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endomameta.hatenablog.com
『ゴーイング・メインストリーム 過激主義が主流になる日』を読み終えた。気候変動懐疑論や反ワクチン、白人至上主義などのグループに潜入調査して現場を解き明かしていく作品。 この本では、さまざまな「過激主義」と呼ばれるものの内部に著者が潜入調査し、イベントや集会に参加し、テレグラムでネットワーキングを行っていく。過激主義と便宜上ここでは書いているが、かれらはそのように名指されることは当然不満であろう。 sayusha.com さまざまに示唆に富む本だったので、興味深かった点をいくつかメモしておく。 イデオロギーがぶつかっているのではない こうした過激思想の根幹をなしているのは、何よりもまず、「既得権益層(エスタブリッシュメント)」への根深い不信感である。エリートへの反感と不信がデフォルトになった社会において、ポピュリズムの支持者が抱えているのは私こそが弱者であり、自分たちは「代表されていない」と
LGBT新法をめぐって、この辺は前提に議論できると良いかなと思うことを整理してみた。なおタイトルには理解増進法をあげたが、差別禁止法も同様である。 (ちなみに執筆者はトランスジェンダーの当事者として2010年前後から議員に政策提言などもしている立場です)。23年5月16日更新、自民党案を追記しました。 ① 与野党合意されているのは理解増進法 議論されている法律は2種類ある。ひとつめは理解増進法で、こちらは2年前に与野党合意されたが自民党内の一部反対によって成立しなかったもの。こちらに本文をあげてみた。 www.evernote.com 国が性自認や性的指向に関する基本計画を作ること(3年ごと更新)、自治体や事業主、学校などが理解増進のための努力をすることといった内容が入る。 もともと自民党が主導で理解増進法を作る動きをしてきたが、自民党は過去の言動からLGBTに対して真面目に政策をやるつも
先日発売された『ソーシャルメディア・プリズム SNSはなぜヒトを過激にするのか?』はなかなかに面白かったので、感想のメモを残しておこうと思う。インターネットと社会運動の関係性について考える上で、示唆に富んだ一冊。 www.amazon.co.jp 同じ意見ばかり見て過激化する、は本当か 本書の一番の特徴は「ソーシャルメディアでは自分と似たような意見の人たちばかりが目にふれるよう設計されており、それによって意見が両極化する」という、いわゆるエコーチェンバー批判に対して、疑問を呈しているところだ。自分とは異なる意見に触れさせることによってエコーチェンバーから抜け出し、多様な見方が促進されるのかどうか、著者たちは実際にボットを使って実験をしている。 アメリカの民主党派に共和党派ボット、共和党派に民主党派ボットを1ヶ月間フォローさせた結果、共和党派の人たちは、ボットに注目していた人ほど考え方がより
最近読んだこちらの記事が面白かった。 www.huffpost.com 10代の子どもがネットで過激思想に触れているぽかったときにどうするか?というもので、いくつかアドバイスが出てくるが、その中に「Don’t shame them(相手に恥をかかせないこと)」というのが出てくる。 ティーンエイジャーと一緒にその問題に取り組むときは、口調と一般的なアプローチに気をつけましょう。 「奇妙に思えることを見たら、それについて尋ねてください」と、ヒューズは助言します。「非難したり、叱ったり、嘲笑したりするような態度はとらないようにしましょう。そういったアプローチは、特にティーンエイジャーの人たちを萎縮させる傾向があるので、逆に事態を悪化させる可能性があります。」 自分をバカにしてくる人の話に耳を傾けようとする人はいない。 バカだと思われているのだろう、と感じた瞬間に怒りを覚えるし「自分が間違っていな
SNSを中心にトランスヘイトが拡散されはじめて数年が経つ。 この惨状になにかをしたいという人は潜在的にたくさんいるが、なにをしていいのかわからない人が多いだろう。どうしてトランスの人に意地悪なことを言うのだろうと思っても、言い返す言葉を持っている人も少ない。 そもそもトランスに差別的なことを言っているひとも、差別をなくしたいと思っているひとも、トランスの知り合いがそんなにいなかったりする。トランス当事者ですら、当事者の知り合いが少なかったりする。トランスジェンダーの人口は1%未満、トランスの中でも現在槍玉にあがっているトランス女性にいたっては人口の0.1%もいない。 trans101.jp よくわからない人だからひどいことを言ったり思考実験のネタにされたり、ということが繰り返されている。この構造を踏まえた上で、どうしたら差別に対抗できるのか、比較的とりやすいアクションを考えてみたので羅列す
動画配信サービスのHuluに、こんなメールを送ってみた タイトル:Changing the Gameを日本でも上映してほしいです 内容:プライド月間にあわせてChanging the Gameが米国Huruで配信されるとの記事を拝見しました。 https://www.glaad.org/blog/glaad-wrap-hulu-release-changing-game-trailers-shrill-and-mythic-quest-new-music-rina-sawayama トランスジェンダーのスポーツ参加については、日本でも国会議員が差別的に言及するなど関心が高まっています。ぜひ日本に暮らしている私たちにもドキュメンタリーを通じて、正しい情報にもとづいてディスカッションできるよう、放映していただけるとうれしいです! メールの問い合わせ窓口はこちらから。 フロントロウのこちらの記事
6月はプライド月間だ。トランス男性として、さらに昨今の人種差別をめぐる議論においてアジア人でもある私は、勤め先の外資系企業で声をかけてもらえる機会が多い。 社員紹介のインタビュー記事が出て、チャットでみんなに「ナイス」と声をかけてもらえる。 www.change.org 社内でもっとも英語を話せない人間である私に、こうやってコミュニケーションの機会をくれる会社には本当に感謝している。私がLGBTの権利に情熱を抱いていることは英語が堪能じゃなくてもみんなに伝わる。どんなキャラなのか伝わりやすい、という意味でトランスのアクティビストであったことは私にとってすごくラッキーだったし、私の限られた「トランスでいてよかったこと」のひとつは、英語がボロボロでもみんなに「がんばれよ」って言ってもらえることだと思う。 昨年、会社の研修でサンフランシスコを訪れた。 LGBTQの社員だけで小さな集会をもった夜は
紅白を見逃した 朝起きたらタイムラインが紅白歌合戦におけるMISIAのレインボーフラッグ演出で埋め尽くされていた。私は憧れの人に志村貴子『放浪息子』の千葉さおりをあげるぐらいには協調性のない人間なので、紅白歌合戦といういかにも国民的イベントで人々がどんな旗を一緒に降っていても、警戒心の方が先に発動してしまうだろう。たぶん。 みんなでなんていや ひとりでうたう — 千葉さおり (@chibasaori_bot) 2020年1月1日 私 あの先生苦手だわ クラス全員にあだ名をつけようとするのもいや 声がすごく大きいのもいや — 千葉さおり (@chibasaori_bot) 2019年12月26日 でも、はたと考えた 旗だけに。これがジェネレーション的に馴染みの薄いMISIAではなく、自分が慣れ親しんだアーティストだったらどうだったろう。宇多田ヒカルだったらコロリと感動していたかもしれない、と
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