今年を振り返ると衝撃的だった本は4冊くらいか。というか、そもそもちゃんと読んだ本がせいぜい4冊くらいではないかという、いっそう衝撃的な事実! ともあれその1冊が上記。 しかし、この書名では内容の独創性がまったく伝わらない。たとえば『表象は自然現象である』なんてどうだろう。 表象とは何か。ごく簡単に言うと、うちのこれは「猫」だし、となりのあれも「猫」だ、というときの、言葉「猫」がこれやあれをまとめて表象している。うちの猫ととなりの猫は同一ではないし似てもいないかもしれないが、それでも同じ「猫」だと私たちは思うし私たちは言う。 では、表象という働きは人間の頭の中でのみ起こるのか。それとも動物はみなそうしているのか。物質はみなそのように反応するのか。すなわち表象とは自然が本来もっている性質なのか。――そういった問いが浮上する。 さて本の詳しい紹介はまたいずれということにして、これをめぐって最近自