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大学が発注した施設工事を巡り、不正な利益を得ていたとして、東京女子医科大学の元理事長が逮捕された件は記憶に新しい。学校法人のガバナンスは上場企業などと比べて不透明だと指摘されてきたが、それを象徴する事件だろう。もっとも、学校法人のガバナンスを巡る問題は女子医大だけではない。(三田宏:フリージャーナリスト) 12月7日、学校法人山野学苑は、東京・代々木にある山野ホールを含めた一部学苑施設において、安全性にかかる法令上の疑義があるとして、貸出を中止すると発表した。 現に、12月7日には声優・花澤香菜さんのファンクラブイベントが予定されていたが、前日に急遽、会場を変更。「僕のヒーローアカデミア」公開録音イベントなど、その後に予定されていたイベントもすべて会場変更になった。 山野ホールはM・YAMANO TOWER(マイタワー)の地下3階にある多目的ホール。固定276席、可動524席の計800席で
現在の技術革新は凄まじい。スタジオも自動化が進み必要な人手は減り、バーチャル合成、カメラのクオリティも日進月歩だ。多くの人が馴染んでいるネット動画は、スマホ一つ、手持ちの小型カメラの機材などで撮影されていたりする。 実際、巨大スタジオの必要性はバラエティ番組などに限られている(地方局のスタジオは総じて小さいが、それでもかたちになっている)。放送業界もデジタル化されたバーチャルスタジオの必要性などを主張しつつ、高額であることから総務省に対して補助を要望してきた経緯もある。 すでに放送の世界でもアナログの大艦巨砲主義の時代は終わりつつあるのは明らかだが、かつての投資の名残でもある箱物にとらわれて身動きできなくなってしまっているかのようだ。 本稿を書いている途中で、中居正広氏の芸能界引退の報が飛び込んできた。 ◎中居正広さん芸能界引退 ファンクラブ向けサイトで発表 - 日本経済新聞
テレビ番組の反響で倒産危機に…なぜサイゼリヤは「宣伝なし」「直営店」にこだわるのか? 正垣泰彦サイゼリヤ会長が語る「ビジネスの原点」「成功の法則」「リーダーの心得」③ 国内外で1500以上の直営店を展開し、年間の来客数は2億人を超えるサイゼリヤ。創業者の正垣泰彦会長は、大学4年生だった1967年に小さな洋食屋を開業して以来、安くておいしい料理の提供を追求してきた。本連載では『一生学べる仕事力大全』(致知出版社)に収録されたインタビュー「最悪の時こそ最高である」から内容の一部を抜粋・再編集し、正垣氏の経営観と人生観を紹介する。 今回は「人のため、正しく、仲良く」を理念に掲げた理由や直営店にこだわる背景、正垣氏が考えるリーダーシップに迫る。 「人のため、正しく、仲良く」 基本理念に込めた思い ――お店が繁盛してチェーン展開するようになった頃は、働き詰めで休みは1年に1回しかなかったと伺っていま
非三菱グループの三菱鉛筆、知られざる“素性”と商標抹殺寸前にまで追い込まれた過去 社史に残る「意外」の発見 第6回 わが国にはさまざまな企業グループがある。中でも、住友、三井、三菱と、第二次世界大戦前にあった旧日本三大財閥の流れをくむ企業は、社名にグループ名を冠しているものが多い。ところが、財閥グループ名を含む社名の中には「おや?」と思うものもある。 社史研究家の村橋勝子氏が小説顔負けの面白さに満ちた社史を「意外性」の観点から紹介する本連載。第6回は三菱鉛筆を取り上げる。 三菱鉛筆は三菱グループの会社? 日本を代表する筆記具のメーカー、三菱鉛筆。「三菱」を冠し、マークも同じだが、三菱グループだなんて、聞いたことがない。なぜ「“三菱”鉛筆」なのか。 鉛筆は1565年にイギリスで作られたのが最初だが、日本で本格的に鉛筆が使われ始めたのは、明治維新を過ぎてからである。当時はドイツからの輸入品が市
『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』や『負債論 貨幣と暴力の5000年』などの著書で知られる、高名なアメリカの人類学者 デヴィッド・グレーバー氏が、2020年9月2日に亡くなった。グレーバー氏は、考古学者のデヴィッド・ウェングロウ氏と共著で、遺作となる『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』(翻訳、2023 光文社)を残した。人類史を根本からくつがえすという本には、どんなことが書かれていたのか。社会学者の大澤真幸氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──グレーバーの遺作である『万物の黎明』には、どんなことが書かれているのでしょうか? 大澤真幸氏(以下、大澤):この本は、僕らの人類史に対する一番基本的な理解というか、専門家も含めて「ここまでは確実だ」と考えられている人類史の前提が間違っていると主張しています。 その前提とはどのようなものかというと、以下のような
ファストフードの店舗数ランキングは、マクドナルド、モスバーガー、ケンタッキーフライドチキンが上位3社だが、4番手争いで目下、急速に店舗拡大しているのがバーガーキング(運営はビーケージャパンホールディングス。以下BKJHD)である。かつては日本市場から撤退し、店舗数も縮小していたバーガーキングはなぜ復活できたのか。同社の野村一裕社長に激しい競争下での戦い方も含めて話を聞いた。 「2028年度末に600店舗」実現の可能性 ――キリンビール出身の野村さんがBKJHDに転職された2019年(社長就任は2023年1月)は、前年の100店舗から77店にまで店舗数が縮小していましたが、そこから拡大に転じ、現在は3倍近い226店(2024年5月31日時点予定)まで増えています。どんな点が奏功したのでしょうか。 野村一裕氏(以下敬称略) 入社翌年からのコロナ禍で、もともとテイクアウト比率が高かったファストフ
ロシアの経常収支は黒字で政策金利も高いが、ルーブル相場を見ると、大きく下落している。米財務省外国資産管理局(OFAC)による追加制裁によって促された側面もあるが、それだけでは説明がつかないという。果たして、ロシア中銀のバランスシートはどうなっているのだろうか。(土田 陽介:三菱UFJリサーチ&コンサルティング・副主任研究員) 経常収支黒字なのに下落が続いたルーブル 2024年のルーブル相場は、1-9月期はルーブル高が進んだが、10-12月期に入りルーブル安が急速に進み、通年では大幅な下落となった(図表1)。12月の平均値は1米ドル=102ルーブルと、この間にロシア中銀が金利を引き上げ続けたにもかかわらず、ウクライナ侵攻直後の2022年3月(104ルーブル)とほぼ同水準まで下落したわけだ。 ロシアの経常収支はもちろん黒字であり、その圧倒的な部分を占める貿易収支も黒字だから、実需面からのルーブ
日本のアニメ業界で世界市場を睨んだ主導権争いが激化している。ソニーグループのKADOKAWA買収は幻となったが、ネットフリックスなどグローバル配信大手の存在感が薄れるなか、テレビ局やサイバーエージェントなどがアニメ事業にアクセルを踏み、世界市場の争奪戦が繰り広げられている。 (数土 直志:ジャーナリスト) M&A相次いだ2024年のアニメ業界 2024年の日本のアニメ業界は、激動の年だった。いくつものアニメ関連の大手企業が事業拡大を掲げ、それはM&Aの急増というかたちで表れた。 とりわけ目立ったのがアニメスタジオの買収だ。 昨年3月にバンダイナムコホールディングス(HD)傘下のバンダイナムコフィルムワークスがエイトビット、5月に東宝がサイエンスSARU、7月にKADOKAWAが動画工房と相次いで有力アニメスタジオを子会社化した。それぞれが『ブルーロック』、『ダンダダン』、『【推しの子】』と
「私の履歴書」が久々に面白い 元日から今月いっぱい続く『日本経済新聞』最終面の連載「私の履歴書」が、すこぶる面白い。自身の半生を赤裸々に開陳しているのは、伊藤忠商事の岡藤正広代表取締役会長CEO(75歳)である。2010年に社長となって以来、同社に君臨する経営者だ。 私は日経新聞を読み始めて、もう半世紀近く経つが、このところの「私の履歴書」は、実につまらなかった。最後に感銘を受けたのは、「ジャパネットたかた」創業者の髙田明氏の月(2018年4月)だったか。 「私の履歴書」は周知のように、各界で名を成した人が1カ月にわたって自身の半生を振り返るシリーズだが、特に無味乾燥なのが、創業者でない大企業の会長や名誉会長、相談役らが出てくる月だ。彼らの「サラリーマン出世物語」はとかくチンケで、かつご当人が所属する企業の社員向けに述べているのがミエミエなのだ。一般読者の人生の糧(かて)になるものなど露(
富士通の営業変革チームが「50人の壁」を乗り越えるために組織から「徹底排除したこと」 大企業の営業DXに必要な「人と組織を動かすアプローチ」とは(後編) DXに挑むものの、部門内での取り組みに終止し、志半ばで変革に頓挫する企業は少なくない。そうした中、富士通の営業DXをミッションとするデジタルセールスチームは、2020年の始動から3年で120名規模に拡大し、全社展開を進めるフェーズに差し掛かっている。営業DXを持続的な取り組みにするためには、どのような打ち手が有効なのだろうか。前編に続き、2024年8月に書籍『富士通式! 営業のデジタルシフト カルチャーを変え、売上の壁を超える方法』(翔泳社)を出版した富士通カスタマーグロース戦略室の友廣啓爾氏に、変革チームの「成長の壁」を乗り越えるためのポイントや、飛躍的な成長を導くための戦略について聞いた。(後編/全2回) DX拡大期における「組織の壁
台湾・新竹市にあるTSMCのミュージアム「台積創新館」を訪れた見学者(2024年5月29日、写真:ロイター/アフロ) (湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長) 成熟プロセスと先端プロセスの境界は16nm 台湾の調査会社トレンドフォースが2024年12月12日、東京都内のホテルで半導体のセミナーを開催した。発表は3件あり、そのうち、ファウンドリ(半導体製造受託)に関する発表の中で、2023年から2027年にかけて、成熟プロセスと先端プロセスにおける地域別の製造キャパシティがどう変化するかという予測が報告された。 ここで、成熟プロセスとは16nmよりテクノロジーノードが大きいプロセス (具体的には22nm、32nm、45/40nm・・・など)を指し、先端プロセスはテクノロジーノードが16nm以下(例えば、16/14nm、10nm、7nm、5nm、3nmなど)を指す。 トランジ
すでに大統領になったような振る舞いを見せ始めた韓国の「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が最近、親日・親米的な方向に立ち位置をシフトしだした。日米のメディアが示している李在明代表の反日・反米的な性向への憂慮が、次期大統領選挙にネガティブな影響を及ぼしかねないとの判断からの戦略的な行動と見られる。 NHK、朝日、産経はじめ外国メディアを招いてオフレコ懇談会 1月8日、李在明代表は日本メディアをはじめとする25社の海外メディアと非公開会合を行った。 ソウル外信記者クラブの関係者が、この非公式会合の性格についてこう説明する。 「韓国の大手メディア『東亜日報』の某副局長が、外信記者クラブの韓日関係勉強会の記者たちと李在明代表との会合を取り持ったことで実現しました。 ただ、民主党側から『日本のメディアだけでなく、中国系や欧米系の特派員も参加させてほしい』との要請があり、NHK、朝日新聞、産経
(小谷太郎:大学教員・サイエンスライター) 2025年もとっぷりと明けましたがおめでとうございます。みなさんの1年はどのような年になるでしょうか。ちなみに宇宙の観測可能な範囲は1年に3光年ほど広がっているので、2025年に入ってからすでに1兆kmほど奥行きが増えていることになります。 宇宙というものはいつもこういう調子で、人類がいくら知識を増やしても、それを上回る勢いで拡大し、新たな謎が現れて、全然追いつける気がしません。が、もしかしたら人類が宇宙のトリックをひとつ暴いたかも、という研究発表がありました。 ニュージーランドのカンタベリー大学研究者らによると、宇宙最大の謎とされるダークエネルギーは、実は存在していない可能性がある、というのです。 ダークエネルギーとはなんだっけ? ダークエネルギーという、英語とドイツ語の混じった妙なカタカナ語について説明するには、(1)まず宇宙は膨張していて、
「ビジネスの才覚がなければ偉大になれない」 グーグルの大成功を決定づけた共同創業者ラリー・ペイジの大英断 一握りの「突出した天才」が起こす巨大イノベーション(第6回) 生物界における突然変異のように、一人の個人が誰も予期せぬ巨大なイノベーションを起こすことがある。そのような奇跡はなぜ起こるのか? 本連載では『イノベーション全史』(BOW&PARTNERS)の著書がある京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンスの特定教授・木谷哲夫氏が、「イノベーター」個人に焦点を当て、イノベーションを起こすための条件は何かを探っていく。 前回に続き、今回はグーグルのイノベーションを生み出し続ける秘訣に迫る。同社を大きく成長させるために、共同経営者ラリー・ペイジが下した優れた決断とは? ラリー・ペイジの原点 ラリー・ペイジは12才(日本では小学6年生!)の時に電気工学者のニコラ・テスラの伝
ウクライナへの侵攻当初の攻撃実績などから見れば、当初ロシアはウクライナ全土の占領、あるいはキーウ政権を倒すという軍事目標を立てて攻撃していた。 その時の兵士の損失は、現段階よりもはるかに少なかった。 グラフ ロシア軍兵士の損失推移と作戦段階
政府による経済介入は終焉へ、人口減少下で企業・労働者・消費者が経験する「かつてない痛み」とは? 企業変革を促す圧力、日本経済の高度化の原動力にもなる「人手不足の常態化」 少子化による人手不足が深刻だ。その影響は、賃金の上昇や先端技術による省人化、女性・シニアの活用などに現れ、労働市場は著しく変化している。加えて日本は他の先進国に先駆け、これから本格的な人口減少時代を迎える。社会の前提が変容する中、日本経済の構造は今後どのように変化していくのか。本連載では『ほんとうの日本経済』(坂本貴志著/講談社現代新書)から、内容の一部を抜粋・再編集。現状を整理しつつ、日本経済の将来の姿とその論点を考察する。 第2回は、人手不足の常態化がもたらす日本の経済構造の転換と、それに付随する「ストレス」を明らかにする。 構造的な人手不足が、企業の変革と日本経済の高度化を要請する ここまで解説してきたとおり、人口動
「レストランやホテルなど、日本のサービス業の質が劣化している」という声が挙がっている。昨年、X(旧Twitter)で注目を集めた店員のセリフ「私、タイミーなのでわかりません」は、これからの時代のサービスのありかたを予感させると話題になった。 上質なサービスを提供する日本の「おもてなし」は、もはや過去のものなのか。日本の「ポンコツ化」は避けられないのだろうか。「ひふみ投信」などを手がけるレオス・キャピタルワークスの藤野英人氏に話を聞いた。【前編】(聞き手:篠原匡、編集者・ジャーナリスト) キレる客、開き直る店員 ──サービス品質の劣化について、ご自身の体験をSNSに挙げていました。 藤野英人氏(以下、藤野):1カ月半ほど前に引っ越しをした時のことです。とある引っ越し業者の対応に衝撃を受けました。 営業マンは段ボールを持ってくる日を間違え、指示しておいたモノは持ってきてくれない。それなりに高い
2006年11月、GRUの本部ビルを訪問し、射撃場に立つプーチン大統領と覆面姿の隊員(写真:ITAR-TASS/PRESIDENTIAL PRESS SERVICE/ロイター/アフロ) 拡大画像表示 (国際ジャーナリスト・木村正人) クレムリンはいかにNATOの集団防衛に挑んでくるか [ロンドン発]「クレムリンはいかに北大西洋条約機構(NATO)の集団防衛に挑んでくるのか。陸・空・海・宇宙・サイバー空間で非正規戦がエスカレートする中、5条(集団防衛規定)を発動させない範囲でのロシアの作戦は思っているより早くNATOを試す可能性がある」 英国を拠点とする戦略的コミュニケーション会社アルバニー・アソシエイツの上級研究エグゼクティブ、ジョー・モーリー=デイビーズ氏は1月3日、シンクタンク「英国王立防衛安全保障研究所」(RUSI)への寄稿でこう警鐘を鳴らしている。 「クレムリンは自信を深めている。
12月17日、国連難民高等弁務官事務所(UNCHR)は、アサド政権の崩壊によって、およそ100万人あまりのシリア難民が、来年にも帰国する可能性があると発表した。これを受けて、ドイツの連邦移民・難民庁はシリア難民の申請受付を凍結し、一部混乱も起きている。 さまざまな理由によって難民となる人は世界中にどれほどいるのか。どうして日本は難民の受け入れ数が少ないのか。『なぜ難民を受け入れるのか 人道と国益の交差点』(岩波書店)を上梓した、国際基督教大学教養学部政治学・国際関係学デパートメント准教授の橋本直子氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──本書の冒頭では、難民の定義や総数について書かれています。 橋本直子氏(以下、橋本):世界には、異なる難民の定義があります。 日本が締約している難民条約の定義で説明をすると、難民とは、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員、政治的意見、こ
2025年の株式相場はどうなるのか。鍵を握るのは、やはり米国市場の動向だろう。時価総額で世界の半分を超える規模を誇る米国では、1月にトランプ氏が大統領に返り咲く。「トランプラリー」と称される株高に沸いた米国だが、果たして持続力はあるのか。 (市岡 繁男:相場研究家) ダウ平均の動きは、バブル崩壊時の日経平均の動きに酷似 トランプ次期米大統領は2023年9月、サウスダコタ州の遊説先で、「我々は大恐慌に向かっている。こんなことを言ったのは初めてだ。唯一の問題は、それがバイデンの任期中に起きるか、私の任期中に起きるのかだ。私はフーバー(1929年に発生した大恐慌に対処した米大統領)にはなりたくない」と述べました。トランプ氏はそれまでも1930年代と現在の類似性について言及していました。 ところが、この1年間ほど、景気の悪化について言及することはほとんどなくなり、最近の株高についても語らなくなって
三菱UFJ銀行の支店勤務の女性行員が、支店の貸金庫から顧客の金品十数億円を盗み取っていた事実が発覚した。金融機関の信用を根底から揺るがすような事件であるが、詳細はまだ不明のままだ。いま同行内部では何が起こっているのか。かつて都市銀行に勤務した経験を持つ作家の黒木亮氏が前後編、2回にわたって解説する。(JBpress編集部) (黒木 亮:作家) 三菱UFJ銀行の行員(女性営業課長)が、顧客の貸金庫から十数億円相当の金品を盗んだことが明らかになって1カ月半が経つ。しかし、犯人の名前はいまだ公表されず、逮捕もされていない。 世間では不思議に思う人が多いようだが、元バンカーの目から見ると、当然である。それはなぜか、そして犯人は今どこにいて、三菱UFJ銀行内部ではどんなことが進行しているのかを解説する。 【参考記事】「貸金庫から十数億円窃盗」でクローズアップされる銀行員のモラル低下、表沙汰にならない
米国・グアムの大学で実施された「解剖実習」に参加した日本人女医「K」が、あろうことか、解剖台上のご献体と共に自身の「ピースサイン」を記念撮影、SNSに投稿したというのです。 この事件を耳にして最初に思ったのは、「斎藤元彦兵庫県知事とソックリ」ということです。 実際調べてみると、いろいろ符合する事実が出てきました。 斎藤知事もこの女医も、典型的なロスジェネど真ん中。実はこのあたりの学年は私が大学で教えた最初の世代で、ほかの様々なケースも想起されるのです。 一方のK女医は 1979年の早生まれで45歳。独協医科大学に学んで2003年25歳で卒業、「アンチ・エイジングのカリスマ」を自称し、トライアスロンなどアスリートとしての活躍もメディアで披歴、ファンや顧客を集めているようです。 他方、斎藤知事は1977年生まれでK女医とは1学年違い、1浪ののち東京大学進学、一留ののち経済学部を卒業、2002年
三菱UFJ銀行の支店勤務の女性行員が、支店の貸金庫から顧客の金品十数億円を盗み取っていた事実が発覚した。金融機関の信用を根底から揺るがすような事件であるが、詳細はまだ不明のままだ。いま同行内部では何が起こっているのか。かつて都市銀行に勤務した経験を持つ作家の黒木亮氏による解説記事の後編をお届けする。(JBpress編集部) (*前編はこちら) (黒木 亮:作家) 被害顧客の申告をどこまで信用するか 本件は、銀行の信用を揺るがす未曽有の事件だが、構図自体は、一女性管理職の顧客資産の窃取という単純なものだ。複数の人間が関与しているとか、海外に高飛びしたとか、あるいは銀行のコンピュータ・システムに重大な欠陥があったとかいう話ではない。 したがって原因究明や事態解決のために大人数を投入する必要はなく、人目につかない場所で、人事部や法務部門の担当者を中心に、可能な限り少人数で事情聴取が実施され、行内
1990年代初頭にバブルが崩壊し、日本経済は長い冬の時代に突入した。いわゆる「失われた30年」である。デフレが続き、賃金の上昇はぴたりと止まった。 なぜ日本経済は停滞しているのか。その答えは、経済学者ジョセフ・シュンペーターの理論の中にあると語るのは、『入門シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才』(PHP研究所)を上梓した中野剛志氏(評論家)である。中野氏に、日本経済の成長を阻む要因とシュンペーターの理論との関係について、話を聞いた。(聞き手:関瑶子、ライター&ビデオクリエイター) シュンペーターの教えに逆らって経済停滞 ──今回のテーマであるジョセフ・シュンペーターは20世紀前半から半ばにかけて活躍した経済学者です。なぜ今、シュンペーターに着目する必要があるのでしょうか。 中野剛志氏(以下、中野):昨今の世界情勢の複雑化に伴い、政府による産業政策やイノベーション政策が重要視されるよ
(渡辺 喜美:元金融担当相、元みんなの党代表) シェークスピア演劇を見ているようだった2024年 その男は突然、リア王と道化について、堰を切ったように喋り始め、止まらなくなった。まるで、シェークスピア演劇の王権とスケープゴート・メカニズムや道化の象徴学が、今の政治社会の本質であるかのように言いたげであった。 その男とは、私が久方ぶりで出演した「ビートたけしのTVタックル」(12月8日放送)の収録中の、たけしさんのことである。 兵庫県知事選挙で再選した斎藤元彦氏について尋ねられた私は、「斎藤さんが追放された王様だとすると、たけしさんの前で言うのも何ですが、立花孝志さんがイタズラ者の道化役。その一体化した組み合わせで斎藤さんは復活しましたね」とコメントした。 私の話し途中で割って入ったのが、たけしさんだった。日本よりも海外で知られた映画監督として数多くの作品を作ったクリエーターの心をくすぐって
2024年12月15日、ソウルの公邸で演説をする尹錫悦大統領(写真: (c)Kim Jae-Hwan/SOPA Images via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ ) 朝鮮半島の政治を見ていると、北朝鮮の方が政治的に安定しているのではないかと思えてくる。北朝鮮の指導者は基本的にずっと変わらないので、外交政策は一貫しており、その行動原理を読み解くのはそう難しくない。 一方の韓国は、外交政策も国内政治もコロコロ変わる。なかなか安定しないのである。文在寅前大統領が南北宥和に動いたと思ったら、たった5年で政権が進歩派から保守派に変わり、外交政策が180度変わった。尹錫悦大統領は北朝鮮との交渉に懐疑的で、日米韓の連携を強める政策をとった。 正直、北朝鮮の指導者には同情したくもなる。こんなに政治情勢がコロコロ変わる国を相手にするのは大変だ。左から右に一気に振れる国とは、外交交渉な
日本のアニメ映画『すずめの戸締まり』に“尹錫悦大統領弾劾”の火の粉が降りかかった。韓国の公営放送のKBS2でクリスマス特別映画として放送予定だった『すずめの戸締まり』が、ネットユーザーたちから「売国奴の放送」という激しい非難を受け、電撃的に放送取り消しとなったのだ。 韓国では近い将来、進歩政権が発足する可能性が高まっている。そうれば、韓国社会には再び「ノージャパン」の狂風が吹き荒れるだろう。『すずめの戸締り』の放送中止は、そんな未来を示唆するようなエピソードと言えよう。 韓国でも大ヒットした『すずめの戸締り』のテレビ放送に突如として猛批判 『すずめの戸締まり』は韓国では2023年3月に公開され、557万人の観客を動員し、歴代日本アニメ映画の中で最多観客動員の記録を打ち立てた。『君の名は。』『天気の子』などで韓国でも多くのファンを持つ新海誠監督の最新作だが、公開当時はちょうど韓国の劇場街では
かつて2大安全通貨としてならしたスイスフランと日本円だが、今では残酷なまでに差がついている。スイスフランは最強通貨の座を維持しているのに、なぜ日本円は他の通貨よりも安い先進国最弱の通貨になってしまったのか。(唐鎌 大輔:みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト) SNB、マイナス金利復活も視野 2024年も終わりを迎えようとしているが、先進国通貨を見渡してみれば最弱通貨は3年連続で円、そして最強通貨はスイスフランということに落ち着きそうである。特定通貨の騰勢を考えるにあたって、市場では相対的に高めの金利水準が理由として持ち出されることが多い(ドル/円相場と日米金利差のように)。 しかし、スイスフランの政策金利は決して高いものではない。 12月12日、スイス国立銀行(SNB)は▲50bpの利下げに踏み切っている。これで今年3月に始まったSNBの利下げ局面は累計▲125bpに達し、現行の政策金
トランプ次期政権が米国経済に与えるリスクが顕在化しつつある。中でも長期金利の上昇により不動産向けローンの債務不履行(デフォルト)が相次ぐとの見方が広がりつつある。リーマン・ショック時と同様にリスクの高い不動産ローン債権を束ねた金融商品に飛び火し、金融危機の引き金となる可能性もある。 (藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー) 「一人勝ち」と言われる米国経済にとって最大の脅威は政治リスクだ。このことが改めて認識させられる出来事が起きた。 米連邦議会は12月21日未明、期限切れ寸前で政府の予算執行を来年3月まで延長する「つなぎ予算案」を可決した。つなぎ予算が成立しなければ、政府機関の一部が閉鎖に追い込まれるところだった。 綱渡りの成立になってしまったのは、トランプ次期大統領が直前になって連邦債務の上限を停止する措置を盛り込むよう求めたからだ。 米国では連邦債務の上限が1917年以来
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