[画像]税制改正法案の参議院野党案の質疑にのぞむ、大久保勉さん(左)と閣法の質疑にのぞむ麻生財務相(中央)=参議院インターネット審議中継から。
きょう平成27年2015年3月26日(木)は、参議院のすべての第1種常任委員会、全11委員会が開かれる異例の日程となりました。第1種常任委員会とは参議院独自の呼び方で、府省別に対応した委員会のことです。なので、予算委員会は第2種常任委員会です。
平成27年度税制改正法案は、参議院委員会で審議入りし、地方税分は質疑終局が宣言されました。国税分、関税法案、地方交付税法案とあわせて、来週火曜日3月31日(火)に採決され、可決し、本会議に緊急上程される見通し。逆に言うと、内閣・与党国対が「※印指定」した予算日切れ法案は4本しか年度内に成立しないことになります。解散の時期をうんぬんしてもしかたありませんが、召集日が1月26日では遅かったのではないかとのマグマが参議院与党幹部にたまる可能性があり、延長国会や秋の総裁選に多少の影響が出るかもしれません。
【平成27年2015年3月26日(木) 参議院財政金融委員会】
平成27年度税制改正法案が審議入りしました。衆議院を通過した閣法(189閣法3号)を麻生財務相が、参院野党6会派共同提出の参法(189参法3号)を民主党の大久保勉・筆頭理事が趣旨説明しました。衆議院段階でも、野党対案(189衆法4号)と同時に審議されました。衆議院では本会議で野党対案は否決されたので廃案となり、参議院には回ってきていません。ただ、参議院野党対案は、資本金100億円以上の大企業の法人税納税額を告示するよう求めるもので、独自色の強いものとなっています。
大久保さんは趣旨説明で、「法人税の納税額が分からなければ、安倍内閣の法人税改革を論じることはできない」として、法人税納税額の透明化を求めました。質疑に立った、民主党の尾立源幸さんは「全企業で、毎月2兆円ずつ内部留保が積み上がっている現状は異常だ」として、野党対案の取り込みを提案。昨年秋の臨時国会に、おなじく大久保さんら6会派が提出した「インターネット等を通じて国外から行われる役務の提供に対する消費税課税の適正化のための措置に関する法律案」(187参法1号)について、「今回の年次税制改正法案では、丸のみされたといえる。野党の提案でも良いものはどんどん取り込んでいってほしい」と語りました。
民主党は、予算案については衆議院段階で組み替え動議を出さなかったのですが、税こそ政治だという意識が徹底しているのが政権担当で学んだ、ということでしょう。
きょうの法案審査が終わった後、関税法改正案(189閣法4号)の趣旨説明がされて、散会しました。
【同日 参議院総務委員会】
平成27年度地方税法改正案(189閣法5号)、地方交付税法改正案(189閣法6号)が趣旨説明され、質疑。その後、谷合正明委員長(公明党)が質疑の終局を宣言して、散会しました。来週火曜日に採決する見通し。
【同日 衆議院安全保障委員会】
朝8時10分の開議となりました。所信に対する質疑の後、「特定防衛調達に関する国庫債務負担行為の年限の特別措置法案」(189閣法20号)が趣旨説明されました。純国産哨戒機「P1」(川崎重工業製)を、20機、7年間、0・4兆円で調達する財政法の特例法案です。防衛省は昨年秋の臨時国会に出していましたが、審議入りせず、解散で廃案になっていました。同じく日切れ指定の「防衛装備庁を設置し、自衛隊法の文官優位規定を削除する防衛省設置法改正案」(189閣法33号)と含めて、年度内成立は絶望的になりました。いずれにせよ、防衛省と川崎重工の2者だけの契約の問題だったり、防衛装備庁の新設は10月1日の予定だったりするので、ずれ込んでとくに影響はありませんが、後半国会の安保法制再整備国会に向けて、国会対策の見通しの甘さがあったとしか言いようがありません。
【同日 衆議院東日本大震災復興特別委員会】
所信に対する質疑の後、「福島復興再生特別措置法案」(189閣法2号)が審議入り。復興にあたってコンパクトシティの誘導をしやすくするための自治体への交付金を新設する法案ですが、日切れしていながら、年度内成立は絶望的な情勢。なお、所信に対する質疑で竹下亘復興大臣は、集中復興期間の次の5年間(来春から)について、「総理からは8月の概算要求までに枠組みを示してほしいと指示されており、6月末までには枠組みの概要を示したい」と答弁しました。正直、次の5年間も全額国費負担というのは無理で、ある程度の現地自治体の負担率を示すことになると思いますが、与党だけで、概算要求だけで、決めていいのか、というところに竹下大臣の政治力が問われそうです。
【同日 衆議院本会議】
「北朝鮮経済制裁」(189承認1号)と「平成27年度NHK予算案」(189承認2号)が可決し、参議院に送られました。
【同日 参議院経済産業委員会】
所信に対する質疑の後、「北朝鮮経済制裁」(189承認1号)が宮澤洋一経産相から趣旨説明され、散会しました。
【同日 参議院厚生労働委員会】
大臣所信に対する質疑の後、「戦後70年にあたり戦没者遺族に特別弔慰金を支給する法案」(189閣法22号)が趣旨説明され、散会しました。
【同日 参議院内閣委員会】
【同日 参議院法務委員会】
【同日 参議院外交防衛委員会】
【同日 参議院農林水産委員会】
【同日 参議院国土交通委員会】
【同日 参議院環境委員会】
おのおの、大臣所信に対する質疑で与野党が一巡しました。
【同日 参議院文教科学委員会】
下村博文・文科大臣(兼)五輪担当大臣の趣旨説明だけで終わりました。衆院も同様で、唯一所信に対する質疑が行われていない常任委員会となりました。「博友会問題」で下村大臣が衆参予算委員会に呼ばれることが多かったことと、理事会でなんらかの協議があって、ずれ込んでいるものと見られます。このため、日切れ指定の五輪担当大臣設置法案やスポーツ庁設置法案ら合計3法案の年度内成立は絶望的になりました。
【同日 衆議院消費者問題に関する特別委員会】
【同日 衆議院科学技術・イノベーションに関する特別委員会】
両委員会とも、山口俊一大臣、平将明副大臣、松本洋平政務官の3人から、所信やあいさつを聞いて、散会しました。
【同日 参議院予算委員会公聴会】
平成27年度予算案の審議のため、公述人2名×3部=6名から話を聞き、各会派が質疑しました。
第1部「外交・安全保障」の柳澤協二・元内閣官房副長官補(防衛省)は「イラク・サマーワに自衛隊を派遣したとき、官邸で情報を集約していた。さいわいにして死者は1名もいなかったが、それは周辺の軍や住民のおかげだと思う」とし、イラク復興支援で、自衛隊から死者がでる可能性もある危険性のなかで復興支援していたことを明らかにしました。
以上
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