画像は最上義光(旧)。 Copyright © 2010-2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. 大崎義直が序カードとしょぼい扱いなのに、最上義光は天カードと優遇されている。にもかかわらず、黒嶋氏の著書には最上義光が一回しか出てこない。足利義昭の政権構想を検討するところで出てくるのみである。おそらく羽州探題自体が奥州探題と比べても、その実態が不明確なのだろう。 最上義光の属する最上氏は大崎氏や渋川氏と同じく「探題」の家である。探題について黒嶋氏は奥州探題と九州探題を比較している。黒嶋氏の議論に導かれながら、羽州探題も含めて少しだけ考えてみたい。 三つの「探題」に共通するのは、斯波氏の関係者であることだ。最上氏と大崎氏は斯波氏の分家であるが、渋川氏も斯波義将の娘婿の渋川満頼が九州探題に任命されたことに始まる。彼らはいずれも斯波武衛家を手