなくてもいいとは思いますが・・・)
"損益通算できない"、これ、地味に痛いです。もう、NISAは、全て始末してしまってもいいかな~っと思っていますが、微妙に負けているのがシャクで^^;;
せめて損益通算できれば・・・そんな感想があります。
私としては、NISAのデメリットとして
4.金額が年額100万円と、小さい
5.仕組みが分かりづらい
もあるのかな。
4.は、100万円ですからね。約20%分の得しかないのであれば、手堅いものに入れても微々たるものですし。かといって、リスク高いものに投資をしても、損益通算ができないのは、痛いしと・・・。
5.は、やっぱり制度として分かりづらいかな。子供NISAなんて、もっと分かりづらいですし。
もっと、シンプルで簡単にするべきだと思うのですよね。
1人1000万円。無期限にする。そんな感じに。NISAは、改めて思うに、投資の妨げになりかねない制度だと思います。今後、相場が大きく下がったら、損益通算ができないことで私のように嘆く人が増えそうです。
※723:煙々さん
NISAも損益通算ができればいいのにと思いますね。個人を投資に促すなら、もう少し利用しやすい制度にしてくれればいいのにとも思います。NISAの仕組みが分かりにくいのは、あえて利用させないようにしてるんじゃないか・・・と勘繰りたくなるくらいです。
1人1000万円で無期限なら、シンプルでわかりやすいですね。
こんばんは
初心者向けといいながらあまりに複雑な気がします…
特にデメリットについては知らない方が普通ですね(笑)
逆によく2兆円ま集まったなという気がします。
※725:yazirobe777さん
こんばんは
NISAって、使う人の利便性をあまり考えていない気がしますね。住民票を取ったりと手続きも面倒ですし。
本当によくこれだけ集まったなーという感じですね。制度をもう少し使いやすくしてくれればいいのにと思います。