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CES 2025
hyoshiok.hatenablog.com
北東アジアOSS推進フォーラム(11月14日〜16日、横浜)で、2018年度OSS貢献者賞を受賞した。ありがとうございました。 *1 http://www.ossforum.jp/2018Yokohama 今回の受賞は「カーネル読書会」の活動などを評価していただいたもので、自分としてはちょっと昔の話なので、光栄ではあるが、若干申し訳ないような(?)感想を持った。*2 カーネル読書会は、ほんの思いつきで始めたLinuxカーネルの勉強会のようなもので、1999年4月に第一回を開催して、やってみたら思いの外、楽しくて、多くの人に参加いただいたこともあって、10年以上不定期に開催できた。近年、自分のモチベーションも下がってきて、勉強会の栄枯盛衰を一人で演じている感じもなくはないが、多くの貴重な経験を積むことができた。 過去の資料など http://www.ylug.org/modules/puki
コンパイラ勉強会というちょっと心をそそる勉強会があったので参加した。勉強会っぽい勉強会(ってどんなだよ)に参加するのは久々だったので、つい出来心でLTでもしようかと思った。LTすれば定員オーバーでも参加できるだろうという下心があった。 https://connpass.com/event/103976/ LTのつもりでいたら、お時間30分も頂いてしまった。困った。モダンなコンパイラのことで話すネタを持っていない。こーゆー時はLLVMのことなどをさらっと話せるようになりたい。 そこで温故知新、昔話でお茶を濁すことにした。ごめんなさい。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とかなんとか。*1 新卒で入社したDECでの最初のプロジェクトは日本語COBOLの開発だった。その話をネタにした。 若い人はCOBOLという言語の出で立ちなどは知らないだろうから、昔話としてはちょうどいいと思った。COBOL
9月末に60歳定年退職して、東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程に入学した。*1 9月末より現役の東京大学生である。博士課程の大学生がどんな生活をしているのか、日記を認めることにどのような意味があるのかという疑問を持たなくもないが、定年退職後のおじさん学生の日記も多くないので自分の経験がだれかの役に立つかもしれないと思い記すことにする。 授業のことなど 9/21に入学式があって、その次の週から授業だが、自分が履修する授業は、10/1の週から開始だった。 輪講(必修)が金曜日午前中にあるので、9/28にいそいそと学校に行ったら、次週から開始ということで、いきなり空振りになってしまった。 図書館で時間を潰していたら、研究室の修士1年生のSさんが声をかけてくれたので、二人で生協食堂で昼飯を食いに行った。初ランチである。(緩募。ランチ友達) その足で会社に行って最終出社日の各種手
当社の規定により満60歳で定年退職をした。長いようで短かった会社員生活も一区切りだ。自分のプログラマとしての会社員生活を振り返ってみる。無駄に長いし結論はないのでお忙しい人は飛ばして欲しい。 9月末なのでブログ界隈では退職エントリーがそこかしこに書かれると思うが、その中で自分の退職エントリーを連ねることにどれほどの意味があろうか。もちろんないのだが、それでも多くの書き手の年齢を考えると満60歳定年退職というところに若干の希少価値を見出せなくもない。 1984年に大学院修了して以来、プログラマとしてのキャリアを重ねてきた。大学時代の同期でプログラマとして就職したものは皆無だ。当時、工学部の同期はメーカーに就職するのがほとんどで、大手家電メーカー、自動車メーカー、電力会社などなど、当時の誰でも名前を知っている人気企業に就職するものが大半だった。 その中で、日本ディジタルイクイップメント(DEC
(地図はシカゴからサンフランシスコまで) アムトラックでニューヨークからサンフランシスコまで鉄道で横断してみた。3泊4日、乗り換え2回だ。 https://www.amtrak.com/home.html アメリカは広い。移動するだけで体力を消耗する。頭では理解しているつもりだったけど身体で理解した。 全米を列車で横断する場合、アムトラックのシカゴがハブになっているので、西海岸からならば、シアトル、サンフランシスコ、ロスアンジェルスからシカゴまで行って、そこからボストン、ニューヨーク、ワシントンDCに向かう。東海岸からならその逆だ。 今回はニューヨークからシカゴ経由でサンフランシスコまで行った。途中、Albany-Rensselaerというところでボストンから来る列車に乗り換える。時刻表だと、19:05発でシカゴに翌日の9:45に到着するので14時間40分ほどの旅になると思いきや、時差が1
タイトルは釣りです、すみません。無駄に長いのでお忙しい人は、どーぞ、飛ばしちゃってください。 自分は今年の9月で満60歳になる。60歳というと多くの日本企業の御多分にもれず定年である。定年後に何をするのかしないのか、ここで簡単に記してみる。 日本の伝統的な大手企業(経団連に属するような企業)では、定年などの制度がしっかり整備されているので、先輩たちがどんな暮らしをしているかおおよそのロールモデルがある。一方で自分が今所属している企業は20年ちょっと前に創業したネット系である。規模は大企業だが相対的に若い企業なのでそもそも50代の従業員がそんなにいなくて定年退職した人も数えるくらいである。 日本において職業プログラマの世界では、特にフリーランスではなくて会社に所属している場合、35歳定年説というのが炎上系のネタとしてよく議論される。特にSI系の場合、多重下請け構造の中で歳を食ってプログラミン
品川で開催されたRuby 25周年のイベントに行ってきた。*1 http://25.ruby.or.jp 高橋さんのRubyの昔の話から、まつもとさんの未来の話、宮川さんとまつもとさん対談など、コンテンツも盛りだくさんだった。最後にお嬢さん二人からまつもとさんへの花束贈呈があって、家族ぐるみの暖かいイベントになった。スポンサー企業もいっぱい集まって盛況だった。 まつもとさんのお話を聞きながら、この20年前後のICT業界の変わったこと変わらなかったことをつらつらと考えた。 昨今、技術の変化が過度に強調されシンギュラリティに象徴される様々なバズワードが飛び交っている。若い人は(おじさんもそうだけど)、メディアの狂想に踊らされているのではないかと思わなくもない。確かに技術が指数関数的に変化するとしたら、今後N年の変化は、過去の変化の総和と等しいくらいに変化する。ムーアの法則(2年で半導体集積度が
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)を読んだ。 本書は、人口の絶対数が激減したり、高齢者が激増したりすることによって生じる弊害と、それにどう対応するかを議論している。(6ページ) 2015年に1億2700万人いた日本の総人口が、40年後には9000万人を下回る。(7ページ) 喫緊の課題は、1)出生数の減少、2)高齢者の激増、3)勤労世代(20〜64歳)の激減に伴う社会の支え手の不足、4)これらが互いに絡み合って起こる人口減少。(9ページ) 本書は、今後100年の人口減少カレンダー(22〜23ページ)で、今後の日本がどのような社会になるのかを示している。例えば、2020年には女性の2人に1人が50歳以上になる。年間出生数は増えない。一人暮らし社会が本格化する。大都市部では総人口はあまり減らず、高齢者の実数だけが増えていき、地方では総人口は減少するが、高齢者の実数は
2年ほど前に、『田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)』、丸山健二著、を読んだ。 団塊の世代が定年を迎え、「第二の人生」を「夢の田舎暮らし」に憧れて過ごす人たちに向けて、安易に田舎暮らしを決めていいのかというような趣旨の本だ。友人のFacebookのタイムラインでたまたま発見して2年ほど前に読んでみた。 よ:定年本の中で読んだ本で最も影響を受けた一冊を紹介します。 相手:はい よ:田舎暮らしに殺されない法、丸山健二ですね。これを読んでから家呑みしていません。(2015年10月頃からか) あ:そうなんですか よ:第二の人生を田舎暮らしで過ごそうと言う世代に向けてのの本です。 あ:はい よ:そもそも第二の人生と言う設定は会社員という前提があります。 あ:ふむふむ よ:会社員以外の仕事の場合定年というのはない あ:そうですね よ:農業も商業も定年はない あ:うんうん よ:結局のところ第二の人生と
20数年前に新卒で入社したわたしを育ててくれたのは配属先の上司であり、社内エンジニアリングコミュニティだ。 最初のプロジェクトは日本語COBOLのプリプロセッサを作るというものだった。大学でソフトウェアを学んだが、職業としてプログラムを組むという経験はなかった。プログラムを作ることのいろはをその会社で学んだ。 新卒の初心者プログラマの日常はこんな感じだ。 よ「プログラム書きました〜」、先輩「あれ〜、どこにファイル置いたの?チェックインした?」、よ「まだでした」、ぱたぱたぱた、よ「チェックインしました〜」、先輩「あれー、ビルドできないなあ、コンパイルエラーが出るよ」、よ「コンパイルしていませんでした〜。今直します〜」、あれやこれや、よ「出来ました。ばっちりビルドも出来ます〜」、先輩「あれー、テストが通らないなあ、ちゃんとテストしたの?」、よ「テストはしていません(きっぱり)」、先輩「おいおい
福島という地元で働くか、東京で働くか、ざっくり言ってそんなようなお題の元、議論するというのが今回の趣旨と理解した。そこになぜか呼ばれてお話をすることになった。 それはともかく、自分は東京出身なので、地元で働くというのは東京で働くことになる。地元ではない場所という意味でいうと、30代の頃シリコンバレーに行って働いていたので、その時の経験をもとに地元とどこかという軸でお話をすることにした。 エフスタというのは福島の地域ITコミュニティだ。 福島のITコミュニティ「エフスタ!!」は ITっておもしれえんだよ!と感じてもらい、ITで地方を面白くするミッションを目的とする市民活動(コミュニティ)です。 みんなで地方からITの未来を変えていきましょう! HP http://efsta.com Facebookにて情報発信中! https://www.facebook.com/efsta.it エフスタ
テスト駆動開発の発売記念という建てつけの技術書の歩き方勉強会「テスト駆動開発」編 - connpassというイベントに参加した。 テスト駆動開発は2003年に翻訳出版されたのだが、絶版になっていて、先日、和田さんが訳し直して出版された。その経緯は新訳版『テスト駆動開発』が出ます - t-wadaのブログが詳しい。 ソフトウェア技術書の古典的名著を翻訳しなおし、復刊するという商業ベースにはなかなか乗りにくいことを敢行した和田さんとオーム社に拍手を送りたい。 再翻訳に当たって、1)サンプルのソフトウェアのバージョンを最新にした、2)判型を小さくした(持ち運びやすい)、3)サンプルコードの省略をやめ、コードの変更点を目立たせ、各章ごとにその時点の全コードを記載する、というような工夫を施した。 それによって、現時点でも非常に読みやすい構成になっている。 そして本書の最大の特長は、付録Cにある、和田
文学入門 (岩波新書 青版)がスゴ本だというのは、 超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15 - 未来のいつか/hyoshiokの日記 で紹介した。その世界近代小説五十選を参考までに載せておく。 この本を読んだ時点で五十選のただ一つも読んだことがなかったので、手始めにドストエフスキー「罪と罰」から読んでみた。名前は聞いたことがあるが読んだことない世界の名著である。 小説は所詮楽しみのために読むのであるから、何をどう読んでも構わないし、そこは自由なのだけど、若い頃にこの手の古典をたくさん読んでおくと人生が豊かになるような気がする。人生に影響を与える一冊に出会えるかもしれない。60歳間際のおじさんが読んでも面白いのだから感受性が豊かな若者であれば、ひょっとしたら人生を踏み外してしまうかもしれない。人生を踏み外さないかもしれないけれど。 自分にはリベラルアーツが圧倒的
ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版(略してGEBげぶ)本、読書会中*1 一体何に関する本なのだという疑問を持ちつつゆるゆる読書会中だ。ゆるゆるゲーデル、エッシャー、バッハ(GEBげぶ本)読むので、「ゆるげぶ読書会」と呼ぶ。主催者の白石さん命名。 第1章はMUパズルというのが紹介されている。それは形式システムである。 Wikipediaに解説が載っている。https://en.wikipedia.org/wiki/MU_puzzle Nr. Formal rule Informal explanation Example 1. xI → xIU Add a U to the end of any string ending in I MI to MIU 2. Mx → Mxx Double the string after the M MIU to MIUIU
理科系の作文技術(中公新書)という1981年に発行された名著がある。 先日、その本についてお話しする機会があったのだが、それを話すにあたって、作文技術の本をあれやこれや手に取ってみた。本屋で適当に見つけたものやら図書館で手に取ったものなど、備忘録としてリストしておく。必ずしも読了、精読したわけではない。(順不同) それぞれについて、理科系の作文技術との比較などをしてこの日記をアップデートしたい。(2017年6月1日時点で整理中です) 理科系の作文技術(リフロー版) (中公新書) 【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫) 論文の書き方 (岩波新書) 論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス) レポートの組み立て方 (ちくま学芸文庫) 仕事文の書き方 (岩波新書) 理系のための 論理が伝わる文章術 実例で学ぶ読解・作成の手順 (ブルーバックス) The Elements of St
右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)を読んだ。 なにこれ面白い。 右利き、左利きというのは小さい頃からの習慣でそうなるのか、遺伝的にそのような利き腕が決まっているのか、謎だ。よくわからない。人間だけではなく動物にも利き腕があるのかないのか。本書は生き物の「右と左」に関する進化の物語だ。 著者はひょんなことから、カタツムリを食べるヘビの話を聞いて、それに興味を持つ。カタツムリは右巻きと左巻きがあって、ニッポンマイマイ族は左巻きが何種類もいるらしい。そして左巻きのカタツムリが進化してきた理由はよくわかっていない。 ここで右向きのカタツムリを捕食する生き物がいれば左向きのカタツムリは進化しやすくなるはずだ。という発想から研究を始めたという物語である。 著者はそのような捕食者を求めて西表島にフィールドワークに行く。 そしてイワセキセダカヘビというのが
ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版を読書中だ。 スゴ本オフを下北沢のB&Bでやった時に本棚の奥に鎮座している本書をゲットした。30年以上前に書かれた本の20周年記念版の翻訳である。 20周年記念版には、著者による序文が付いている。本書は何について書かれた本なのか? 評判は昔から聞いていたいのでいつかは読んでみたいと思って今に至るわけであるが、何の本なのだろうか?数学の本かなと予想しつつも読み始めた。Facebookで知人たちは、デザイン、数学、Art、思考の本だとか何とか。 序文で、著者は1980年に本書(ゲーデル、エッシャー、バッハをGEBと略す)がニューヨークタイムズのベストセラーリストに載った時(それもすごい話であるが)、タイトルの下の『実在は相互につながった組みひものシステムだとする科学者の論考』という要約がついたのだが、それについて全くもってたわごと
会社でレガシーコード改善ガイドの読書会をやっていて、次回で読了だ。4月に入ってから週に1回くらいのペースでやっていて、2ヶ月半くらいかかった。途中、ゴールデンウィークや所用で開催しないこともあったので、10回くらいで完走したことになる。 一人当たり、1章ないし2章くらいを担当して、その章に書いてあることを説明した後にみんなであーだこーだ議論をする。気になったことを質問したり、どうも良く分からないことをみんなで考えたりする。 テストがないコードはレガシーコードだ!というキャッチフレーズはわたしの心をとらえた。 参加者の皆さんとその価値観を共有できた事はうれしい。 現場での開発の実情をいろいろ教えてもらった。テストを書くことはあまり一般的ではないということにわたしは衝撃を覚えたのであるが、この読書会を通じて、テストを書かない開発というのがレガシーコードを作っている事に他ならないという共通の認識
自分は図書館が大好きなので、しょっちゅう図書館に行っている。中学時代に可愛いこが図書委員をやっていたので、その頃から図書館が好きだ。図書館短大の女子と合コンをしたこともある(関係ないけど) 通勤の行き帰りに図書館に寄るのがもはや日常と言っても過言ではない。 ネットのおかげで図書館に直接行かなくても本を予約できる。 図書館好きならば誰でも使っている、日本最大の図書館検索サイト・カーリルを使いこなそう。 https://calil.jp/ 面白そうな本を見つける ネットで図書館検索をする ネットで予約する 忘れた頃に予約した本が借りられる 図書館に行って借りる 図書館でぶらぶらして関係ない本も借りる 感想をネットに書く 読んでも読まなくても期限がきたら返却するので積ん読にはならなくてネットの感想だけが残る。 予約してすぐ借りられる本もあれば、予約が殺到していて何ヶ月も待つ本がある。すぐに読みた
記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)を読んだ。 記憶術とか速読術とかかなり胡散臭いと感じているのだけど、ついつい読んでしまう。斜に構えて読んだのだけど、ごめんなさい。最近の脳科学の研究成果に基づいた入門書だった。予想といい意味で違った。おすすめである。 忘れないうちにメモっておく。68ページ 短期記憶 30秒から数分以内に消える記憶、7個ほどの小容量 長期記憶 エピソード記憶 個人の思い出 意味記憶 知識 手続き記憶 体で覚えるものごとの手順(How to) プライミング記憶 勘違いのもと?サブリミナル効果 プライミング記憶という耳慣れない言葉が出てくるが、ここでは無意識の記憶ないしは勘違いによる記憶としておく。(詳細は本書を読んでください) エピソード記憶や意味記憶は、「何を」を記憶しているのに対し、手続き記憶は「いかにやるか」を記憶している。後者は
社会生物学者ウィルソンのヒトはどこまで進化するのか読んだ。 歴史学は先史学を抜きにしてはほとんど意味をなさず、先史学は生物学を抜きにしてはほとんど意味をなさない。先史学と生物学の知識は急速に増加し、その結果、人類がいかにして誕生し、なぜ私たちのような種がこの地球に存在するのかに光が当たっている。5ページ 本書は、人間が存在する意味、知の統合、アザーワールド、心の偶像、人間の未来という大項目からなっていて、前半で様々な解くべき問題が提示され、後半でそれに対応した著者の見解が示されている。 人間が存在する意味 意味の意味するもの 人間という種の謎を解く 進化の内なる葛藤 知の統合 啓蒙主義の復活 人文科学の不可解さ 社会的進化の推進力 アザーワールド フェロモンに惑わされて 超個体 なぜ微生物が宇宙を支配するのか ETの肖像 生物多様性の崩壊 心の偶像 本能 宗教 自由意志 人間の未来 宇宙で
インターネットによって地球規模の神経回路網が出来上がって、ITカンブリア紀が始まったというような世界観に我々はいる。 カンブリア紀は生物の種が爆発的に増えた時代と言われているが、その爆発には眼の発達が深く関わっていると言われている。生物が眼を持つことによって、他の生物を容易に捕食することができるようになって生存競争において圧倒的に有利になったという説だ。捕食される側も眼を獲得することによって捕食者から逃げるという、ある種の軍拡競争によって生物の種は爆発的に進化・発展していった。 ITカンブリア紀の眼はIoTで、インターネットは神経回路網で、クラウドは脳だ。AIやビッグデータによってバラバラだったものが結線する。世界はソフトウェアでできている。そのような時代に生きている。わくわくする。
川口さんが持っていたジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメントを読んだ。 著者が2001年に設立しCEOをやっている会社(以下メンロー社と呼ぶ)を題材に、ソフトウェア開発のマネジメント手法について書かれている。本書をソフトウェア開発手法の解説書だと捉えるのは狭すぎる。広い意味での組織マネジメントの実践書である。そのユニークなことは「喜び」を追求していることだ。 「喜び」をマネジメントの主眼に置いているだって?意味がわからない。お前は何を言っているのだ状態である。 詳しくは本書を読んでいただきたいのだが、本書で紹介されている手法の多くは、XP(エクストリームプログラミング)、スクラムなどアジャイルソフトウェア開発として知られている。 それらの手法を愚直に実践しているところが著者の会社の強みであり、凄みである。 例えば、ペアプログラミングで毎週メンバーを入れ替えるとか、XPの導入も
眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解くを読んだ。 ダーウィンの悩んだ謎についてそれを解き明かしている。カンブリア紀は、生物が突如、爆発的に進化したことで知られる。 ダーウィンは「5億4300万年前、カンブリア紀の始まりと同時に、生物は突如、爆発的に進化した。カンブリア紀の爆発として知られるこの急激な進化は、なぜ起こったのか?」という疑問と、「なぜカンブリア紀以前の地層から化石が見つからないのか?」という疑問を終生悩んだらしい。 ネタバレになるのだが、その回答が「眼の誕生」らしい。眼という複雑な器官の発生とそれを処理する脳の働きによって、生物は劇的に進化した。眼があることによって、生物は捕食できる。一方で捕食者から危険を察知して逃げることができる。眼による攻撃と防御の軍拡競争が淘汰圧としての生物の進化を加速したという説である。 インターネットという神経回路網にとって、膨大な記憶装置と、眼と
人工知能の入門書、 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)と、脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす (ブルーバックス)を読んだ。どちらも入門書として平易に書かれているので、門外漢でも読み進めることができる。 私が、就職した頃(80年代半ば)は、まさに第二次AIブームということで、高度成長を謳歌した日本は、怖いものなしで、AIの分野でも世界を席巻しようとしていた。 第五世代コンピュータプロジェクトという汎用AIを作るという意欲的なプロジェクトが実施されていたのもその頃だ。AIが、強いAIを志向するというよりも便利な道具としてエキスパートシステムなどがもてはやされていた。論理的推論によって問題解決を行う。問題を明示的に記述できれば、あとは機械が自動的に推論して結論を導き出す。限定的な問題については一定の成果を得られたが、知識をルールという形式にして記
インターネットのパワーと可能性を高校生に伝えたい(楽天IT学校)(id:hyoshiok:20160914:p1) で書いた通り、高校生にインターネットのパワーと可能性を伝える授業をやっている。 その授業の成果が本日15時からアップされている。 http://item.rakuten.co.jp/bunza/c/0000000956/ 高校等で電子商取引の授業をするときの難しさは、HTMLなどで商品ページを作ることを教えることはできたとしても、それを実際に販売することは簡単にはできない。商品の選択、在庫の確保、受注、入金、発送、クレーム対応、などなどインターネットの店舗運営に関わる、様々なことを高校が準備するというのは現実的には難しい。 集客やマーケティングなども実際にやってみないことにはわからないし、理屈の上で学ぶのとやってみることのギャップは大きい。 インターネット上の店舗を借りて実際
この歳になるまで生マグロがどのようなものかということを知らなかった。生まれてこのかた意識して生マグロを食ったことがなかったからだ。あったかもしれないけど記憶にない。 日頃食べるマグロの多くは冷凍マグロだ。マグロと言ってもいろいろあるのだが、漁場で釣ったマグロは漁船上で急速に冷凍され三崎や築地などの市場を経由して流通する。 話が長くなるので忙しい人は次行ってください。 楽天IT学校の縁で那智勝浦町にある木下水産物株式会社にお邪魔することになった。高校生が生マグロの販売ページを作るためにその取材をするので同行した。那智勝浦に行くのも初めてだし、生マグロの話を聞くのも初めてだ。*1 上野さん(紀伊国屋文左衛門本舗店長)が生マグロを食べたら他のマグロは食べられなくなりますよという話を聞いていたことは聞いていたのだけど*2、正直言っていやそれは大げさだろう程度にしか思っていなかった。 那智勝浦漁港に
弊社がやっている楽天IT学校というのがあって、自分も講師役で関わっている。 http://corp.rakuten.co.jp/csr/it-school/ 楽天IT学校というのは、主に商業高校の生徒向けに、楽天の店舗・施設(ホテルなど)と協力して、電子商取引の実践を教える授業である。今年は、5月ごろスタートして、生徒と一緒に、楽天市場や、楽天トラベルのページを作っていき、来年の1月にその成果を発表する。*1 私は、和歌山県立和歌山商業高等学校の担当になったので、月に一回程度、高校にお邪魔して、授業を行っている。 (講師の大山さんと和歌山商業高校生徒の皆さん) 高校生にとってみれば、今まで使うだけだったインターネットで、実際のページを作りながら、実際のモノを売る機会を得られるというのが一番大きいと思う。使うだけのインターネットでモノを売る、商売をするインターネットになるという経験は、なかな
夏休みなので、たまたま読んでいたCoders at Work プログラミングの技をめぐる探求という本の中にJamie Zawinskiのインタビューが載っていた。この本は著名なプロラグマを集めたインタビュー集で、Unixを創ったKen ThompsonやらDonald Knuthやらすごい人たちが登場している。 その中でJamie Zawinskiはそれほど著名でもなければ誰もが使っているすごいシステムを開発したというわけでもない。私が彼の名前を知ったのはNetscapeのソースコード公開時にMozilla.orgを仕切っていた頃なので、20年近く前である。 彼はxemacsの開発者としても著名で、当時GNU Emacsではなくてxemacsを日常的に使っていたので馴染みにある名前だった。xemacsとGNU Emacsはのちにマージされるのだけど前者が今で言う所のバザール型開発で、後者が
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