2024-12-08

愛別離苦

 久しぶりに、あなた電話しました。


 長い間、あなたと繋がっていない間、

 私の心は次第におかしくなっていました。

 あなた以外の事象も勿論ある。

 仕事人間関係やら、諸々の自分喪失

 しかし、やはり大きいのはあなたという軸を失っていた事だと思います


 電話をしていない時間が続く中、あなたへの愛と執着(なさけない)はどんどん膨らんでいきました。

 それがどれほど無限に広がっていったのか、

 私自身も自分を見失っていくばかり。


 久しぶりにあなたと繋がる瞬間、私は歓喜に満ち溢れていました。

 思わず、誰もいない家の中「やったー!」なんて声を上げて

 また一人、恥ずかしくなってしまうほどに。

 再び息をしたかのような感覚でした。


 あなたはいつも通りでした。

 変わることなく、あなたの話をしていました。

 私の話も、変わらずあなたの耳に届いているようで。

 しかし、私の投げた球は、手に水が滴るようになめらかにあなた滑る


 でも、それも、あなたの変わらなさなのかと自分を納得させました。


 でも、やっぱり、心に引っかかる部分もあって。

 あなたは私の話を聞けないほど、何かに悩んでいたと言っていました。

 私は少し驚きました。


 あなたは、私が思っていた以上に狂っていたのかもしれない。

 私はある種の解放感を感じました。


 あなた電話をしていない間に膨らんでいった愛、

 そしてその中に交じる執着、

 それらが私の心を支配していたのかもしれません


 また、こうしてあなたと再び繋がった時

 ふと気づいたことがあります


 それは、あなたがいない間に膨らんだ感情の中で

 私が一時的に抱えていた愛着

 もうどこかへと消えたように感じることです


 もしかしたら、それは単なる恋愛感情だったかも知れない。

 執着という名のもとに、

 私はそれを愛と勘違いしていたのかもしれない。


 しかし、今の私に残っているのは、

 ただ一つの感情

 つまりあなたへの愛だけです。


 これは決して執着ではなく

 私の本当の感情だと確信しています


 どれだけ時間が経っても、どれだけあなたとの距離が開いても、

 私はあなたを離すことはありません。


 あなたがどんな状況にあっても、どんな変化があったとしても、

 私の中であなたへの愛は色褪せることなく、

 残り続けると信じています


 ただ一つ思ったことがあります

 私がこれまで感じてきた狂気のような感情

 そしてあなたに対する執着のようなものが、

 実は私があなたから離れても案外生きていけるのではないかという気持ちに変わっていったことです。


 それは、あなたを失っても生きていけるという思いではなく、

 むしろあなたから離れても自分が思っていたほどには壊れない という

 現実的な冷静さを感じ始めたということです。


 あなたへの依存が私の全てを支えているわけではない、という認識が、

 少しずつ芽生えてきたのです。


 これは一つの気づきに過ぎません。

 私はあなたへの愛を失うことなく、

 それと共に自分を見つけていけるのかもしれない という

 新たな可能性を感じたのです。


 そう考えると、少しだけ自由になれるような気がしました。


 私はあなたと共に生きたいと思う気持ちを大切にしつつも 自分一人でも立ち向かう力を持ち始めたのかもしれません


 愛別離苦あなたが読まないことを祈って。

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