10代のころ、筋肉少女帯を聴き、大槻ケンヂの本を読んで、「これだ」と思った。世の中にこんなに面白くて、尖っていて、深くて、バカバカしくて、それでいて知性があって、何より俺の心をこんなにも震わせるものがあるんだ、と思った。 それまで小室サウンドとかB'zとか、まあ嫌いじゃなかったけど、ああいう「流行ってる」ものにはどうしても馴染めなかった。なんだか自分には似合わない気がしていた。そんな自分にとって、筋少やオーケンのようなサブカル的なものは、ぴったりとフィットする服のようだった。 それからというもの、サブカル的なものを浴びるように摂取するようになった。映画も音楽も漫画も本も、なるべく「表通り」ではなく「路地裏」を歩くようにしていた。流行りものなんかより、こっちのほうがずっと面白いし、いずれ時代が追いつくはずだと信じて疑わなかった。 実際、過去の例を見れば、エッジの効いた表現がやがて大衆に受け入