2024-12-02

『チキタ⭐︎GUGU』

孤児少年キタ他人の厚意に甘えつつギリギリなんとか一人暮らしをしていたが、突然人喰い妖怪ラーが家に住みつき飯を作ってくれるようになる

ラーはチキタが赤子の頃に両親と祖父母を食い殺して孤児の身に追いやった者だが、チキタだけは特異な体質を持つが故に生かし、一定期間肥育した後に食うのだという

その日暮らしのチキタは、いずれ食われるとしても当分の飯をもらえるならとゆるくラーを受け入れる

ラー不思議能力に影響されてチキタの成長は止まり不老不死の身となった

一定期間とは100年だ

キタ支援をしてくれていた一家の娘はチキタと同い年であったが、彼女は幼いままのチキタを置いて年頃に育ち、遠くへ嫁いで行く

「同い年なのにいつもお姉さんぶってきてたけど、今じゃ本当に歳の離れた姉弟しか見えないだろうな」と見送りながらチキタつぶやく

この結婚式を見送るくだりが好きでたまに脳内リピートされる

キタ初恋だったのではないか

ラーの姿は不定形で男にも女にも動物にも気まぐれに姿を変えるが、共にいるうちチキタは実の両親を食い殺したラー家族のように思う

100年経って食われてあげることを夢見る

ラーは強力な妖怪だが、実は更に強力な術者が人間に術をかけて生み出した存在だった

その術者は不老不死だったが人生に満足しきりもうなにもいらないと悟ったことでじきに自然死するようになっていた

術者を看取った後でラーの術も解けて人間に戻った

ラーは生まれつき両手足と皮膚がない、赤黒い奇形赤ん坊だった

まともに生きられないので哀れまれ術をかけられたが、解けた今は本来運命通りに死んでいくしかなかった

ラーが人喰い妖怪となったのは食わないと生きられない体というわけではなく、ただ健常者への嫉妬で貪っていただけだった

キタラーを愛しているので赤黒い奇形の姿に戻っても必死介護をした

臓器もまともに形成されていないので、給餌しても吐くか下痢かで栄養を受け付けず、体は常に汁を垂らしラーは苦しみ抜いた

キタは一日中洗濯しては清潔な白い布をラーにあてがうが、滲出液ですぐにカピカピになってしま

今手荒れがひどいからこのくだりをすごく思い出す

この謎の液体が手どころか全身から出てるのがラーなんだ

もう本当に皮膚科行かないとな

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