2025-04-03

忙しい人のための経済数学入門

経済学数学理論を極限まで抽象化し、たった1つの数理理論帰着させるとするならば、それは「最適化理論」に集約できる。

経済学のほぼすべての分野は、次のような「何らかの目的を最大化(または最小化)する」問題帰着される。

1. 消費者行動(ミクロ経済学

消費者は、予算制約のもとで効用(Utility)を最大化するように選択を行う。

max_x U(x) s.t. p ⋅ x ≤ I

(x = 消費財選択, p = 価格, I = 予算

2. 企業行動(ミクロ経済学

企業は、費用を最小化しつつ利益を最大化するように生産量を決定する。

max_q Π(q) = R(q) - C(q)

(q = 生産量, R(q) = 収益関数, C(q) = 費用関数

3. 一般均衡ワルラス均衡)

市場全体が最適な状態に達するには、需要供給が均衡する価格を決める必要がある。

∑D_i(p) = ∑S_j(p)

(D_i = 消費者需要, S_j = 企業供給

4. マクロ経済学(成長理論

経済全体の成長を最適にするため、社会的厚生を最大化する動学的最適化問題になる。

max_C_t ∑_{t=0}^{∞} β^t U(C_t)

(C_t = 消費, β = 割引因子)

5. 金融工学ポートフォリオ理論

投資家は、リスクを最小限に抑えつつ期待リターンを最大化するように資産を配分する。

max_w E[R] - λ Var(R)

(w = ポートフォリオ配分, E[R] = 期待リターン, λ = リスク回避度)

結論

経済学のほぼすべての理論は、何らかの「最適化問題」に帰着する。

したがって、すべての経済学数学理論を1つにまとめるなら、「最適化理論」に統一される。

もし「もっと抽象化できるのでは?」と思ったら、変分法や制約付き最適化カルマンフィルターハミルトニアンなど)にも一般化できる。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん