ベストアンサー
他学科の研究室に正式に所属することはできません。大学院から専攻を変える前提なら非公式に参加させてくれる教授も多いですが。 学部での研究室所属は4年からなので、1年だけ農学科の研究室に所属して、大学院で明治や旧帝の食品系の研究室を志望なさってください。実際、食品工学研究室の中村教授も学部時代は岐阜大で、院から京都大学という経歴です。 以下は学部時代に所属を検討すべき明大農学科の研究室の説明です。 生産システム学研究室 この研究室は、食品工学で重要となる植物性食品素材の生産と品質制御の基礎を固めるのに最適です。植物工場や施設栽培といった高度に制御された環境で、スイカやイチゴなどの作物の生理生態や環境応答を研究します。これは、食品工学における原材料の品質設計や生産プロセス設計(例:高付加価値化、乾燥条件や温度履歴の制御)に直結します。特にプラントベースフードやデンプン、多糖類の機能設計に関心がある場合に有効です。 動物遺伝資源学研究室 食品の物性や食感(テクスチャー)を分子レベルで理解するための強力な基礎技術を習得できます。研究ではDNA/RNAを用いた遺伝学的解析に注力しており、これはタンパク質や酵素(例:グリシニン、カゼイン、卵白)の機能と構造を解明するための分子生物学的スキルに直結します。動物性食品の形質(物性)が遺伝子レベルでどう決まるかを知ることは、食品工学で扱うタンパク質のゲル化や変性のメカニズム解明に大いに役立ちます。 動物生産学研究室 食肉や乳製品といった動物性食品素材の生産背景知識と、食品工学で必須となる定量的なデータ解析能力を同時に養えます。データサイエンスや疫学的アプローチを駆使した持続可能な畜産業の研究は、食品工学における官能評価や物性測定の数値化・見える化といったデータ駆動型研究に応用可能です。また、畜産物の品質管理や安全性に関する知見は、食肉加工(例:タンブリング処理)や乳製品の加熱溶融性などの研究を深める上で基盤となります。 植物病理学研究室 食品工学で最も要求される分子生物学および遺伝子工学の最先端スキルを習得できます。病原性や抵抗性をゲノム・タンパク質レベルで解析する経験は、食品工学で重要な酵素反応の制御や、食品タンパク質の分子育種(改変)による機能向上の研究に直結します。食品の構造形成や物性を分子の挙動から理解し、制御したいという目標を持つ場合に、ここで培う解析的な技術力は極めて強力です。 動物環境学研究室 食品の機能性、感性評価、摂取後の生理応答という、食品工学の先端テーマに必要な生化学や神経科学的知見を深められます。化学物質や環境因子が動物の行動や神経内分泌学的機序に与える影響を研究することで、食品成分が不安や疾病予防といった機能性にどう関わるかの基礎を学べます。また、咀嚼や口どけといった感性評価を生理学的側面から裏打ちする研究の視点を養うのに適しています。 植物線虫学研究室 極限環境における生物の分子レベルでの適応メカニズムを研究することで、食品工学における加熱、乾燥、冷凍などの加工ストレスと食品構造の関係を深く理解する基礎を築けます。線虫というモデル生物を使った分子生物学的アプローチや行動・生態の解析は、構造形成・破壊のメカニズムを遺伝子や環境との関係で捉える能力を高めます。ここで習得する論理的な研究手法とミクロな解析スキルは汎用性が高いです。
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