https://anond.hatelabo.jp/20251013134531
「人口ピラミッドの山(団塊ジュニア・氷河期世代)が通り過ぎれば社会保障の問題は解決する」
という勘違いをしている人が多く見られる。
社会保障は基本的には同時代の現役世代が支払って引退世代が受け取るので、引退後に子孫世代が多ければお互い楽になり、少なければお互い苦しくなる。「現役一人あたり何人の老人を支えるか」というポンチ絵を見たことがある人も多いだろう。
一方、「人口の山」は直前や直後の世代より多い現象で、それ自体は社会保障の財政収支的な厳しさとはあまり関係ない(※ 学校や入試がそうだったように、施設の定員増が追いつかない、席の奪い合いが前後世代より厳しいなど、人口が多いこと自体で苦しむ要素が全く無いわけではない)。
現在、最初の人口の山である団塊の世代が後期高齢者に差し掛かったが、彼ら彼女らは自分たちと遜色ない数の団塊ジュニアという山を作ったので、昔より厳しいとは言え社会保障がすぐにでも崩壊するような状況には至っていない。
親世代と子世代との人口比を正確に測ることは難しいが、合計特殊出生率は子側から見た親との人口比を反映していると言える。前述の団塊ジュニアのピークである1973年は2.14で、人口の置換水準の2.07に近く、団塊の親と団塊ジュニアの子がほぼ同数であることが窺える。
参考:年次別にみた出生数・出生率(人口千対)・出生性比及び合計特殊出生率 https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411595
当の団塊ジュニアはというと、2004年生まれの父平均年齢が32.2歳、母平均年齢が30.2歳なので、これが概ね1973年生まれの子世代を代表する年と考えると、合計特殊出生率は1.29。子世代が親世代の65%程度(約3分の2)に減っている。
参考:出生順位別にみた年次別父・母の平均年齢 https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411609
本題の、より下の世代ではどうかというと、2013年生まれ(親は平均1980年生まれ)は合計特殊出生率1.43(子が72%)でやや改善しているが2.0には程遠く、2023年生まれ(親は平均1990年生まれ)は1.20(子が60%)に落ちる。団塊ジュニアより親子の人口比は悪化している。
まとめると