早くも今年度バラエティ番組の最高傑作との呼び名が高い『リンカーン』の「世界ウルリン滞在記」。ゲイのマーチングバンド編&練馬の極悪ラッパー編の面白さを友人と振り返っていたら、「あれって『元気が出るテレビ』そのものだよな!」と指摘される。あまりにも正論すぎてぐうの音も出ない。 ブッ濃いキャラクターが登場しては「どんだけぇ〜」「メーン」などの面妖なフレーズを操り、VTRの着地点が社会的に突き抜けたお涙、というフォーマットは往年の『元気が出るテレビ』と全く同じなのだった。試しに番組の音を小さくして90年前後に流行していた適当な洋楽―ーたとえばベン・フォールズ・ファイブやエクストリームを流してみよう。そこには太古に存在した日曜8時の空気が流れるはずだから。やすこママは平成の日出郎なのである(当時はゲイとは言わず「おかま」呼ばわりして競歩やってたなー)。練馬のラッパー軍団は21世紀の相沢会長率いるパン