湊かなえさんの小説 贖罪について 贖罪には由佳の十五年を描いた くまの兄妹 で、由佳が鍵と宿題のプリントを届けに行くシーンがありましたが、その時表現が曖昧でわからなかったのですが、 若葉ちゃんのお父さん、由佳の兄が若葉ちゃんに性行為を夜な夜な強要していたということなんですか？ そして由佳のなかでエミリちゃんの事件と重なるものがあったということなんですか？

以下ネタバレです。未読の方は注意してください。↓ 「くまの兄妹」では由佳の兄が結婚した相手が、かつて男性からＤＶ被害を受けていた女性で、そのトラウマから「由佳の兄＝現在の夫」とは性交渉が出来ず、拒まれ続けて性欲が溜まっていた「由佳の兄」はこともあろうに「義理の娘＝若葉ちゃん」に性行為を強要し続けていました。しかも、母親である「元ＤＶ被害の女性＝妻」は自分の今の安穏とした生活を保持する為に、それを黙認して娘を「性欲処理の対象」として差し出していました。 そんな事実を知らずに、ずっと尊敬していた「出来のいい兄」の自宅へ若葉ちゃんの忘れ物を届けに行った時に目の前で展開されていた「少女に性行為を強要していた」場面を見た瞬間、エミリちゃん事件の当時の事が頭に甦り、ずっと罪悪感に苛まれていた由佳は「若葉ちゃん＝エミリちゃん」の姿とオーバーラップし、「今度こそ、自分が（エミリちゃん）を助けなければ！」と決心し目の前の「汚らわしい獣」を退治したわけです。