2022-01-22

永久に繰り返す定義論争

どうも、言語ゲーマーです。

最近少女漫画定義論で盛り上がっていたみたいですね。

もう何回目でしょうか、この手の定義論争は。

少女漫画か否かレーベルで決まるなら移籍した途端に少女漫画でなくなるのか、などと、ラノベ定義論の時と全く同じことを言っています

まさにスニーカー文庫から角川文庫に移った実例がいくつかあったため、エッジケースとしてよく議論されていました。

外形は全く同じなんですよ。

ラノベ定義論争、SF定義論争、本格ミステリ定義論争、ハイファンタジー定義論争、ロック定義論争、メタル定義論争、渋谷系定義論争、ロキノン系定義論争、オープンワールド定義論争……

あのねえ、数学用語定義ならともかく、人の世に、はっきりくっきりここからここまでがこの言葉範疇ですって線引けるような概念なんか無いんですよ。

エッジケースなんて人によって判断が分かれて当然でしょう。

それでも、少なくともワンピース少女漫画ではないし、ガラスの仮面は誰に聞いても少女漫画といえる。

少女漫画という概念定義はなく、それでも明確に、皆に共通するイメージがあるんです。

それはレーベルだったり、内容だったり、読者層だったり、色んな要素なんです。

どれかひとつじゃない。

要素全部なんです。

全部なんですが、全部満たしていることが要件ではない。

少女漫画っぽさっていうのは、色んな要素でちょっとずつ結びついている。

あれとこれはここが似ている、こっちはこういう要素が似ている、似てる・似てる・似てるを繰り返し、あまり似ていない両端の漫画同士でも同じ少女漫画というカテゴリに入れられる。

これが家族類似性です。

ウィトゲンシュタイン「ゲーム」という単語定義でこれを説明しました。

一人でやるゲームもある。勝敗のつかないゲームもある。会話だけで行うゲームもある。

サッカーソリティアマインクラフトはその構成要素は全く似ていないですが、どれもゲームと呼ばれます。これらうまく包含してしかゲームでないものを含まないようにする定義など不可能なのです。

上に挙げた全ての定義論争はこれと同じです。

我々が扱っているのはそもそも自然言語だということを真摯認識すべきなんです。

どうして定義なんかしないといけないのでしょうか。

少女漫画とくくらずに、「少女漫画レーベルでは、」とか適切に限定した主語を使って語ったらいいだけではないのでしょうか?

  • レーベルが変わったら中身まで変わるぞ テコ朴だってあっちの雑誌で連載しようものならマジで人権派格闘漫画になりかねない

  • サッカーとソリティアとマインクラフトはその構成要素は全く似ていないですが、どれもゲームと呼ばれます。 所謂プログラムを書くとかいうのがゲームにならないのは何故なんだろう...

    • サッカー 勝ち負けがある 対戦形式 ソリティア 勝ち負けがある マインクラフト 勝ち負けない ゲーム機でできる マルチプレイ可 上のみっつは、所謂一般的なゲームの要素があ...

  • ラノベ誕生前に創作されてる作品をラノベ枠に入れるのはどうかと思う。 anond:20220122132640

  • みんなが納得する薄い定義を誰も見つけようとしないからな。まあ少女向けに描かれた漫画以外無さそうだけども

  • もう主語大きいぞって書く人力ボットも実装してほしいよね。パンティとかしゃぶれとかクンニとか無駄なことしてひまつぶしてんじゃなくてさ。

  • 少女漫画という概念に定義はなく っていうのが致命的に間違えてるんだわ。 原初に出版社が商品の分類として「少女漫画」を使いだしたんだから、レーベルありきが定義として存在し...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん