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大そうじへの備え
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「マグダレンの祈り」(ジューン・ゴールディング/石川順子訳)は、1950年代のアイルランドが舞台です。カトリック教会によって運営されていた「マグダレン・ホーム」は未婚で妊娠した女性を収容する矯正施設でした。「マグダレンの祈り」は、そこに住み込みの助産婦として働いていた女性の回想録です。「マグダレンの祈り」の解説には、当時の社会通念が書かれていました。アイルランドはカトリック国です。避妊や中絶についての記載はありませんでしたが、人工中絶はできなかったのだと思います。当時のアイルランドでは、(今では信じられないほどに)結婚前の処女性が崇拝されており、未婚の母を出すことは一族の恥だと認識されていました。未婚で妊娠した女性は、その事実をひた隠しにされました。生まれた子どもは闇から闇へと葬られました。 マグダレン・ホームの門をたたいた女性たちは、そこで密かに出産をします。そのような施設の存在すら知ら
罪と罰のあらすじ(下巻)と読書感想文(ネタバレ) 下巻に入ると、妹、妹の婚約者、妹にかつて屈辱を与えた男、ラスコーリニコフの友人などが、現在進行形で活躍するかたちで物語を進めるようになり、同時に、事件は(たぶん容疑者になっている仲間をかばうためだと思うが)別の男が「わっしが……殺しました」と供述したこともありこじれ、さらに立ち聞き、盗み聞きが何度か起きて、何がなんだかわからなくなりそうな時もあった。しかし、そのあたりはできるだけ省略し、ソーニャとの会話でしだいに明確化されていくラスコーリニコフの心にしぼって、あらすじをまとめてみたい。 ソーニャは、貧しい家計を助けるために「けがれた女」をしている娘で、ソーニャの父親は馬車にはねられて死んでしまう。また、ソーニャは、ラスコーリニコフが偶発的に殺した質屋の女主人の妹と心を通わせていた。 ソーニャは、教会に行ったことがないラスコーリニコフから、「
永遠の0のあらすじ 司法試験に失敗し、またにアルバイトをするだけの怠惰な生活を送っている26歳の健太郎へ、4歳年上の姉でフリーライターの慶子から、アルバイトをしないかという電話が掛かってきます。内容は、ノンフィクションライターを目指す慶子のアシスタント。慶子は、「祖父」のことを調べたいとのこと。 「祖父」とは2人の祖母の最初の結婚相手で、2人の母親・清子の実の父親ですが、2人が「祖父」の存在を知ったのは、6年前に祖母・松乃が亡くなったときでした。慶子と健太郎は「おじいちゃん」として慕っていた祖母の再婚相手から、「祖父」の存在を打ち明けられました。 「祖父」は、海軍航空兵で神風で死んだとのこと。「祖父」についてはほとんど何もわからず、祖母も「おじいちゃん」には何も語らなかったそうです。慶子は、母親が「死んだお父さんて、どんな人だったのかな」とふとこぼしたのを聞き、何とかしてあげたいと思ったの
(2013年8月14日) 村岡花子(安中はな)は、山梨県甲府市で生まれました。一家は花子が5歳の時に東京に出ます。貧しい暮らしでしたが、花子に高等教育を受けさせたいと感じた父・逸平は、明治36年(1903)、10歳の花子を、東京・麻布の東洋英和女学校(現・東洋英和女学院)に寄宿舎生として入学させました。花子には孤児院での奉仕活動が義務付けられ、成績が悪いと即退学という給費生の待遇でしたが、当時の東洋英和は、予科(2年)本科(5年)高等科(3年)で、予科と本科の学生は学年で20名ほど。うち高等科まで進むのは6、7名でした。 花子は、20歳の時に、東洋英和を卒業します。寄宿舎生として過ごした10年間に、多くの人と出会います。のちに、白蓮事件として世間が騒ぎ立てる主人公となった伯爵令嬢の柳原燁子(あきこ)もその一人。『アンのゆりかご』(村岡理恵)『村岡花子と赤毛のアンの世界』(村岡理恵責任編集)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ(1963年/イタリア/フランス) 主演:バート・ランカスター、アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレ、リナ・モレリ、パオロ・ストッパ、ジュリアーノ・ジェンマ 「山猫」は1860年代のイタリアが舞台になっている映画です。1860年に、イタリア統一を目指す一人の愛国者が赤シャツ隊と呼ばれた義勇兵団を率いてシチリア島に上陸しました。 「山猫」で描かれていたイタリア独立戦争をへて、今日の世界地図にあるイタリアという国の形ができました。それまでのイタリアは、ローマ教皇領を含めた小国が乱立した状態でした。国民的な統一国家を作り上げていたスペインやフランス、オーストリアからの干渉にさらされる弱小国家集団でした。一人の愛国者の軍事行動が口火を切った統一運動は、南部イタリアの王朝国家の滅亡や北部イタリアのオーストリアからの割譲などを経て、1870年にローマの教皇領を併合
平家物語の登場人物を追いながらあらすじを現代語訳で紹介するページ。『高橋貞一校注 平家物語』(講談社文庫)をもとにしています。2012年2月に全文の現代語訳を終えました。リンクフリーです。管理者トップページ 平家物語のあらすじと登場人物: その1 その2 その3 その4 その5 番外編 巻の一 (1)祇園精舎 (2)平忠盛 (3)平清盛 (4)祇王、祇女、仏御前 (5)藤原公能の娘 (6)寺院勢力 (7)平時忠 (8)平資盛 (9)藤原成親 (10)鹿谷の宴会 (11)師光(西光法師)、師高、師経 (12)加茂川の水、双六の賽、山法師 (13)藤原師通の母 (14)源頼政 (15)平時忠のうしろ姿 (16)大火災 (17)「巻の一」のあらすじ 巻の二 (18)天台座主・明雲 (19)澄憲の伝授 (20)日吉権現の霊験 (21)祐慶の沙汰 (22)一行
アンナ・カレーニナ/トルストイ/木村浩訳のあらすじと読書感想文 「アンナ・カレーニナ」は、作品に登場する女性の名前です。解説を読むと、「最も大きな魅力は女主人公アンナの不滅の形象にある」と書いてありました。また、「アンナは女らしい優しい魅力と豊かな精神力にみちあふれている」とあります。人類史における普遍的な女性像、理想の女性のトップバッターとして、「アンナ・カレーニナ」の名前があげられる場合も多いのではないかと思います。一言で言うと、アンナ・カレーニナは「究極の女」だと思います。今回は、「究極の女の謎」に迫ってみたいと思います。 小説を読むまでは、「アンナ・カレーニナ」のストーリーを詳しく知りませんでした。既婚女性が道ならぬ恋をする悲劇という印象がありました。「アンナ・カレーニナ」の世界は、もっと広かったです。一番印象に残った点は、アンナはサブキャラクターであり、アンナの物語はサブ・ストー
山月記/中島敦 山月記のあらすじ 「山月記」(中島敦)をとりあげます。李微(りちょう)は、天才としてその名が知られていました。若くして位の高い役人に任命されましたが、官職で終わってしまうのをよしとはせずに、辞して辺境の地に引っ込み人との交わりを絶ちました。李微は、詩家として死後100年に名を残そうと、ひたすらに詩作にはげみました。しかし、詩家としての名はいっこうにあがりません。詩作に絶望した李微は、生活の困窮もあって、再び官職につきました。かつての仲間たちは出世をしています。下の職にしかつけなかった李微は、自尊心を傷つけられて、ますます尊大になっていきました。李微は、公用で旅に出たときについに発狂してしまいました。わけのわからないことを叫びつつ、どこかへ行ってしまいました。 李微の友人であった男が旅に出ます。虎になった李微に出会います。李微は一日のうちに数時間だけ人間の心が戻ると告白しまし
坂本睦子 銀座に生き銀座に死す/白洲正子 「銀座に生き銀座に死す」をご紹介します。「銀座に生き銀座に死す」は追悼文です。1958年6月の「文芸春秋」に掲載されました。4月に坂本睦子さんが他界しました。周到に準備をしたうえでの自殺でした。追悼文には「昭和文学史の裏面に生きた女」という副題がついていました。 坂本睦子 坂本睦子さんは、いわゆる銀座の女でした。バブルがはじけたのは、みちまろが高校生のころでしょうか。みちまろが物心ついたころには、銀座では「クラブ」という言葉が使われていたと思います。ビール1杯●万円などと言われていました。行ったことがないのでわからないのですが、実際に、それもまんざら誇張ではないほどに、誰にも止められない勢いで、土地代も、チップも、ホステスの日給も、天井知らずであがっていったのだろうと思います。 坂本睦子さんが生きたころの銀座は、そういったイメージとは別の世界のよう
ツァラトゥストラはこう言った/ニーチェ/氷上英廣訳のあらすじと読書感想文 「神は死んだ」で有名なニーチェです。「ツァラトゥストラはこう言った」は、4部構成です。第4部は、あとから書き加えられたようです。今回の原稿では、1〜3部までを取り上げています。 ドイツ統一国家の成立 ニーチェ(1844-1900)が生きた時代のドイツを見てみましょう。19世紀初頭のドイツは小国が乱立していました。その一つのプロイセンは、統一国家の樹立を目指しました。1833年に、ドイツ関税同盟を作りました。プロイセンは、デンマーク、オーストリア、フランスなどを相手にした対外戦争を利用して、周辺の小国への支配力を強めます。プロイセンは、強大になりました。1871年に、ドイツ帝国を成立させます。占領下にあるパリのヴェルサイユ宮殿で、プロイセン国王が初代のドイツ皇帝に即位しました。ドイツ帝国は、フランスから得た戦勝金を経済
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