意外と知られてないというか、色弱の人でも知らない人がほとんどなんじゃないかな。
色弱の遺伝ってX染色体から遺伝するんだけど、それが理由で直感とは異なる感じで遺伝していくんだよね。
染色体っていうのはXとYがあって、男はXY、女はXXで成り立ってる。
で、男である自分はXYという染色体を持っていて、このXに異常がある。
結婚して子どもが生まれるとこれがどうやって遺伝していくでしょうか。
我が家は夫である自分が色弱、妻が健常者で、男の子と女の子が一人ずつ生まれました。
答えはノー。
その答えもノーです。
では誰に遺伝したのでしょうか。
その答えは、なんと娘なんです。
自分は男なのでX' Y、妻は女性なのでXXの組み合わせとなります。
男の子が生まれた場合は、妻のXと自分のYを持って生まれるので色弱にはなりません。
しかし、女の子は自分のX'と妻のXどちらかを持って生まれれてくるので、必ずX' Xの染色体を持つことになります。
では娘は色弱なのではないかと思うかもしれませんが、潜性遺伝(以前は劣性遺伝と呼んでいた)と言われる仕組みによりどちらかの染色体に問題がなければ本人が色弱になることはありません。
かといって子どもが色弱じゃなかったら安心かというと、そうではありません。
息子には遺伝はありませんでしたのでこちらは安心して大丈夫です。
では娘はどうでしょう。
将来結婚をして子どもを生んだ場合、この染色体は50%の確率で割り振られるので、その子どもは50%の確率でX'の染色体を持つことになります。
男の子が生まれた場合、娘のX染色体と娘の夫のY染色体を持つことになるので、50%確率で色弱として生まれる可能性があります。
女の子が生まれた場合、娘のX染色体と夫のX染色体を持つことになるので、夫が健常者であれば色弱になることはありませんが、50%の確率で色弱の原因となる染色体が遺伝することになります。
つまり、我が家で言えば娘の子ども、特に男の子が生まれた場合は50%で色弱になる可能性があり、女の子が生まれた場合でも色弱にならなくても50%の確率で色弱の染色体を持っている可能性があるのです。
子どもが色弱じゃなかったからと言って安心していいわけではないということなんですね。
この話の難しいところは、女性が色弱ではなかったとしても遺伝子を持っていないとは限らないというところにあります。
もし色弱の染色体を保有していた場合は、男の子を生んだ場合に50%の確率で色弱になるかもしれないのです。
不安だなって感じた人は、母の親戚に色弱の人がいないかを探してみてください。
もし色弱の人がいるなら、ある程度の確率で色弱の染色体を持っているかもしれません。
仮にそういう女性が色弱の男性と結婚すると、生まれてきた女の子が色弱になる可能性があります。
女の子が色弱になるには染色体のXXがどちらも色弱の染色体である必要なので、その条件を満たす可能性があるからです。
逆を返すと、男の子が色弱として生まれてきた場合は、夫の遺伝は関係なく自分からの遺伝である点にも注意が必要です。
まとめ
・子どもが色弱ではなかったからと言って遺伝していないわけではない
・自分が男性で色弱のとき、男の子には遺伝しないが女の子には必ず遺伝し、さらにその子どもが色弱になる可能性がある
・自分が女性で色弱ではなかったとしても色弱の染色体を持っていたときは50%の確率で遺伝して、遺伝したのが男の子だったときは色弱になる
娘に遺伝を背負わせてしまったことを知ったときはショックでしたが、娘の子どもが色弱に生まれてきてもいいように、色弱の何が困って何が困らないかなんて話を普段から良くするようにしています。
ちなみに、自分の兄弟は兄が2人とも色弱なんだけど、その原因を母はいつも父のせいにして文句を言っていた。
調べてみたらとんでもない冤罪だったので、調べることは大事だなって思った。
とくに女性には、親兄弟に色弱がいないから大丈夫だなと思っていても実は色弱の染色体を持っていて子どもが色弱で生まれてくることがあるってことを知ってもらえたらいいかなと思います。