年をまたいで帰省していた。 久しぶりに会っても家族はやっぱりよい人たちだった。 私は病気でおよそまともな精神をしていないが、薬を飲んで生活を整えていれば短時間であれば対外的にまずいところはひた隠しにすることができる。 親にも気を違えそうなことや自分で処置可能な範囲の自殺未遂を繰り返していることは隠している。 家族からはよく愛されて育った自覚がある。 金も手間もかけてもらった。都会に産んでもらって、展覧会、ミュージカル、コンサートにだってよく連れていかれたし、家庭教師をつけてもらったりもした。 神童も20過ぎればただの人とは言うし私が神童だったとは言わないが、中学生までは真面目に勉強しなくとも定期テストでは満点付近が取れた。きっと頭もわりと良いほうに産んでもらったのだと思う。今はとても自分の頭を冴えているとは思えないが。 恵まれていると思う。それでも精神は腐っていく。こうなってしまう原因をど