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2023-06-06

WWDC 2023 で iOS 17, iPadOS 17, macOS Sonoma, watchOS 10, 新 MacBook, Apple Vision Pro が発表された

2023-06-06 (火) 02:00、Apple は WWDC のキーノートを放送して、各種新 OS (iOS 17, iPadOS 17, macOS Sonoma, watchOS 10, tvOS 10) と新デバイス (M2 チップ Ultra, MacBook Air, Mac Studio, Mac Pro, Apple Vision Pro) を発表した。

Apple Vision Pro は長年噂され続けていた Apple の AR/VR ヘッドセット。年内にアメリカで発売され、来年中に各国での発売が予定されている。価格は 34,999 ドル。約 50 万円?!

iOS 17

iOS 17 では主な新機能として連絡先ポスター、ステッカー、スタンバイが追加され、新アプリ「ジャーナル」のリリースが予告された。

連絡先ポスター

電話アプリや連絡先アプリなどで、自分の見た目をポスターのように表示する機能が追加される。連絡先ポスターはロック画面と同じようにカスタマイズが可能で、写真もしくはミー文字とタイポグラフィーの組み合わせで表示される。

CallKit からの利用も可能なため、VoIP アプリからも連絡先ポスターの利用が可能になる。

ステッカー

ステッカーを貼る機能が追加される。ステッカーはメッセージ・アプリなどで利用が可能で、ステッカーのように貼り付けることができる。貼り付けられるものはミー文字や絵文字など。ステッカーパックをダウンロードして利用することも可能になるらしい。また、写真から背景を取り除いて、ステッカーにすることも可能。Live Photos からライブステッカーを作成することもできる。

絵文字が使えるあらゆる場所で使えるとされている。

スタンバイ

Apple Watch のナイトスタンド・モードの iPhone 版。充電中に iPhone を横置きにすると、専用のスタンバイ画面を表示する。この画面は 3 ページで構成されていて、左右スワイプで移動可能。その構成は、ウィジェットのページ、写真のページ、そして時計のページ。

ウィジェットはスマートスタックに対応していて、時間などに応じて適切なウィジェットが自動的に表示される。また、ユーザーがウィジェットを手動で切り替えることも可能。時計には複数の文字盤が用意されている。

この他に、スタンバイ画面ではライブアクティビティーの表示や、Siri を使っての操作も可能とされている。

またナイトモードでは、赤の色調で表示され、眠りに誘う工夫が凝らされている。

ジャーナル・アプリ

Apple が提供する日記アプリ。2023 年後半リリース予定。

連絡先・写真・音楽・ポッドキャスト・位置情報・ワークアウト etc. の情報から、日記を書くための「候補」を出す機能がある。これらの候補を出すために開発者には、Suggestions API が提供される。

その他

各アプリの新機能を列挙する:

  • 電話アプリ
    • Live Voicemail: 留守電に残されているメッセージをリアルタイムに書き起こす。テキストを読んで途中で電話に出ることも可能
  • FaceTime アプリ: FaceTime をかけて相手が出なかった場合、メッセージを録画して残せる
  • メッセージ・アプリ
    • キャッチアップ: 未読メッセージの先頭まで辿るボタンが表示されるようになる
    • Swipe to Reply: 吹き出しをスワイプすると、インライン返信できる
    • Audio message transcription: オーディオメッセージが書き起こされる
    • 安否確認 (Check In): 無事に帰宅したことを友人に知らせることができる。帰宅したら自動通知。帰宅しなかったら、自動で各種情報 (現在地・経路・バッテリー情報など) が共有される。
    • 検索フィルターが追加される
  • NameDrop: AirDrop で iPhone を近づけると連絡先情報を渡せる
  • Siri
    • Hey Siri が Siri だけで起動可能になる
    • 連続してリクエストを伝えられるようになる
  • マップアプリ: オフライン用に地図をダウンロードできるようになる
  • 写真: 「お気に入りの人」にペットを追加できるようになる

iPadOS 17

iPadOS 17 での変化で目を引くのはウィジェットとステージマネージャーの進化。それから、iOS でしか提供されていなかったロック画面の変更機能とヘルスケア・アプリがやって来る。

ウィジェット

インタラクティブ・ウィジェットが導入される。今までのウィジェットは、情報を表示するか、アプリを開くか、もしくは大きなボタンを表示してアクションするくらいしかできなかった。なので、ウィジェットの中でチェックボックスを置いてチェックを入れたり、再生ボタンを押して音楽再生を開始したりという操作性を提供できなかった。iPadOS 17 からは、そういったユーザーがインタラクティブに操作するウィジェットの作成が可能になる。

ステージマネージャー

ステージマネージャーは今までよりも細かくウィンドウの位置とサイズを変更できるようになる。

ロック画面

iOS で導入されていたロック画面の設定機能が iPadOS にもやって来る。iPad 版のロック画面では、ウィジェットを表示する領域が左側に寄せられて iOS より広くなる。

また、iPad の大画面に合わせてアストロノミー壁紙が刷新されている。

ヘルスケア・アプリ

iOS のみに提供されていたヘルスケア・アプリが iPadOS にもやって来る。iPad の大画面向けに最適化されている。

misc

その他、キーノートで発表のあったもの。一部の機能は iOS でも利用可能。

  • PDF のテキスト・フィールドを認識して、直接入力が可能になる
  • FaceTime に外部ディスプレイに内蔵されたカメラを利用可能になる
  • フリーボード・アプリに水彩・万年筆といった描画ツールが加わる
  • フリーボード・アプリで共通同作業メンバーのフォロー機能が追加される

macOS Sonoma

macOS Sonoma (macOS 14) で目を引くのはウィジェット機能。続いてビデオ会議系の強化が上げられる。

ウィジェット

iOS や iPadOS でしか提供されていなかったウィジェット機能が、macOS でも使えるようになる。嬉しいことに、macOS 用のウィジェットが用意されていなくても、iPhone アプリ版のウィジェットも (macOS で) 利用可能になる。利用には同じネットワーク内に iPhone があれば良いらしい。

macOS のウィジェットは iOS と同じようにインタラクティブ・ウィジェット。更にアプリを開くとウィジェットは半透明になって、デスクトップにあるウィジェットに気を紛らわせないよう配慮されている。

ビデオ会議

Facebook を始めとしたビデオ会議機能に機能追加が行なわれる。1 つ目は画面共有のプレゼンター・オーバーレイ機能。画面共有をしているプレゼンターの姿を、他の視聴者に見せるための機能。この機能には、プレゼンターの姿を小さなバブルの中に入れて表示するスモールオーバーレイと、プレゼンターの姿を大きく表示して共有画面をプレゼンターの後ろ横に配置するラージオーバーレイの 2 種類が提供される。

2 つ目はリアクション・エフェクトの追加で、ビデオ会議内に花火を上げたりする機能が追加される。このエフェクトはジェスチャーで起動可能とのこと。例えば、花火を上げるエフェクトは、親指 2 本を立てることで起動できる。

リアクション・エフェクトは FaceTime の他に Zoom や Microsoft Teams, Webex などのサードパーティーアプリでも利用可能になる。

ゲーム機能

ゲーム機能の強化として、ゲームモードが導入される。ゲームモードでは、ゲームに対して、最も高い優先度を CPU や GPU に割り当てる。また、バックグラウンド・タスクの稼働率を下げる。こうすることで、より滑らかなフレームレートを提供できるとしている。

また、Blueteeth にサンプリング周波数を 2 倍にすることで、Xbox と PlayStation コントローラーの入力遅延を低減させるという。

Safari の強化

Safari にプロファイル機能が導入される。仕事とプライベートで、Cookie 情報・ブラウズ履歴・機能拡張・タブグループ・お気に入りなどを切り替えられるようになる。

ウェブサイトをアプリ化する機能が追加される。アプリ化されたページは Dock に保存され、Stage Manager 内でもアプリとして動作するという。

その他、Safari はパスキーに対応したり、プライベート・ブラウジング・ウィンドウに対してロック機能を提供したりする。

watchOS 10

watchOS 10 では大幅なデザイン変更が行なわれた。

スマートスタック

文字盤でデジタルクラウンを回したり、下から上へスワイプすると、スタックされたウィジェットにアクセスできるようになる。見た目は Siri 文字盤に似ているけれど、どの文字盤からでもアクセスできるのが特徴。長押しでウィジェットの追加・編集も可能になる。

コントロールセンターへのアクセスは、下から上へのスワイプではなく、サイドボタンを押す。

新しい文字盤

新しく追加された文字盤は 2 つ。1 つ目はスヌーピーの文字盤。スヌーピーとウッドストックが表示される。文字盤には天気情報が反映される。

2 つ目はパレット。時間の変化に合わせてディスプレイの色が変わる。

サイクリング機能

サイクリングのワークアウト機能が強化される。Bluetooth 対応の自動車センサーに接続可能になり、自転車のケイデンス・パワーなどの情報を取得できるようになる。また、これらのデータを使って FTP (機能的作業閾値パワー; Function Threthold Power; 理論上、1時間継続できるサイクリング強度の最高レベル) の計算を行なってくれる。加えて、パワーゾーン (FTP から算出されるパワー領域のことで、6 つのゾーンに分けられる) の表示を可能にする。

サイクリングの情報は、iPhone でもライブ・アクティビティで自動的に表示されるようになる。

ヘルス系の強化

マインドフルネスと近視に関する機能強化が行なわれた。

マインドフルネスでは、自分の気持ちを記録できるようになる。これらの記録は iPhone のヘルスケア・アプリからも確認可能。また、クリニックでも使われる標準検査を提供。鬱や不安症を発症するリスクを確認できるようになる。

近視周りの強化では、Apple Watch の環境光センサーを使って日光の下で過ごした時間を測定できるようになる。近視のリスクを下げるのに、屋外の日光の下で 80〜120 分以上過ごすことが有効だかららしい。また、iPhone や iPad では、TrueDepth カメラを使って画面との距離を測定し、長時間、目とデバイスの位置が近い場合は警告を出すようにしてくれる。

tvOS 10 その他

tvOS 10 では、コントロールセンターが刷新される。また、Siri Remote を探すアプリから探せるようになる。加えてスクリーンセーバーの写真を、写真のメモリーから選択できるようになる。

最後に、FaceTime アプリが tvOS にも提供される。Apple TV にはカメラとマイクがない。そこで、iPhone の連携カメラ機能を使う。センターフレームにも対応するとのこと。この機能は API としても提供されるらしく、2023 年末には Zoom や Webex が FateTime と同じように tvOS 上で使えるようになるとされている。

その他のデバイスの話。

CarPlay では SharePlay が導入される。Apple Music の音楽再生を、後部座席の人たちが SharePlay 経由で行なうことが出来るようになるとのこと。

AirPods は適応型オーディオなる機能を提供する。これは、外部音取り込みとアクティブ・ノイズキャンセリングを動的に組み合わせた機能で、外部音取り込みが基本だけどノイズになる音はノイズキャンセルしてくれるというもの。電話中なら、周りの音や音楽をノイズとして小さくしてくれるし、会話中は音楽の音量を小さくしてくれる。

新しい Mac

15 インチの MacBook Air と M2 Max/M2 Ultra にアップデートされた Mac Studio、そして M2 Ultra をサポートする Mac Pro が発表された。

どの新機種も予約開始は 2023-06-06 から、発売は来週から。

15 インチ MacBook Air

15 インチ MacBook Air の価格は 198,800 円から。スペックは次の通り:

  • MacBook Air 15 インチ/2023
    • ディスプレイ: 15.3 インチ、Liquid Retina
    • チップ: Apple M2
    • 薄さ: 11.5 mm
    • 重さ: 1.5 kg
    • カメラ: 1080p FaceTime
    • マイク: 3 マイクアレイ
    • スピーカー: 6 スピーカー
    • Thunderbolt ポート x2
    • ヘッドフォンジャック
    • 充電 MagSafe
    • バッテリー 18 時間
MacStudio

新しい Mac Studio は、チップが Apple M2 Max にアップデートされる。また、後述の Apple M2 Ultra も選択可能になる。価格は 298,800 円から。

Mac Pro

Mac Pro は Apple M2 Ultra チップを標準搭載し、PCIe gen 4 拡張スロットを 8 つ (背面に 6 つ、上部に 2 つ)、Thunderbolt 4 ポートを 6 つ、HDMI ポートを 2 つ持つ。価格は 1,048,800 円から。

Apple M2 Ultra

Apple M2 Ultra チップが発表された。M1 Ultra と同じように、M2 max チップを 2 つ繋げる構成。搭載可能な最大メモリーが 192 GB に増えている。

  • 24 core CPU
  • 76 core GPU
  • 32 core Neural Engine
  • 192 GB ユニファイドメモリ

Apple Vision Pro

Apple の AR/MR ヘッドセット Apple Vision Pro が発表された。価格は 3,499 ドル (約 50 万円)。発売はアメリカ国内で 2023 年年内を予定。2024 年年末までに各国での発売開始を目標とする。ただし、日本が最初の株外発売国に含まれるかどうかは未発表。

主なスペックは次の通り:

  • チップ: M2 チップ + R1 チップ
  • ディスプレイ: マイクロ OLED (両目で 2,300 万ピクセル、片目だけで 4K 相当)
  • カメラ: 12 個
  • センサー: 5 つ
  • マイク: 6 つ
  • スピーカー: 空間オーディオをサポート
  • バッテリー: 外付けで 2 時間
  • 認証: Optic ID
  • その他: デジタルクラウン

R1 チップは Vision Pro のために Apple が新しく作成した Apple シリコンチップ。リアルタイム処理を担当するチップで、12 のカメラ、5 つのセンサー、6 つのマイクからの入力を高速処理する。

Optic ID は目の虹彩を使った認証システム。Face ID と同様に、ロックの解除・Apple Pay の利用などに用いられる。

ユーザーからの入力は、目と手の動きでほぼ完結するらしい。さらにテキスト入力に関しては、バーチャル・キーボードと音声入力がデフォルトで用意される他、Bluetooth デバイスを接続してトラックパッドやキーボードも利用可能。もちろん、ゲーム用のコントローラーもサポートされる。

用意されるアプリは、visionOS 専用のアプリの他に、iPhone, iPad 用のアプリがある。また、Mac を見つめると、Mac の画面を Vision Pro の中に取り出すことが可能になる。加えて、Unity アプリがネイティブで利用可能になるとのこと。

Vision Pro 特有の機能

Eye Sight 機能は、あなたの目を Vision Pro のディスプレイ上に表示する。そうすることで、周りの時間はあなたの目を見ながら会話することが可能になる。もし、あなたが Vision Pro を完全没入モードで使っていて、外の様子が見えていない場合は、目を表示せず、周りの人に周りが見えていないことを教えてくれる。

空間再現写真とビデオは、Vision Pro の 3D カメラを使って撮る写真・ビデオ。撮影したシーンがそのままに再現されるように見える... らしい。

あとがき

今年の WWDC キーノートは盛り沢山だった。Vision Pro は数年振りの「One more thing...」として発表された。未来感のあるデバイスなので使ってみたい。でも、値段が値段なので、来年買えるかどうか分からない。

2022-06-07

WWDC 2022 で iOS 16, iPadOS 16, macOS Ventura, watchOS 9, 新 MacBook が発表された

2022-06-07 (火) 02:00、Apple は WWDC のキーノートを放送して、各種新 OS (iOS 16, iPadOS 16, macOS Ventura, watchOS 9) と新デバイス (M2 チップ, MacBook Air, MacBook Pro) を発表した。

iOS 16

まずは iOS 16 の新機能。

ロック画面

ロック画面が刷新される。新しいロック画面は自分でカスタマイズできるようになる。長押しで編集画面が起動し、時刻のフォントや色を変更できるようになる。用意されているロック画面の中には、選択した写真が 1 日中シャッフルされる「写真シャッフル」、1 枚だけ写真を選択してフィルターをかけたりできる「写真」、天気アプリと同じように現在の気象状況をアニメーションで表示する「天気」、Apple Watch のアストロノミー文字盤と同じように地球や月を表示する「アストロノミー」などがある。

加えてロック画面にウィジェットを配置できるようになる。ウィジェットは Apple watch のコンプリケーションのように配置領域が決まっている。その中なら、ドラッグで移動可能。開発者は WidgetKit でロック画面に表示するウィジェットを開発できる。

これらのロック画面は複数作成可能。作成したロック画面は長押ししてスワイプするとで切り替えられる。

ライブアクティビティという新しい機能も追加される。現在の状況を表示・コントロールする専用ウィジェットのようなもの。ライブアクティビティを使って、ミュージック・アプリの再生コントロールをロック画面に表示する、なんてことが可能になる。大量のプッシュ通知を表示する代わりに、ライブアクティビティで表示する (例えばバスケのスコアをプッシュ通知で飛ばしていた場合とか) なんて利用例も挙げられていた。

集中モード

前述のロック画面と融合する。1 つのロック画面につき 1 つの集中モードを紐付けられるようになる。ロック画面を選択すると自動的に集中モードも動き出す。

集中モードフィルターなる機能も提供される。集中モードをアプリにも適用するというもの。Safari で「仕事」の集中モード中に仕事関連のタブだけ表示するという利用方法が挙げられていた。

メッセージ・アプリ

送信したメッセージの編集・削除が送信直後に限って可能になる。また、スレッドを未読に戻すことが可能になる。

音声入力

音声入力を始めてもキーボードが閉じないようになる。音声入力での誤入力をキーボードからすぐに修正できるようになる。

句読点の入力も自動で行なうようになる。もう「。」を入力するのに「マル」とか言わなくても良い。絵文字の入力も対応する。

テキスト認識表示 (Live Text)

ビデオ動画でもテキスト認識表示が可能になる。ビデオを一時停止した状態で、テキスト認識表示を呼び出せる。

テキスト認識表示用の Live Text API が提供されるので、アプリの中から直接 Live Text が使えるようになる。

ウォレット・アプリ

メッセージアプリでキー情報を送ると、キーをウォレットに追加できるようになる。

おそらくアメリカ限定 (で日本に来るのは先) で iPhone の Tap to pay を使って非接触型決済を行なえるようになる。つまり、Square みたいな端末の代わりを iPhone 本体がやってくれる。それから、Apple Pay で後払い (6 週間の 4 回払い) に変更することができるようになる。最後に、Apple Pay で注文の追跡が可能になる。

マップ・アプリ

複数地点を経由する経路案内が可能になる。登録できる経由地は最大 15 か所。

マップ・アプリとウォレット・アプリが連携。マップ・アプリで経路確認中に交通系カードの料金が足りなかったら、ウォレット・アプリの中から入金することが可能になる。

最後に MapKit が大幅にアップデート。俯瞰表示とか Look Around とか、ダークモードに対応した地図をアプリ内マップから使えるようになる。

ファミリー共有

新デバイス設定時に iPhone を近付けると、家族用アカウント作成の画面が現れ、初めから適切なペアレンタルコントロールを設定できるようになる。

子供から利用時間の延長やアプリのインストール要請のメッセージを受け取った時、メッセージ・アプリ内で対応が可能になる。

写真アプリ

iCloud 共有写真ライブラリーが提供される。今までは iCloud の共有「アルバム」があった。それのライブラリー版。共有された写真の権限は全員が等しく持ち、全員に同期される。編集・削除・キャプションの記入・キーワードの追加などが同期される。共有写真ライブラリーに入れる写真は、自分のライブラリーの全てを選ぶこともできるし、手動で設定することも可能。手動で入れる場合、カメラ・アプリで撮影後に移動させることもできる。

セーフティー・チェック

DV などから逃げている人などを想定した機能。探すアプリの位置情報共有を停止したり、全デバイスの iCloud でサインアウントを実行できたりする。

ホーム・アプリ

iOS 16 でリデザインされる。部屋タブがなくなる。ホームタブが充実し、ホームタブから各部屋にアクセスできるようになる。新しいカテゴリー (気功・照明・セキュリテティーなど) が用意される。これらはアプリ上部に表示される。

アクセサリーのアイコンと色が大きく追加される。

CarPlay

2023 年後半に登場する予定の新 CarPlay についてチラ見せあった。新しい CarPlay は車とより密接に連携する。車載のディスプレイに CarPlay の出力を行なうことができるようになる。逆に車から計器の情報などを受け取って、速度・回転数・気温などを表示・操作できるようになる。iPhone から車のラジオやエアコンの操作ができるようになる。

Personalized 空間オーディオ

iPhone の TrueDepth カメラを使って耳を撮影。その情報を使って、パーソナライズされた空間オーディオのプロファイルを作成する。

クイックノート

iPad からしか作れなかったクイックノート。iOS 16 からは iPhone でもクイックノートの作成が可能になる。

iPadOS 16

天気アプリ

iPad にも天気アプリが提供される。

共同制作機能

共有シートから共同制作用のリンクを送れるようになる。このリンクを作って共同制限するようになると、その状況をメンバー間で確認できるようになる。共同制作しているメンバーと簡単に FaceTime を開始することも可能になる。

対応アプリは、メモ・Safari・Pages・Numbers・Keynote・ファイル・リマインダーアプリなど。開発用 API も用意されるので、サードパーティー・アプリでも共同制限機能は使えるようになるはず。

Freeform アプリ

Apple 製のホワイトボード・アプリが提供される。

デスクトップクラス・アプリ

iPad の動きがよりデスクトップ OS に近くなる。

システム全体を通しての取り消しややり直し、カスタマイズ可能なツールバーの提供など、インラインで動作する検索と置換など。ファイル・アプリではメニューからファイルの複製・名称変更・書き出し・プリントなどがサポートされ、拡張子の変更やフォルダーサイズの表示が可能になる。

ステージマネージャー

macOS および iPad で提供される新しいマルチタスクの仕組み (M1 を搭載した iPad Air, M1 を搭載した iPad Pro で利用可能)。

利用するアプリをグループ化して管理できるようになる。利用中のグループのアプリは、画面のセンターに重ねて表示される。利用外のグループはセンターから見て左側に並べられる。

利用中アプリの重ね方には自由度があって、全く重ねないようにすることもできれば、アプリのウィンドウ・サイズを小さくして重ねることもできる。アプリのサイズは従来より自由度が高いものの、iPad では (Mac のように) 完全に自由というわけではない。

外部ディスプレイもサポートされる。外部ディスプレイと iPad を合わせて、同時に最大 8 つのアプリを扱うことができる。

watchOS 9

文字盤

4 つの新しい文字盤が追加される。

アストロノミー文字盤。大きなディスプレイを活かすように刷新された。世界中の現在の雲量を表示する。

ルナー文字盤。大陰暦 (中国歴、イスラム歴、ユダヤ歴) に対応する。

プレイタイム文字盤。アーティスト Joi Fulton 氏のデザインによる。デジタル数字がアニメーションする; タップすると数字が跳ね回る、手首を下ろすと数字が眠る。

メトロポリタン文字盤。Digital Crown を回すと、文字盤の数字がダイナミックに伸びる。

ポッドキャスト・アプリ

「検索」と「今すぐ聴く」が追加された。今までは iPhone のポッドキャスト・アプリで登録したポッドキャストしか聞くことができなかったけど、これからは Apple Watch 単体でポッドキャストを見つけることが可能になる。

ワークアウト

ランニング・ワークアウトに 3 つの指標 (上下動・歩幅の長さ・接地時間) が追加される。新しく増えた指標にアクセスできるよう、UI も変更。Digital Crown を回すと測定値の新しい表示を見ることができるようになる。

カスタム・ワークアウトの作成が可能になる。ここで言うカスタム・ワークアウトは距離と時間のインターバルを設定したワークアウトの作成のこと。閾値を設定して、閾値を下回ったり上回ったりしたらアラートを投げる、といったカスタマイズも可能とのこと。

マルチスポーツワークアウト機能が追加される。複数のワークアウトを自動的に切り替えるワークアウト。センサーを使って、次のワークアウトに移るタイミングを感知する。

フィットネス・アプリ

今までフィットネス・アプリは Apple Watch を持っている iPhone にしかインストールされなかった。iOS 16 からは、Apple Watch を持っていなくてもフィットネス・アプリが使えるようになる。

睡眠アプリ

睡眠ステージを分析・記録できるようになる。睡眠ステージは覚醒・レム・コア・深いの 4 つ。

Apple Heart and Movement Study の参加者は [[リサーチ・アプリ (Apple)]] で睡眠ステージのデータを提供できる。

心電図アプリ

心房細動履歴 (AFib History) により、心房細動が起きていた時間を記録する。ヘルスケア・アプリでこれらの記録を確認できる他、PDF で出力も可能。医師に情報共有するのが楽になる。

この機能は間もなく FDA の承認を取得予定とのこと。

服薬アプリ

服薬の記録を取るアプリが新しく追加される。服薬時間に通知を受け取れる他、服薬のスケジュールをコンプリケーションから確認できる。

服用する薬に相互作用がある場合、薬を登録する時に通知を取ばしてくれる。これは薬同士の相互作用の他に、アルコールとの相互作用についても調べてくれる。情報ソースは大手医療出版社のエルゼビア社。

M2チップ

M1チップの後継チップ、M2チップが登場する。

M2チップのスペックは次の通り:

  • メモリー・コントローラー: 100GB/s の帯域幅
  • ユニファイド・メモリー: 最大 24 GB
  • CPU: 8 コア CPU (4 高性能コア + 4 高効率コア)
  • GPU: 10 コア GPU (M1チップより 2 コア多い)
  • 次世代のニューラルエンジンとメディアエンジン

新 MacBook

M2チップを搭載する MacBook Air と MacBook Pro が発表された。

MacBook Air

デザインが刷新された。色は 4 色展開 (シルバー、スペースグレイ、スターライト、ミッドナイト)

  • 厚さ: 11.3mm
  • 重さ: 1.24kg
  • MagSafe: あり!
  • Thunderbolt ポート: 2 つ
  • ディスプレイ: Liquid Retina 13.6 インチ・ディスプレイ
  • カメラ: 1080p FaceTime HD カメラ
  • オーディオ・ジャック: ハイインピーダンスのヘッドフォンに対応
  • マイク: 3 マイクアレイ
  • スピーカー: 4 スピーカーサウンドシステム (空間オーディオに対応)
  • キーボード: Magic Keyboard + TouchID
  • タッチパッド: 感圧タッチパッド
MacBook Pro 13 インチ

デザインはそのまま。M2チップ (8コアCPU+10コアGPU) 搭載により、メモリーの最大搭載量は 24 GB。ストレージは最大 2 TB。

macOS Ventura

ステージマネージャー

iPadOS 16 の説明を参照。

メール・アプリ

メール送信の取り消し、送信時間のスケジュールが可能になる。

フォローアップ提供機能が加わる。返信を受け取っていない場合、追跡するよう自動的にリマインドする。

Safari

共有タブグループ機能が追加される。グループタブを他のメンバーと共有できる。編集権は全員に与えられる。

パスキー

パスワードを置き換える新しい仕組み「パスキー」が発表された。

パスキーは TouchID/FaceID を使って作成される。そしてパスキーを作成すると、そのサイトでしか使えない固有の電子鍵が作られる。

Hand Off

FaceTime で Hand Off が利用可能になる。iPhone で受けた FaceTime を Mac や iPad に引き継げるようになる。

連携カメラ

iPhone のカメラをウェブカメラとして利用できるようになる。

Mac が自動的に iPhone を検知。iPhone のカメラを使うことでセンターフレームやスタジオ照明機能がどの Mac でも実現可能になる。

連携カメラを使うとデスクビューという機能が使えるようになる。iPhone の超広角カメラを使って、正面と同時に手元の机を撮影する機能。

連携カメラは FaceTime だけでなく、Zoom や Microsoft Teams でも利用可能になるとのこと。

専用スタンドを Belkin と開発中で、2022 年末リリース予定。

あとがき

iOS 16, iPadOS 16 では大きな変更は見えないように思う。とても安定的なアップデートになりそう。

2021-06-08

WWDC 2021 で iOS/iPadOS/watchOS/macOS の最新 OS が発表された

2021-06-08 (火) 02:00、Apple は WWDC のキーノート・イベントを開催して、iOS/iPadOS/watchOS/macOS の最新 OS を発生した。例年通り、各 OS のベータ版は今日からダウンロード可能になっている。ベータ版は 7 月リリースの予定。

去年に引き続き、WWDC はビデオ配信形式で開催される。

今回発表された各 OS の新機能を簡単にまとめてみる。

iOS 15

FaceTime

FaceTime が大幅に機能強化される。新機能は次の通り:

  • 空間オーディオのサポート (ビデオの表示されている位置に合わせて音声が聞こえるようになる)
  • Voice Isolation (マイク側のノイズ・キャンセリング? 声だけにフォーカスを当ててくれる)
  • グリッドビューのサポート
  • ポートレート・モード (背景ぼかし)
  • FaceTime リンク (FaceTime の通話リンクを提供し、リンクをタップすることで通話に参加できる)
  • SharePlay (FaceTime 中に音楽・動画・画面を共有することができる)

FaceTime リンクについて補足。FaceTime リンクはメールやメッセージ、その他チャットアプリなどで共有することを想定している。カレンダー・アプリとも連携可能。Android や Windows のユーザーは、リンクをタップするとウェブ・ブラウザーから FaceTime 通話に参可できる。

SharePlay は FaceTime 中に iOS 内の体験を「Share (共有)」できる機能。FaceTime 通話中に Apple Music で音楽を再生すると、その音楽が通話先の相手全員の端末で再生される。音楽は全員の端末で同期されていて、誰でも再生・一時停止・スキップ・キューへの追加が可能。動画も同様に通話先の全端末で再生が行なわれる。動画の場合、Apple TV にコンテンツを転送することもできる。音楽・動画の SharePlay は API が用意されており、サードパーティー製のアプリも使えるとのこと。キーノートでは Disney+, Hulu, Paramount+ など既に対応を開始していると招介があった。

Messages

メッセージのタイムラインでは、複数の写真を (アルバムっぽく?) まとめて表示できるようになる。

新機能「Share with you」は、メッセージで送られてきた情報で後からキャッチアップする機能。例えば Apple Music の楽曲リンクをメッセージで送られてきたケース。すぐに音楽を聞けないことも多い。で、音楽を聞ける余裕が出来て、Apple Music を開くと「Share with you」欄が用意されていて、そこにメッセージで送られた楽曲が表示される。アプリからメッセージに戻るリンクも用意される。キーノートでは News, Apple Music, 写真アプリで「Share with you」機能の利用例が招介された。また、Safari, Apple TV, Podcast でも「Share with you」機能が提供されると説明があった。また、これらのコンテンツに対して「ピン」をセットすると、「Share with you」や検索の中で見つけやすくなるという。

通知

通知サマリーは、緊急性の低い通知を要約して (ユーザーが設定した) 好みの時間にお知らせしてくれる機能。サマリーの中の通知は、通知順ではなく重要度順に並べられる。これらの重要度は機械学習によって決定される。なお、メッセージなど「人からの通知」は通知サマリーには入らないので、見逃すことはないという。

集中モード (Focus mode)

「Do not disturb (直訳: 邪魔しないで; 日本語サービス名は「おやすみ」モード) が進化する。集中モードという名前で、「Do not disturb」の他に「パーソナル」や「仕事」といった目的に応じたカスタム「Do not disturb」モードを作成できるようになる。これらの集中モードでは、通知を許可するアプリや人を設定することができる。「仕事」モードでは同僚のメッセージのみ受け取り、「パーソナル」モードでは仕事系アプリの通知を受け取らない、という使い方ができる。

集中モードでは、この他に専用のホーム画面を用意したり、許可アプリ以外のアプリから誰かがコミュニケーションを取ろうとすると「集中モード」であると相手に通知する機能も提供される。

集中モードは時間や場所を設定してオンにすることが可能。集中モードの ON/OFF は全てのデバイスで共通になっている。

Live Text

Live Text は、写真内のテキストを認識・コピペできるようになる機能。カメラからでも利用可能。Google Lens の Apple 版かな?

Live Text がサポートする言語は次の 7 つ。日本語は含まれていない。

  • 英語
  • 中国語 (繁体字・簡体字)
  • フランス語
  • イタリア語
  • ドイツ語
  • スペイン語
  • ポルトガル語

またテキスト以外の物にも対応していて、認識さえすれば情報を調べることが可能。キーノートでは犬や花、アートなどを調べることができると言っていた。

写真アプリのメモリー

写真アプリのメモリー機能が強化される。Apple Music と連携して、そのメモリーに合った曲が自動的に選ばれる。曲に関しては写真アプリが複数の候補を用意していて、その曲に合うように写真の雰囲気を変えてくれる (白黒とか)。自分で曲を選択することもできる。

ウォレット

Walt Disney World のパークチケットに対応した。

ウォレットを使って、家や車のキーを解錠できるようになる。これらの機能は UWB (ウルトラワイドバンド通信) を使って実現され、UWB 対応の車は BMW などから 2021 年後半に販売開始とのこと。

ウォレットに社員証を追加することでオフィスの鍵を開けられるようになる。ハイアット・ホテルはホテルの鍵としてウォレットを利用可能にする。米国では身分証明書もウォレットの中に入れられるようになる。

天気

デザインを一新。千を越える「天気」の背景を表示する。また天気状況に応じて表示するコンテンツの配置を自動で変更する。

更に天気図機能も導入。フルスクリーンで高解像度の天気図を表示する。

マップ

Apple は 2 年前から地図の刷新を進めている。今までアメリカ・イギリス・アイルランド・カナダに新地図を提供していたが、今日からスペインとポルトガルに、年末にはイタリアとオーストラリアに提供を開始する。

Apple のマップは空港のような場所で細部にいたる地図を提供していたが、それを商業地域や港へと拡大するらしい。

3D 表示は標高データを含めて 3 次元の表現を行ない、ランドマークには 3D モデリングしたオブジェクトを用意する。

経路検索も強力になる。車のルート検索ではナビで右折・左折車線や中央分離帯、バス専用レーンなどの情報も提供する。高速道路のインターチェンジは、3 次元マップになって平面的で分かりにくい表示から解放される。

電車を使った経路検索では、最寄りの駅を探す機能が追加される。近くに複数の路線がある場合、お気に入りの路線にピンを付けられる。電車に乗って移動を開始すれば、降車駅近くで通知を出してくれる。駅から出た後は、周りの様子をカメラを通して見せることで、どちらの方向に進めば良いか AR で矢印を表示してくれる (Google のライブビューのようなもの?)。

ただし、これらの機能が提供されるのは次の 7 都市; ロンドン、ロサンジェルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サン・ディエゴ、サンフランシスコ ベイエリア、ワシントン DC.。それ以外の都市は来年以降のお楽しみ。

iPadOS 15

Widgets, App Library

iOS 14 から遅れること一年。iPadOS でもウィジェットをホーム画面に置けるようになる。iPadOS では iOS よりも更に大きなウィジェット・サイズが提供される。

そして iOS 14 と同じく、iPadOS でも App Library が使えるようになる。iPadOS の App Library は一番右のページから更に右スワイプすることでもアクセスできるけど、iPadOS だけの特微として Dock からもアクセスできるようになっている。

あとは、ホーム画面の特定のページを隠す機能も提供される。嬉しいことに、ページの並び変え機能も追加された。

Multitasking

Split View や Slide Over は iPadOS の目玉となるマルチタスク機能だけれども、起動方法に少しクセがあった。ドラッグする位置がシビアだったり、目当てのアプリを上手く見つけられなかったり。iPadOS 15 ではこれが改善される。起動しているアプリの上に小さなマルチタスク用のアイコンが表示され、これをタップするとマルチタスクするためのアプリを選択するために一度ホーム画面に戻る。ホーム画面や App ライブラリーからアプリを選択すると、そのアプリが Split View や Slide Over で起動する。

マルチタスク機能を十分にサポートしているアプリには「新規ウィンドウで開く」という機能がある。Split View で 2 つのアプリを開いている時に、「新規ウィンドウを開く」を選ぶと、2 つのアプリの境界上に 3 つ目のアプリ・ウィンドウが (重なる形で) 表示される。iPadOS 14 でも Split View の上に Slide Over を重ねることは出来たけど、iPadOS 15 のやり方は分かりやすい。それに Slide Over よりも大き目なウィンドウが開くのも良い。

iPadOS 14 では、1 つのアプリのウィンドウを複数開いた場合、アプリを開いた後にアプリ・アイコンをタップする必要があった。iPadOS 15 では、そのような場合、アプリを開いただけで今開いている複数のウィンドウを確認することが可能になる。

また、App Switcher にも改良が加わり、App Switcher 内でアプリを別のアプリの上にドラッグ・アンド・ドロップすると Split View で開く機能が追加された。

メモ

メモアプリも色々と強化されている。@ に続けて人名を入れることで、その人へのメンション (通知付きリンク) になる。アクティビティ画面には、メモを編集した人の履歴が表示される。そして、メモアプリの本文内に #タグ を入れられるようになる。タグはどこにでも書くことができて、タグ・ブラウザーからタグを振ったメモを探せる。

もう一つ。大きな機能が加わった。「クイックメモ」。iPad のどこにいても、サッとメモを取るための仕組み。開始方法は簡単。Apple Pencil で右下の画面すみから画面中央に向かってスワイプするだけ。それでクイックメモの入力欄が現れる。Safari や写真アプリの上でクイックメモを開くと、その画面を開くための「リンクアイコン」がクイックメモに現れる。そのアイコンをタップすると、リンクがクイックメモにペーストされる。また、そのリンクを提供したページを開くと、右下にクイックメモのアイコンが表示されて、タップするとそのリンクを含むクイックメモが開く。クイックメモの編集は iPadOS と macOS で行なえる (iOS はクイックには編集できない)。

翻訳

iPadOS に翻訳アプリが登場する。

翻訳アプリも強化されていて、選択したテキストのコンテキスト・メニューに「翻訳」が現れる。これをタップするとポップアップ画面で翻訳結果が表示される。

Swift Playgrounds

Swift Playgrounds アプリ上で、アプリを作成できるようになる。作ったアプリは App Store へ申請も可能。

watchOS 8

呼吸

呼吸アプリに新しいアニメーションが追加される。また、瞑想? 的な時間を意識的に取るための「リフレクト」機能が加わる。

睡眠

睡眠中の取得データに、呼吸数が追加される。睡眠中の安定した呼吸数を適当なタイミングで 1 分間計測するというもの。

ワークアウトとフィットネス

2 つのワークアウトが追加される。1 つは太極拳。もう 1 つはピラティスワークアウト。

Fitness+ には新しいコーチ? とワークアウトが追加される。また Fitness+ は Apple Music と連携しているのだけど、更に Artist Spotlight Series と呼ばれるアーティスとタイアップしたワークアウト・シリーズが提供される。

ポートレート文字盤

iPhone 内のポートレート写真をウォッチフェイス (文字盤) として表示できるもの。写真ウォッチフェイスと違うのは、写真の被写体深度情報を使って、適切に写真とデジタル文字盤を重ねてくれるところ。

文字入力

音声入力・Scribble・絵文字の追加が 1 画面で出来るようになった。

HomeKit

HomeKit 対応のドアベルに映っているビデオカメラの様子を Apple Watch 上からも確認できる。

macOS Monterey

Universal Control

ユニバーサル・コントロールは、1 組のマウスとキーボードを複数の Mac と iPad 間で共有できる仕組み。Mac から (隣に置いた) iPad に向かってカーソルを動かすと、Mac の中のカーソルが iPad の中に入っていく。iPad の中に入ったカーソルは、そのまま iPad 上で使うことができる。その状態で Mac のキーボードを打つと、iPad 上でテキストが入力される。イベントでは、MacBook のカーソルを iPad と iMac の間で行き来させていた。

ユニバーサル・コントロールでは、デバイス間のドラッグ・アンド・ドロップもできる。

AirPlay to Mac

AirPlay を Mac 上にも表示させることができるようになる。

Shortcut

macOS にショートカットアプリが登場する。

Safari

Safari の UI が刷新される。メニューバーにほとんどの機能がまとめられる。サイドバーが新設され、複数のタブを管理する「タブグループ」機能が追加される。

「タブグループ」は macOS だけでなく、iOS/iPadOS の Safari でも使えるようになる。なお、iOS の Safari では今まで上にあったメニューバーがなくなり、下側にタブバーという形で現れる。

最後に Safari 拡張機能が iOS/iPadOS でも使えるようになる。

その他

AirPods

Conversation Boost (会話を強調) は簡易補聴器機能。目の前で話している人の会話にフォーカスを当てて、周りより大き目の音で Air Pods を着けている人に声を届けてくれる。更に周囲の騒音を小さくする機能もある。

Announce Notifications (通知の読み上げ) は、AirPods が自動的に通知を読み上げてくれる機能。今まで、メッセージの自動読み上げ機能はあったけど、通知の読み上げまではしてくれなかった。読み上げられる通知は「急を要する通知」。iOS 15 からは通知を「急を要する」か「サマリーで表示する」のどちらかに分けるようになる。

加えて AirPods が「探す」アプリに対応する。AirPods Pro や AirPods Max を「探す」アプリから探すことができるようになる。確か AirPods Max は UWB チップをのせていないはずなので、できるのは Bluetooth を使った位置のおおまかな特定と、スピーカーからサウンドを鳴らすことだけになりそう。AirPods Pro は U1 チップを使って、もっと正確な場所まで探せそう。それから、AirPods を置き忘れてしまった場合、iPhone に通知が届くようになる。

最後に AirPods シリーズが tvOS と連携するようになる。Apple TV の出力先として AirPods を選択すると、空間オーディオを使って映画を楽しめるようになる。

tvOS 15

For All of You (メンバー全員) 機能は、家族全員に対する「提案」を行なう。

homePodOS 15

HomePod mini の Siri から Apple TV の操作が出来るようになる。また、HomePod mini も Apple TV 4K のスピーカーとして利用が可能になる (現在、無印 HomePod のみ対応)。

HomePod に音声認識機能がやって来る。今年後半を予定。今はアメリカだけだったかな? 日本は対象国じゃなかった。HomePod mini を販売している全ての国でサポートするという。これで Siri に頼んだ人を認識して、その人のカレンダー情報などが返るようになるし、リマインダーの設定も頼んだ人の iPhone に設定が追加される。

iCloud+

プライバシーを強化する仕組みが 2 つ追加された。「Private Relay」と「Hide My Email」。

Private Relay はトラフィック (ネットへのアクセス情報) を全て暗号化し、サーバーへのアクセスを 2 つのインターネットリレーで別々に送る。こうすることで個人情報も自分がどこに訪れているかも、第三者が盗れなくなる。

Hide My Email はユニークでランダムな代替メールアドレスを生成する機能。その代替メアドに送られたメールは、自分のメアドに転送される。

Health

健康に関わる機能が 3 つ紹介された。

Walking Steadiness (歩行安定性) は、iPhone が測定している歩行データからユーザーの歩行安定性が損なわれていると判断した時に通知を送る。転倒リスクの軽減が期待される。

ヘルスケアアプリには健康診断の結果などを記入できるけど、その項目が何なのか分かっている人は少ない。そこで、各項目の分かりやすい(?) 説明が提供される。

Trends (トレンド) は健康状態の長期的な傾向を記録・確認するツール。Activity アプリのトレンドがヘルスケアアプリにも拡張されたのかな? 医師に相談する方が良さそうなヤバめの傾向が見られた時には、通知も届くという。

その他のヘルスケアアプリの新機能が 2 つ。

1 つ目。ヘルスケアのデータは信頼した医者に共有できるようになる。主治医は電子カルテシステムから共有データを確認できる。サポートしているのはアメリカの電子カルテ企業数社。日本は... どうなんだろ。

2 つ目。家族のヘルスケアの状態を共有できるようになる。共有項目は各自で自由に設定できる。

2020-06-23

WWDC 2020 で iOS 14 と iPadOS 14 が発表された

2020-06-23 (火) 02:00、Apple は WWDC 2020 で iOS / iPadOS のメジャー・アップデートにあたる iOS / iPadOS 14 の発表を行なった。今回の WWDC 2020 は新型コロナウィルスの影響もあって、オンラインのみでの開催。プレスも含めて聴衆なしで行なわれた。

iOS, iPadOS に共通の新機能を書いた後、iPadOS のみの新機能を書く。

ホームスクリーンの新機能

ホームスクリーンにアプリ・ライブラリー、ウィジェットの 2 つの新機能が加わり、更に iPadOS だけで利用可能だった Picture in Picture 機能が iOS でも提供されるようになる。

App Library (アプリ・ライブラリー) (iOS)

全てのアプリを一覧できる画面が新たに加わる。この機能を App Library (アプリ・ライブラリー) と呼ぶ。

アプリは OS によって自動的にカテゴリー分けされ、1 つの画面に納まる。アプリの数が多い場合は下にスクロールする形で全アプリを表示する。この画面の中でアプリの検索も可能。

Widgets (ウィジェット) (iOS, iPadOS)

ホームスクリーンにウィジェットを配置できるようになる。

iOS, iPadOS には今までも Today Extension という形でウィジェット機能があった。iOS なら一番左のタブを更に左にスワイプするとウィジェットの一覧を見ることができたし、iPadOS なら一番左のタブの左側にウィジェットを常時表示することもできた。けれど、これらのウィジェットをホームスクリーンのどこにでも配置することはできなかった。

iOS 14 からはこの制約が外れ、ホームスクリーンのどこにでもウィジェットを配置することができるようになる (iPadOS 14 ではウィジェットの自由配置は出来ない)。ウィジェットの大きさは、アイコンの大きさの整数倍。正方形のウィジェットや横長のウィジェットなどが用意されている。

ウィジェットは 1 か所に複数個設置することもできて、これを切り替えて表示することも可能。Apple Watch の Siri Face のように関連性の高いウィジェットを自動で選んで表示するスマートスタック・ウィジェットも用意されている。

Picture in Picture (iOS)

iOS にも Picture in Picture がやってくる。

Apple TV で動画を再生中にアプリを閉じると、小さなウィンドウが残ってその中で動画が再生され続ける。新しく他のアプリを起動しても、ウィンドウは残って動画を再生し続けてくれる。動画再生のウィンドウは、移動させることも大きくしたり・小さくしたすることもできる。ウィンドウを隠せば、音声だけの再生も可能。

iPadOS では Amazon Prime Video アプリも Picture in Picture に対応していたので、同様に対応してくるんじゃないかと思う。一方、YouTube アプリは iPadOS でも Picture in Picture に対応していないので、iOS でも Picture in Picture に対応するかは疑問。

Siri (iOS, iPadOS)

Siri がコンパクトになった。

今まで Siri を起動すると、スクリーン一杯に Siri の画面が現れていた。これは、例えばメールに書かれていた予定を Siri を使ってカレンダーに登録しようとした時に文面が隠れてしまって、使い勝手が悪かった。

iOS 14, iPadOS 14 からは Siri はスクリーン一杯に広がらず、小さく入力 UI が表示されるだけになる。

そして、Siri の結果もプッシュ通知のように小さく表示される。

翻訳アプリ (iOS)

Apple 純製の翻訳アプリが提供される。

会話でも使い易いようにデザインされていて、言語も自動で判定してくれる。

嬉しいことに日本語も対象に入っている。具体的な対応言語は次の 11 言語: アラビア語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、日本語、英語、韓国語。

メッセージ (iOS, iPadOS)

メッセージ相手をピンで留められるようになる。iOS ではメモ・アプリなどでピン留め機能があったけど、メッセージでもピン留めが利用できるようになる。

Memoji には年齢設定のオプションが追加された。

グループメッセージの機能強化として、人の名前を打つとその人へプッシュ通知が飛ぶ機能が加わる。また、最近会話した人のアイコンが大きく表示される。

マップ (iOS, iPadOS)

Apple は去年から新マップへの切り替えを行なっている。今年はイギリス、アイルランド、カナダに新マップが提供されるとのこと。

経路検索には、自転車の経路検索機能が追加される。ただしアメリカの主要都市のみ。また、EV ルーティング機能も (アメリカだけで?) 提供される。

CarPlay (iOS)

iPhone を車のキー代わりに使えるようにする Car Key 機能が提供される。Car Key 機能に対応している車として BMW が招介されていた。この BWM は来年発売?

App Store (iOS, iPadOS)

アプリのインストールを手助けする仕組み App Clips が追加される。

今までアプリのインストールは App Store を一度経由しないと行なえなかった。App Clips は App Store を経由せずにアプリをインストールできる仕組み。ポップアップが現れて、それをタップするだけでアプリのインストールが開始される。

App Clips のトリガーはウェブやマップ、メッセージ、NFC や QR コードから提供される。

写真アプリ etc. (iPadOS)

写真アプリ、カレンダー・アプリ、ファイル・アプリ、ミュージック・アプリにサイドバーがつく。

写真アプリならアルバム間の移動などが便利になる。サイドバーが付くことで、iPhone アプリを拡張しただけだったような旧 UI と比べて、より iPad という画面の広いデバイスに最適化される。

検索 (iPadOS)

ホームスクリーンを下に軽くスワイプすると検索が現れる。iPadOS 13 までは検索画面がスクリーン一杯に広がっていたけれど、iPadOS 14 からはポップアップ的な UI へと進化する。

Scribble (iPadOS)

Apple Pencil の iPadOS 対応が進化する。

メモ帳やメッセージの入力欄など、テキストを入力できる場所で Apple Pencil で文字を手書きすると、それが ORC をかけたように電子テキストへと変換される。デモでは英語と中国語に対応していると言っていたが、日本語は?

あとがき

iOS 14, iPadOS 14 は機能的にコレと言った新機能は少ない。iOS の Widget 対応と iPadOS の Scribble が特に目を引くくらいか。

全体的に今まで提供していた機能で使い勝手の悪かった所を良くしよう、他のアプリで提供しててこの機能があるのを期待してしまうよねという機能を補完して行こう、という落ち着いた改良が多いように感じた。

特に Siri を使うと、その前に使っていたアプリが見えなくなる iOS 13 以前の動きは悩まされていたので、とても助かりそう。

そういう意味では、地の足の着いた新バージョンになるのではないかと期待している。

2019-06-04

WWDC 2019 で iOS 13 と iPadOS が発表された

2019-06-04 (火) 02:00、Apple は WWDC 2019 で iOS のメジャー・アップデートにあたる iOS 13 と iPad 用 OS となる iPadOS の発表を行なった。

パフォーマンス

iOS 13 は FaceID のアンロックが iOS 12 に比べて高速化され、アプリの起動は 2 倍になる。

アプリのダウンロード・サイズも小さくなる。新規アプリのインストールでは 50% 、アプリ・アップデートでは 60% もサイズが小さくなる。

ダークモード

ダークモードがサポートされる。WWDC ではニュース、メモ、写真、ミュージック・アプリでのダークモード表示を見せてくれた。特に OLED ディスプレイでの省電力に寄与することが期待される。

メモ (Notes)

メモ・アプリの UI は大きくアップデートされ、フォルダーやギャラリー・ビューに対応する。

リマインダー

リマインダー・アプリの UI は作り直される。

マップ

マップのデータが刷新される。US のデータは 2019 年末までに、全世界のデータは 2020 年に大幅に更新される。

マップはストリート・ビューに対応する。ストリート・ビューでは、道路をスムースに移動することができる。ストリート・ビューが日本でも展開されるかどうかは、よく分からない。

位置情報はより細かくコントロールできるようになる。1 回だけ位置情報を提供したり、位置情報のバックグラウンド・トラッキングがあればアラートを出す機能が提供される。

Sign in With Apple

Apple もソーシャル・ログイン機能を提供する。サービスによってメール・アドレスを求められることがある。Apple はアプリごとにランダム文字列のメール・アドレスを発行する。ユーザーは自分のメアドとランダム文字列のメアドを選択して使うことができる。

HomeKit Secure Video

セキュリティ・カメラはデータをクラウドにアップロードしている。HomeKit Secure Video に対応したカメラは、データを全て暗号化してクラウドにアップロードする。これらのデータは、もちろん Apple が見ることはできない。

写真アプリ

ポートレート・モードの編集機能が強化される。今までより細かい変更が可能になる。

また、ビデオの編集も強化され、ビデオの回転・エフェクトの追加が可能になる。

写真アプリのサムネイル・ビューは大きくアップデートされる。ピンチ・イン、ピンチ・アウトで拡大・縮小ができるようになる。タイル状の表示では、メインな写真が大きなタイルで表示される。ビデオや Live フォトはオートプレイに対応する。

AirPods, HomePod, CarPlay, Siri

AirPods はメッセージ・アプリに届いたメッセージを自動で読み上げ、タップなどの操作なしに返事を送ることができるようになる。

HomePod のアップデートは 3 つ。1 つ目。iPhone とのハンドオフ機能に対応する。iPhone を HomePod の近くに持っていくと、iPhone でかかっている曲が HomePod でかかる。2 つ目。HomePod は 10 万以上のネットラジオ局に対応する。3 つ目。HomePod はパーソナライズ・レスポンドに対応する。HomePod に呼びかけた人間を特定して、対応するカレンダーやミュージックにアクセスしてくれる。

CarPlay は刷新されて、ダッシュボードに必要な情報が表示されるようになる。

Siri はより自然な読み上げ (Neural TTS) ができるようになる。日本語でも、より自然な発話になるのかな?

ファイル

ファイル・アプリはプレビューに対応し、フォルダー共有機能をサポートするようになる。

また、iPad Pro では USB Drive や SD Card にもアクセスできるようになる。

iPadOS

iPad 用の iOS に iPadOS という名前が与えられることになった。ベースが iOS なことは変わらない (?)。

ホーム画面に配置するアプリの数は今までより多くなり、ホーム画面をスワイプすると左からウィジェット (今までの Today Extension の画面?) にアクセスできるようになる。

iPadOS -- Slide Over

スライド・オーバーはアプリ・スイッチャーをサポートする。スライド・オーバーで表示されているアプリに対して、iPhone 形式のアプリ・スイッチャーを呼び出すことができるようになり、アプリを簡単に切り替えることができるようになる。

iPadOS -- Split View

標準アプリは 1 つのアプリをスプリット・ビューで表示できるようになる。つまり、スプリット・ビューの左をメモ・アプリにして、右もメモ・アプリにすることが可能になる。サードパーティー・アプリも対応するのかな?

iPadOS -- Safari

デスクトップ・クラスのブラウジングができるようになる。iPad に最適化された表示ではなく、デスクトップ PC で表示される見た目と操作が可能になる (本当かな?)。Google Spreadsheet をどれくらいちゃんと操作できるようになるのか期待。

これは iPad 向け Safari に限らないかもしれないけれど、Safari はダウンロード・マネージャーを搭載する。

iPadOS -- マルチタッチ

3 本指ジェスチャーが追加される。3 本指ピンチ・インでコピー、3 本指ピンチ・アウトでペースト、3 本指スワイプで Undo。

Apple Pencil

レイテンシーが 20ms から 9ms へ減って、より反応が良くなる。また、PencilKit API が提供されるようになり、サードパーティー・アプリの Apple Pencil サポートが強化される。

2018-06-05

WWDC 2018 で iOS 12 が発表された

2018-06-05 (火) 02:00、Apple は WWDC 2018 で iOS 12 を発表した。キーノート終了後にデベロッパー・ベータ版の配布が開始された。

パフォーマンスの向上

iOS 12 ではパフォーマンスの向上に力を注いだ。

iPhone 6 ベースで、アプリの起動が 40%、キーボードの表示が 50%、カメラの起動が 70% 高速になる。

USDZ フォーマット

AR 用のファイル・フォーマットとして USDZ ファイル・フォーマットを採用する。

キーノートでは、ウェブ上に置かれた「ギター」の AR ファイルを開くデモを行なった。AR データのギターを自分の部屋に置くとどんな感じになるかを見せていた。実際の大きさを目に見える形で表現していて面白かった。これが普及すれば、家具のカタログとかすごいことになりそう。

ARKit 2.0

ARKit 1.5 から機能強化が行なわれた。

  • 改善された顔検出
  • リアリスティックなレンダリング
  • 3D オブジェクトの検出
  • AR 画面の共有

「AR 画面の共有」では複数のユーザーが別々の端末から同じ AR 画面を見たり操作する機能。キーノートでは、2 人で 1 つの「AR ゲーム」を遊ぶデモが行なわれた。火事になった AR 上のビルに対して、片方のプレイヤーがヘリを飛ばして救助に当たる。もう一人のプレイヤーの画面には、最初のプレイヤーが飛ばしているヘリの姿がちゃんと表示されていた。

Siri

ショートカット

「自分用のフレーズ」を録音して、特定の機能を Siri から呼び出すことが可能になる。サードパーティー・アプリでもショートカットは作成可能。

ショートカット・アプリ

ショートカットをより細かく設定するためのアプリ「ショートカット」が新しく出来る。複数のアプリの操作を 1 つのショートカットにまとめることができる。デモを見た感じ、Workflow アプリを Siri に最適化させたような感じ。

通知 (プッシュ通知)

グループ通知が可能になった。アプリごと、もしくはトピックごと、もしくはグループごとに、複数の通知を 1 つにまとめて表示する。まとまった通知は、1 つ 1 つ確認することも可能だし、全部をまとめて削除することも可能。

スクリーン・タイム

アプリの利用状況をレポート (報告) する機能。どのアプリをよく利用しているか、通知をどれくらい受け取っているか、などの情報をまとめてくれる。また、アプリの利用時間上限を自分で設定する機能も提供される。

ペアレンタル・コントロール機能の一環として、子供の利用時間制限・利用時間上限設定・(教育用アプリなどの) 許可アプリの設定・コンテントやプライバシーのコントロールも行なえるようになる。

Measure アプリ

AR を使って物の長さを測る新アプリ。サードパーティー・アプリでは AirMeasure などが同種のアプリとして有名。

AR を使って、2 点間の距離を測ることができる。平面の物体に対しては、自動的に検出してワンタップで縦横・面積を求めてくれる。

また、iOS 11 のコンパス・アプリに入っていた水準器機能は、この Measure アプリに移動する。

写真アプリ

検索機能が強化され、検索候補 (サジェスチョン) が表示されるようになる。検索候補は検索ページに行くと自動的に現れる。対象は場所、イベント、カテゴリーなど。

また、新しく「For You」タブが提供される。「For You」タブでは、過去の写真をピックアップする Featured photos や、エフェクトのサジェスチョン、共有した写真のアクティビティ、写真の共有サジェスチョンなどが行なわれる。

友達から写真を共有されると、「共有のお返しをする」というサジェスチョンが現れる。

メッセージ・アプリ

Animoji

Animoji の新機能「舌検出」。Animoji に「舌」の動きも反映させることができるようになる。

新しく 4 つの Animoji が追加される。

  • ゴースト (幽霊)
  • コアラ
  • T-Rex (ティラノサウルス)
Memoji

自分専用の Animoji を作成することが可能になる。モンタージュのように、目の色や髪の形などの組み合わせを変更して変化をつけることができる。

FaceTime アプリ

グループ・ビデオ通話が可能になる。最大 32 人まで。

通話画面では、ビデオ通話参加者がタイルとして配置される。そして、話している人のタイルが大きくなる。また、タイルをダブル・タップすることで固定表示に変更することが可能。グループチャットには Animoji で参加することも可能。

iPad 対応

ニュース、株価、ボイス・メモの 3 つのアプリが iPad に対応する。ただし、ニュース・アプリはまだ日本では配信されていない。

Apple Books アプリ

iBooks アプリが Apple Books アプリに名称変更され、リニューアルされる。

購入ページが一新され、コレクション管理にアクセスしやすくなる。

あとがき

今回は Apple 純製アプリのアップデートが多かったように感じた; Measure、Apple Books、ニュース、株価、ボイス・メモなど。システム全体に関わる変更としては、ショートカット機能とプッシュ通知のグループ化機能が興味を引いた。ショートカット機能は Siri 機能のサードパーティー・アプリへの開放に近く、どういった連携が出てくるか楽しみ。プッシュ通知のグループ化は、通知エリアがプッシュ通知で一杯になってしまうのを防いでくれそう。

2017-07-05

技術書クラウド・ファンディング「iOS 11 Programming」プロジェクト成立

PEAKS で出資を募っていた技術書クラウド・ファンディング「iOS 11 Programming」が、目標の 500 人を達成しプロジェクトが成立した。プロジェクトの出資受付開始が 2017-06-26 (月)。プロジェクト成立の報告は 2017-07-04 (火)。8 日で 500 人分の出資が集まった。

2017-07-05 (水) 現在、548 人が出資済。出資は 2017-07-28 (金) 23:59 まで受け付ける。

書籍のリリース予定日は 2017-10-23 (月)。

なお、PEAKS のページには、著者の一人である加藤尋樹のインタビューが掲載されている。

あとがき

プロジェクト成立おめでとうございます。

ぼくも出資したので人ごとじゃない。本が読めるのが楽しみ。

あと出資者のアーリー・アクセス特典:

これはどんな形で提供されるのかな? 今からワクワク。

2017-06-28

iOS 11 Programming -- 技術書クラウド・ファンディング出資募集中

PEAKS が iOS 11 の新機能に内容を絞った技術書のクラウド・ファンディングを開始した。PEAKS が技術書クラウド・ファンディングを行なうのは、今回が 2 度目 (1 度目は出資数未達により不成立)。出資体系は 2 つ: 電子版 + 製本版が 5,500 円、電子版のみが 4,000 円。クレジット・カード支払い。500 人の出資でプロジェクト成立。2017-06-27 (水) 9:05 現在 285 人が出資済。〆切は2017-07-28 23:59。目標人数に達しなかった場合、プロジェクト不成立。決済は行なわれない。

以下、プロジェクト概要より抜粋:

2017年6月5日、WWDC 2017 において発表された「iOS 11」はiOS 7のようなUIの派手な変更こそないものの、ARKit, Core MLなどの新しいフレームワークや新機能・アップデートが多く、大きな話題を呼んでいます。 しかし近年のiOSは複雑さを増しており、その全容を把握するのは困難となっています。

そこで本書はiOS11の新機能・アップデート内容を把握し、応用できるような内容を目指します。

PEAKS(ピークス)|堤 修一 吉田 悠一 池田 翔 坂田 晃一 加藤 尋樹 川邉 雄介 岸川 克己 所 友太 永野 哲久 - 第一線の開発者陣による「iOS 11 Programming」執筆プロジェクト! より引用

期待の執筆者は次の 9 人 (/ の後に担当する章を記述):

  • 堤 修一 / ARKit; Metal 2
  • 吉田 悠一 / Core ML
  • 池田 翔 / Swift 4
  • 坂田 晃一 / Xcode 9
  • 加藤 尋樹 / Drag and Drop; Files and Document Based Application
  • 川邉 雄介 / UIKit Guideline, AutoLayout
  • 岸川 克己 / Core NFC; PDFKit; SiriKit
  • 所 友太 / HomeKit
  • 永野 哲久 / 概略; Audio and Media

iOS どころでは有名な人達ばかりなので、とても楽しみ。各著者の説明や過去の著作については提さんのブログ記事にまとまっている。

とても面白そうなので、ぼくは昨夜のうちに出資してみた。期待を込めて、電子版 + 製本版の方を! プロジェクトが成立すると良いな。

ref.

2017-06-10

32bit アプリとさようならする Apple

WWDC 2017 のセッション「Platforms State of the Union」で 32 bit アプリについて言及していたのでメモ。開始 3 分 30 秒頃。

  • iOS 11 では 64 bit アプリしか動かない
  • High Sierra は 32 bit アプリをサポートする最後の macOS になる
  • Mac App Store
    • 2018 年 1 月: 新しいアプリは 64 bit 必須
    • 2018 年 6 月: 全てのアプリ / 全てのアップデートは 64 bit 必須

macOS でも 64 bit 化の波はやってくる。

ちなみに iOS の App Store は現在既に 64 bit 対応していないアプリは申請できない。iOS 11 は 64 bit アプリしか動かないということは、32 bit な端末に iOS 11 が入らないことを意味する。具体的には次の端末は、実質 iOS 11 へのアップデートが出来ない:

  • iPod Touch: 第 5 世代以前
  • iPhone: iPhone 5, iPhone 5c 以前 (iPhone SE は iPhone 5 以降の端末なので大丈夫)
  • iPad: 第 4 世代以前 (iPad Air 1st が出る前のモデル)
  • iPad mini: 第 1 世代

ザクザク古いモノを切り捨てるのは、開発の注力分野を強制的に限定することで、開発サイクルを上げることにつながると思うので、個人的に好き。

2017-06-06

iOS 11 の新機能 〜 WWDC 2017 から

2017-06-06 (火) に開催された WWDC 2017 で iOS 11 の新機能が発表された。

簡単にまとめてみる。

iMessage

iMessage が iCloud に対応する。メッセージは全て自動的に同期され、どのデバイスからでもアクセスが可能になる。

Apple Pay

iMessage と Apple Pay を利用した個人間送金が可能になる。

Siri

Siri の音声がより滑らかになる。Machine Learning をバックグラウンドで使っているとのこと。また Siri はデバイスごとに学習して、候補などを出すようになる。

Siri を使って翻訳も可能になる。英語から中国語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語への翻訳が発表された。日本語は含まれていなかった。

H.265

H.265 をサポートする。これによって動画のサイズが半分ほどに減ることを期待できる。

Photos

メモリーがより賢くなる。メモリー再生中にデバイスを回転させても、画像を最適化してくれるとのこと。

Control Center

コントロール・センターはシングル・ページに戻る。単純にシングル・ページにしたのでは iOS 10 の全ての機能は表示できないので、よく使うものをメインに出し、詳細は 3D タッチでアクセスするようになる。

Live Photo

ライブ・フォトの編集が可能になる。キー・フォトの指定が可能になったり、ループやバウンス (逆再生) なども指定できるようになる。

Maps

空港のフロア・マップに対応する。

ナビ機能には車線案内が付く (らしいけど、日本ですぐに対応するかどうかは不明)。

HomeKit

ホームキット対応デバイスにスピーカーが加わる。

合わせて AirPlay 2 が発表された。複数のスピーカー操作が可能になる。マルチ・ルームで音楽を再生できるようになる。AirPlay 2 については API も公開予定。AirPlay 2 には複数のスピーカー・メーカーが対応を表明している。例えば Bang & Olufsen、naim、BOSE、Devialet、Dynaudio、beats、polk、DENON、McIntosh、marantz、B&W、Libratone、Definitive Technology、Bluesonud。

Apple Music

自分の聴いている曲を友達に知らせる機能が付く。

App Store

App Store はデザインが刷新する。パッと見、Apple Music のようだと思った。

Today, Games, Apps, Updates, Search の 5 つのタブが用意される。

iPad

iOS 11 は iPad 向けの新機能が熱い。

Dock (iPad only)

Mac のようなドック機能が付く。ドックの中にはアプリ・アイコンが一列に並び、アイコンを選ぶとアプリが起動する。よく使うアプリのアプリ・スイッチャーとしても使える。

ドックの右横は特別なスペース (Predictive Area) になっていて、これから使いそうなアプリが数個並んでいる。

ドックからドラッグしたアプリは、スライド・オーバーとして開くことも可能。

New App Switcher (iPad only)

アプリ・スイッチャーが刷新される。カバー・ビューみたいだったアプリ・スイッチャーは、平面にアプリがタイル状にならぶ形へと進化する。もし、スプリット・ビューで 2 つのアプリを開いている場合は、その状態をそのまま切り替えることが可能。

Drag & Drop (iPad only)

ドラッグ & ドロップがサポートされる。対象はテキストや画像 etc.

アプリ内だけでなく、スプリット・ビューを使って隣のアプリへ... アプリ・スイッチャーから別のアプリへと、自由度にあふれている。

QuickType Key (iPad only)

キーボードをフリップすることで、記号キーに「シフト・キー」なしでアクセスできる機能。iPhone には来ないのかな?

WWDC 2017 Overview

2017-06-06 (火)、日本時間 2 時から 4 時にかけて Apple の WWDC が開催された。今回の WWDC は 6 つのメイン・トピックを掘り下げていくスタイルで展開された。メイン・トピックは次の通り:

  1. tvOS
  2. watchOS 4
  3. macOS High Sierra
  4. iOS 11
  5. iPad Pro
  6. HomePod

WWDC では開発者向けのカンファレンスで、通常ソフトウェア寄りの発表がおこなわれる。ハードウェアの発表は例外に当たる。今年は「例外」な年だった。iMac や MacBook のアップデート。Mac Pro の後継機 iMac Pro。次世代 iPad Pro に当たる iPad Pro 2。そして Apple の新製品スマート・スピーカー HomePod が発表された。なお、ネットで騒がれていた次世代 iPhone (iPhone 7s もしくは iPhone 8) の発表はなかった。

以下、各トピックについて簡単にまとめてみる:

1. tvOS

Apple TV に Amazon Prime Video が対応する。アプリのリリースは今年後半。

Amazon Prime Video 用のアプリは今まで Amazon の機器 (Amazon FireTV) でしかリリースされていなかった。Google の Chromecast も Apple の Apple TV も対象外だった。どうしても見たければ、iPhone や iPad から AirPlay でスクリーン・シェアするかし方法がなかった。Amazon Prime Video の専用アプリが tvOS にリリースされることで、手軽に Amazon Prime Video を楽しめるようになる。

2. watchOS 4

新 Watch Face

watchOS 4 では新しい Watch Face (文字盤) が 3 種登場する。

1 つ目は Siri の Watch Face。Siri はユーザーの好みや知りたいであろう情報を予測するように進化する (Google Now のように)。Siri の Watch Face では、カレンダー情報やチケット、ニュース、写真、天気予報など最新情報が自動的に表示される。

2 つ目は万華鏡 (kaleidoscope)。アナログ盤の背景が万華鏡のようになっているもの。

3 つ目はトイ・ストーリーの Watch Face。ミッキー・マウスの Watch Face のトイ・ストーリー版。キャラは 3 人用意されているけれども、トイ・ストーリーを見たことがないので良く分からなかった。

ワークアウト

ワークアウトは、ジムのマシンと通信できるようになる。シムのマシンにワークアウトの情報を渡したり、ジムのマシンからワークアウトにデータを渡すことができる。対応するジム (のマシン?) は 7 社。「Connect to Apple Watch」と表示されているところに Apple Watch を近づけると、データのやり取りが出来るようになるらしい。

ワークアウトに「+」ボタンが追加され、異なるワークアウトへ (例えばウォーキングからサイクリングへ) 簡単に移ることができるようになる。

ワークアウトは Apple Music アプリとも連携する。ワークアウトを開始したら、自動再生するプレイリストを選べる。また、ワークアウト中にスワイプすると Apple Music の再生画面が現れる。

Apple Music

自動同期機能が追加される。自動更新されるプレイリストも、新しい曲が自動的に同期される。

アルバムはカバー・フロー表示をサポートする。

3. macOS High Sierra

macOS

新しい macOS の名前は High Sierra。パフォーマンスの向上が図られている。Safari はより高速に。FileSystem は HFS から APFS (Apple File System) に変更され、大容量データのコピーがあっという間に終わるデモが行なわれた。ビデオでは H.265 をサポートし、Metal2 が発表された。Metal2 は Machine Learning での利用も視野に入れられている。

iMac & MacBook

iMac と MacBook で第 7 世代 CPU (Kaby Lake) がサポートされ、最大メモリーが 21.5 インチ版 iMac で 32 GB、27 インチ版 iMac で 64 GB へと増えた。今日から発売。

iMac Pro

Mac Pro の後継機 iMac Pro が発表された。価格は $4,999 から。発売は 2017 年 12 月を予定している。主なスペックは次の通り:

  • 最大 18 コア Xeon プロセッサー
  • Radeon Pro Vega GPU
  • 最大 128 GB メモリー
  • 最大 4 TB SSD
  • 10 Gbps Ethernet
  • Thunderbolt 3 ポート x4

4. iOS 11

iOS 11 の変更点は多いので別記事にする。Apple Pay による個人間送金機能と iPad 対応が大きく目を引いた。

5. iPad Pro

iPad Pro 2 が発表された。ラインナップは 2 つ。12.9 インチと 10.5 インチ。ベゼルが小さくなったことで、9.4 インチ・サイズとほぼ同サイズで 10.5 インチ版 iPad Pro が登場する。ストレージ・サイズは 64 GB, 256 GB, 512 GB。今日から予約開始。

大きな変更点は次の通り:

  • 6 core の A10X CPU
  • ディスプレイのリフレッシュ・レートが 120 Hz になった
  • 用途に合わせてリフレッシュ・レートを自動調整 (24 Hz, 48 Hz etc.)
  • Apple Pencil のレイテンシーが 20 ms へ
  • バック・カメラは 12 MP (iPhone 7 と同じ)
  • USB 3 用アクセサリー対応 (USB 3 - ライトニング・ケーブル等)

スペックの比較は別記事で。

6. HomePod

Apple のスマート・スピーカー。価格は $349 で、2017 年 12 月にアメリカ、イギリス、オーストラリアで発売開始。日本は初期発売国に含まれていない。

主なスペックは次の通り:

  • A8 チップ搭載
  • 6 個のマイク
  • 7 個のツイーター
  • Siri (英語のみ) & Apple Music 対応

高さ 17.2 cm、直径 14.2 cm の円筒状。重さは 2.5 kg。

Siri 経由で天気・ニュース・スポーツの結果などを尋ねることができる。AirPlay 2 を最初からサポートしていて、マルチ・ルームでの音楽再生に対応している。また、Apple TV と同じように HomeKit の母艦としても働く。

HomePod は周りの環境をスキャンして、サウンドを最適化する。これの音質がどの程度かは WWDC では分からなかった。

2017-03-30

iOS 版 Google Calendar が iPad に最適化された

iOS 向け Google Calendar アプリ ver. 2.0.0 がリリースされた。アップデート履歴には iPad 向けにに最適化 と書かれている。

iPad 最適化前と最適化後でスクショを撮ってみた。iPad Pro 9.7 インチを縦置きで撮影。ビューは「一週間」、期間は先週 (今週は特に予定が入ってなかった)。

最適化前

Google Calendar for iOS; before 2.0.0

最適化後

Google Calendar for iOS ver. 2.0.0

比べてみて

最適化前は全く iPad 対応されておらず、iPhone 用のカレンダーを引き伸ばして表示しているだけ。無駄にフォントが大きい。一度に閲覧できる情報が少ない。

最適化後は iPad に合わせて画面が作られた。見た目スッキリ。PC のウェブ表示に似た感じ。一週間の予定を一度に確認できるようになった。最適化前は見えなかった 3/24 の予定も確認できるようになっている。

新しい UI に触れると、前の UI を忘れてしまって比較するのを忘れがちになってしまう。今回比べてみて、かなり実用的になったのが分かった。これは大変助かる!

Realm 本の Kindle 版が出ていたので買ってみた

iOS / macOS の開発でデファクト・スタンダードになっているデータベース・システムに CoreData がある。ベースに SQLite を使い、O/R マッパー層 etc. の機能を突っこんでいるので、もはや「データベース・システム」と呼んじゃあいけないのかもしれないけれど。

この CoreData の代替を狙うシステムとして、最近 Realm (レルム) が注目を集めている。

CoreData のベースになってる SQLite は「もともとモバイル向け」のデータベースじゃないよね。それを無理矢理使うようにするのは正解なのかしらん。SQLite ではない、全く別のデータベースを! モバイル向けのデータベースを! 新しく作る方が幸せなんじゃないか。

そんな思想で、Realm は作られている。

本書は Realm を解説した初めての本。作者の菅原祐さんは存じ上げないのだけど、監修の岸川克己さんは iOS 向け Realm を Realm 本社でバリバリ 開発している方なので、とても安心できる。

最近、CoreData 以外の選択肢に興味が出てきたので購入してみた。

楽しみながらコードを書いてみたい。

Kindle 5.9.1 がリリースされて iOS 10.3.0 の不具合が修正された

iOS 向け Kindle アプリ ver.5.9.1 が 2017-03-28 日付でリリースされた (3/29 の午前 1 時に確認した時は、まだ 5.9.1 は出てなかったけど...)。同日リリースされた iOS 10.3.0 で、Kindle アプリ ver.5.9.0 がリフロー型の書籍を読み込めない不具合を、ver.5.9.1 では修正している。

アップデート情報は次の通り:

Kindle ver.5.9.1

ComiXology のガイドビューが Kindle でご利用いただけるようになりました。画期的で全く新しい、映画のような臨場感のあるモードでコミックをお楽しみください。

Kindle に送信 — Kindle ライブラリにドキュメントやウェブページを保存できるようになりました。Safari で「共有」ボタンをタップし、共有先に Kindle を追加してください。ウェブページは Kindle 形式に変換されるため、ページのテキスト、フォント、色を調整でき、あらゆる Kindle アプリや端末で閲覧できます。

バグ修正とパフォーマンスの改善

iOS 10.3 で起きていた「Kindle リフロー書籍が読み込めない不具合」について直接の言及はなし。手許の iPad Pro 12.9 / iOS 10.3.0 / Kindle 5.9.1 で確認したところ、Kindle 5.9.0 で読み込めなかったリフロー型の技術書・小説・ビジネス書が読み込めることを確認した。ぼくが見た限り、Kindle ver.5.9.0 で発生していた不具合を再発する Kindle 本はなかった。

あとがき

今までちゃんと動いていたのに OS のバージョンを上げたら何故か動かない、というアプリ開発者からすると不思議な現象。Amazon の中の人達は、自分たちのバグより Apple 側の不具合を疑ったんじゃないかな。きっと原因を調べるのも一番大変だったと思う。iOS 10.3.0 正式リリース直後に修正版アプリを出してくれて、本当にありがたい。

ところで、Kindle ver.5.9.0 のアップデート情報を読むと面白そうなことが書いてある。ComiXology の「画期的」なモードってどんなだろ。きっと日本のコミックじゃなくてアメコメ (アメリカ版の Kindle コミック) が対象になってると思うんだけど、日本のコミックの対応はどうなるのかな? Kindle に送信は面白そうなので、あとで遊んでみる!

2017-03-29

iOS で Kindle 本 (特に小説・技術書) を読む人は 10.3 にアップデートしない方が良い

[追記: 2017-03-30] 不具合を修正した Kindle 5.9.1 がリリースされました

iOS 10.3.0 が 2017-03-28 (火) にリリースされた。

残念なことに iOS 版 Kindle アプリ (5.9; 2017-03-21) に不具合があるようで、ダウンロードした本が読めないケースが発生している。

本を開こうとすると、ローディング・インジケーターが回り続け、先に進めない。

この不具合が発生しているのは主にリフロー型の本。

  • 小説
  • 新書
  • ビジネス書
  • 技術書

等々、フォント・サイズを変更できる「文章」メインの本で不具合が起きている。

「マンガ」や「雑誌」に代表される固定レイアウトの本ではこの問題は発生していない。また、リフロー型でも英語の本は問題なく開くことができた。

とりあえず、上に挙げた種類の本を iPhone や iPad で読む人は iOS 10.3 へのアップデートを (Kindle アプリが更新されるまで) 控えるのが良いと思う。

あとがき

iOS 10.3 の beta テストを試していて、この不具合に出喰わした。ぼくは beta テストを iPad Pro 12.9 に入れていたので、最初「12.9 インチという大きなディスプレイ」に Kindle アプリが不具合を起こしているのかと思った。でも周りの様子を聞くと、どうやら違うらしい。iOS 10.3 beta がおかしいらしい、と分かってきた。流石に Amazon も iOS 10.3 正式リリースまでには対応すると思っていたら、Kindle が対応しない内に iOS 10.3 がリリースされてしまった。

幸い手元には iPad Pro 9.7 もあるので技術書を読むことは出来る。だけど、iPad Pro 12.9 の画面サイズに慣れちゃうと、9.7 インチは物足りないとも思ってしまう。

Amazon さんには一刻も早い修正をお願いしたいところ。

おそらく原因は iOS 10.3 でファイル・システムが HFS+ から APFS に変更されたため、ファイル名の Unicode 正規化形式が NFD から NFC に変わって、濁点を含むファイル名パスを解決できなくなったからじゃないかと思うのだけど... サテ。

2017-02-28

TOHO シネマズ・アプリで Apple Pay 支払いが上手くいかない時の対処方法

iOS の TOHO シネマズは、2017-02-28 現在 Apple Pay に対応している数少ないアプリの一つ。アプリから席の予約・チケットの購入までがシームレスに行なえて便利。

ところがぼくの iPhone 7 Plus でチケットを買おうとすると、Apple Pay の購入 (指絞認証をした直後) で「お支払いを完了できませんでした」というエラーが出る。そこから先に進めない。

TOHO Cinemas & Apple Pay

解決方法

解決方法は次の通り:

  1. Apple Pay の指絞認証画面を出す
  2. 「連絡先」を選択
  3. 「編集」を選択
  4. TOHO シネマズの会員に登録した電話番号を削除する
  5. 「電話番号を追加...」から TOHO シネマズの会員に登録した電話番号を追加する
  6. 追加した電話番号を選ぶ
  7. 完了して、指絞認証を行なう

4. と 5. の手順は無駄なようでいて、実はキモ。「TOHO シネマズの会員に登録した電話番号」を既に入れていても、もう一度追加しないとダメ。

なんでこんなことになってるのか分からない。TOHO シネマズ・アプリがおかしいのか、Apple Pay 側がおかしいのか。。。Apple Pay 対応のアプリって、TOHO シネマズ・アプリ以外使ったことがないのでなんとも言えない。

とりあえず、今はこんな方法でしのぐしかないのかな〜〜。もっと良い解決方法があったら教えてください。

2017-02-03

ロゴヴィスタが「痛風に効く」レシピ・アプリをリリース

「広辞苑」や「リーダーズ英和辞典」など、辞書系アプリをリリースすることで有名なロゴヴィスタがレシピ・アプリをリリースした。その名も「法研 通風に効くおいしいレシピ 200」。

アプリの説明の前半を抜粋する:

健診で「尿酸値高め」と指摘された人
「痛風」を治したい人に
料理研究家「20人」による厳選レシピ一挙200点!!

  • 痛風対策に役立つ選りすぐりの200レシピを集めました。
    数多い料理のなかからバラエティーに富んだ献立を立てることができます。
  • 掲載レシピは20人の料理研究家による、味も量も満足の料理ばかり。
    痛風が心配な人だけでなく、家族みんなの健康を考えた食事作りにお勧めです。
  • 献立が立てやすいように、レシピは「主菜」「副菜」などのジャンルや食材別に掲載。
    それぞれにエネルギー量、塩分量、食物繊維量を記載しています。
  • 全料理のイメージをひと目で見られる写真入りインデックスを収集。
    作りたい料理・食べたい料理をすばやく選んで、目的のページへジャンプすることができます。
  • 「痛風とは」「尿酸値とは」「痛風を治す食生活のポイント」などの
    知っておきたい知識を、図解入りでわかりやすく解説。
  • レシピ名、食材別インデックスからレシピを検索できます。

元本を出版している法研は「家庭医学大全科」とかを出している会社なのね。初めて知った。

健康診断で尿酸値が高かったとこぼしてる同僚が居るので、このアプリを知らせてみよう。

2017-01-26

Amazon プライムビデオの「次に観る」からアイテムを削除する方法 (iOS)

Amazon プライムビデオでは、ウォッチリストに登録したアイテムが「次に観る」欄に表示される。こちらの「次に観る」からアイテムを削除する方法。やり方は 2 つある:

  1. アイテムを開いて「ウォッチリスト」から削除する
  2. アイテムを長押しするとプルプル震え始めてバツ・ボタンが現れるのでバツ・ボタンを押す

Remove an item from 次を観る

以上。

後者の「バツ・ボタン」は気づきにくいんじゃないかな。複数のアイテムを削除する場合は、後者の方が楽。

あとがき

Amazon プライムビデオには作品によって配信が終わってしまうものがある。たとえば上のスクショだと「サカサマのパテナ」とか「言の葉の庭」とかを いつか観よう と思ってウィッシュリストに登録していたのだけど、気づいたら配信が終わってた。

観れないものが居続けても邪魔なので、消してしまった。時々、また配信されるものもあるので、そういうのは気付きやすいよう残しておくけど。

2017-01-24

iPhone のアラームを全削除する方法

iPhone のデフォルト・アプリ「時計」に設定した全てのアラームを削除する方法。実は簡単で、Siri に

「すべてのアラームを削除」

と頼む。

Remove all alarms from Siri

確認画面が現れるので、「確定」を選べばいい。これだけ。

あとがき

「時計」アプリの画面からアラームを全削除する手段はない。少くともぼくは見つけられなかった (もし他にも方法があるなら教えて頂けると嬉しいです)。

普段の目覚ましに「時計」アプリのアラームを使っているんだけど、休みとかイベントの時に一回っきりのアラームを追加してしまう。邪魔なので閑な時に消そうと思うんだけど、1 つ 1 つ消すのは面倒で困ってた。で、Siri に頼んだら一発だった。この他にも普通の UI で出来ないことが Siri で出来るかもしれないね!

2017-01-23

精選版 日本国語大辞典 for iOS を買ってみた

2017-01-17 (火)、iOS 向けの「精選版 日本国語大辞典」が発売された。通常価格 7,800 円。2017-01-31 までセール価格 4,800 円。サイズは 319 MB。リリースしたのは物書堂。

日本国語大辞典は国語辞典で唯一の「大辞典」。OED (Oxford English Dictionary) と同じく、語義を頻度順ではなく歴史的成立順に並べている。そのため、今では使われなくなった用法が先頭に現れることも珍しくない。

最新第二版は 2000 年から 2002 年の間に刊行された。全 13 巻、別巻 1 巻。 50 万項目、100 万用例。この第二版の項目・用例に更新をかけ (プチ改訂?)、項目数を 30 万・用例を 30 万にまで「精選」したのが「精選版」(全 3 巻) とのこと。

「物書堂」は辞書アプリをメインに開発している会社。iOS の最新機能をすぐに取り入れるフットワークの良さがある。iPhone 6s から導入された 3D Touch や、iPad Air で使えるようになった Split View なども辞書系アプリとしては一早くサポートしていた (確か、新 OS がリリースされて 3 か月以内には出していたはず)。

あとがき

日本国語大辞典の名前は良く聞くけれど、十数巻もある辞書を買うお金もなければ置く場所もないので高嶺の花と思っていた。精選版とはいえ、日本国語大辞典が 1 万円以下で手に入ると知り、勢いで買ってしまった。辞書マニアには程遠いけど、辞書持ってるのが好きなのよね。面白い。