2018年09月04日
蛇腹鍼はバーブレスか?
MARUTOフックの土肥富さんには、ずっとお世話になっています。名の通ったメーカーに負けない品質のフライフックを製造・販売していて、その安さと随分前からネット通販にも対応していて、もう何年も他のメーカーのフックはほとんど買っていません。
ところで、ここの通販には、2つの特徴があります。
まず、フックを100本単位で売っていること。多分、それもあって、ほとんどのスタンダードな形状のバーブレスフックでも、一袋650円程度という破格で提供できるのだと思います。(100本なんて要らないと思われるかもしれませんが、意外にすぐ使い切ります…って、それは私の釣りの腕が足りないせい?汗)
そして、もう一つの特徴は3500円以上購入すると、送料無料になること。実はこの設定が絶妙で、ついつい余計に買ってしまいます。例えば、650円×5袋だと3250円で、これなら送料を出すよりもう一袋買ってしまいますよね?これにより、ほとんど毎回、よく使うフックは2袋目とか、時には新製品や今まで使ったことのないフックも購入する羽目に陥ります(汗)。
さて、先日も久々にフックの充当のために土肥富さんの通販サイトでお買い物…。またまた、4袋カートに入れた後、送料無料まで1000円位足りません。(これ表示されます。)う~ん、何か他にあるかな~?最近サイトも見やすくなって、バーブレスセクションに今まで見たことのない型番のフックがあるのにすぐ気が付きます。
d31MRBL-SSC
長めのシャンクで#14なら、ボディーを長めに使うスタンダードパターンやテレストリアルが巻けるでしょう。他のフックよりちょっと高めですが、1000円ちょっとで、送料無料には丁度いい。SSCだから高いのかな?と、SSCが何なのかも知らずにそのまま購入手続きに…。
フックが届いたのは先週のことです。翌日の釣行に合わせて、金曜夜にあと1本しかボックスに残っていなかったロイヤルオーストリッチを3本、この新しいフックで巻いてから布団に入ります。
そして、翌土曜日に養沢で25尾の釣果がありましたが、最初と最後の5尾ずつ以外は、このフックのROでマスたちを釣り上げました、何も知らずに…。
さて、翌日曜日、養沢釣行の記事を書きながら、もう1本撮影用にROを巻いてから、ちょっと気になっていたので、情報収集です。土肥富さんの通販サイトには特にSSCの情報は掲載されていないようですが、同社のホームページに「2018年カタログ(フライフックは掲載なし)」を見つけて、ついにSSCとは何かが解明しました!(海釣りフックのイラスト入りです。)
土肥富さんの特許技術だそうですが、本当でしょうか?
バイスにフックだけをセットしてみますが、私の肉眼では判りませんので、写真を撮ってパソコンで拡大してみると…
おぉ、なるほどうっすらとフックポイントの根元に溝が並んでいます!グリップというくらいですから、それは、ペンチのギザギザみたい。蛇腹切りとも呼んでいるので、例のあのキュウリの酢の物にも使われる切り方で例えているのですね。
そう言われてみると、その効果に関して、思い当たる節もあります。
単なる気のせいで、偶然なのかもしれません…。でも、もし以上のことが事実なら、この蛇腹切り加工は本当に効果があるのかもしれません。(もちろん、このフックといつものフックとの違いは蛇腹だけでなく、その他の違いが釣果に影響した可能性もありますが…)
と、ここで、私の胸には得も知れぬ罪悪感が湧き起こります。
これって、バーブじゃないの?管釣りではバーブレスフックでしょう?何より、この鍼のために魚が不要な痛みを被っていたのなら、何て可哀想な事をしたのだろう…。あのフライを飲み込んだ魚は大丈夫だろうか…?
土肥富さんの通販サイトでは、このフックを「バーブレス」として販売しています。確かに通常のバーブド(返し付)フックではなく、最新テクノロジーを使った全く新しい種類のフックです。でも、その説明は直ぐに見つかる所にはなくて、せめて鍼の正しい外し方は、事前に知っておきたかったです。
と、思ったりもしたのですが、ちょっと待てよ…、カタログの説明はかなり大きな海釣りの釣り針の事で、ギザギザ溝の鋭さ、深さも、はっきりくっきりしています。それに比べて、小さな14番のフライフックのギザギザはほんとに微小…肉眼ではあるのかないのか判らないくらいです。
私の中の実験君が眼覚めます(笑)。
実際にまずは身の回りの布という布に、この釣り針を刺してみました。すると何の問題もなく、スルリとすぐに外せます。マイクロファイバーのタオルを使って、ちょっと意地悪にフックポイント根元のギザギザをなするように刺したり外したりしてみると、若干引っかかりを感じますが、それでも繊維が絡まって出てくることはありませんでした。その後、ちょっとおっかなびっくり自分の指にも刺してみます。(皮膚の上の方だけです。)
<良い子は真似をしないように…>
ご心配なく。こちらも難なく外せます。そういう意味では、この加工は、いわゆるバーブドフックの返しのような悪性のものではないのかもしれません。まあ、この蛇腹効果をしっかり調べるためには、鮮魚の切り身とかでの比較実験とかが必要かもしれませんね。(土肥富さん、やってるかな?)
さて、たった1度の釣行の15尾ほどの釣果からの不確定情報ですが、このフックはどう分類すべきなのでしょう?
この新しいフックポイントの根元の加工は、いわゆる通常の「返し」とは明らかに違います。「返し」は鋭く引っかかり、人体にも魚にも明らかにダメージを与えます。また、バーブをペンチで潰したフックの方が、このフック上の段差より大きいかもしれません。でも、引っかかって外れないようにすることを前提に加工された溝はたとえそれが小さくても、用途はバーブと同じだし、現にカタログの文言でも「グリップバーブ」という言葉が使われています。
う~ん、結構、物議をかましそうな新しいテクノロジー、SSC。
世の中には、技術の進化とともに、今までのルールではカバーできなくなることがありますが、これもその一例でしょうか?
私はバーブレスを100%推奨する派ですので、悩ましいところです。もし少しでも魚に害があるのなら、止めておいた方がいいのでしょうが、本当に釣果が上がるのなら、「蛇腹切り」はバーブレス派にとって悪魔の囁きなのかもしれません。潔く全部棄てる?…まだ、ちょっと悩んでみます。
<管釣りの管理人さんにも判らないでしょうね…>
※ この記事は読者の皆様との情報共有のために書きましたが、このフックの使用感については個人の感想で、決してその性能を保証するものでも、また、商品自体を個人的に推奨するものでもございません。もし同じフックをお使いの方がいらっしゃれば、ご意見・ご感想はウェルカムですし、そうでなくても真摯なコメントは受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。- jbopper
SSCというテクノロジーは凄いです。
~蛇腹で効かす!新技術~
マルト独自の新技術『針先ギザギザ加
工』により、かかった魚はしっかりホール
ド。リールを巻く間も、ギザギザ加工が
生み出す「スベリ止め効果」で、バラシ
率激減。リリース時には、ギザギザのな
い針の外側に向けて針を引けば簡単に
魚を傷つけずにはずすことができる。
“しっかりかけて、しっかりホールド”す
る新技術、マルト「グリップバーブ」で釣
果UP
土肥富さんの特許技術だそうですが、本当でしょうか?
バイスにフックだけをセットしてみますが、私の肉眼では判りませんので、写真を撮ってパソコンで拡大してみると…
おぉ、なるほどうっすらとフックポイントの根元に溝が並んでいます!グリップというくらいですから、それは、ペンチのギザギザみたい。蛇腹切りとも呼んでいるので、例のあのキュウリの酢の物にも使われる切り方で例えているのですね。
そう言われてみると、その効果に関して、思い当たる節もあります。
あの日は魚たちの多くが、流れの底から勢いよくフライにアタックし、すぐに底に戻って行きました。にもかかわらず、このフックのフライでは、毎回しっかりフッキングしていた気がします。しかも、ゆっくり目の合わせを意識していたのですが、小さな魚でもちゃんとフッキングできていました。(ビデオ後半のフッキングできなかったシーンは、このフックから通常のバーブレスフックのROに変えた直後でした。)また、このフックのフライの時にはバラシもほとんどなかった気がします。それに、キャッチした魚の口からフライを外そうとしても、直ぐに外れないことがありました。
単なる気のせいで、偶然なのかもしれません…。でも、もし以上のことが事実なら、この蛇腹切り加工は本当に効果があるのかもしれません。(もちろん、このフックといつものフックとの違いは蛇腹だけでなく、その他の違いが釣果に影響した可能性もありますが…)
と、ここで、私の胸には得も知れぬ罪悪感が湧き起こります。
これって、バーブじゃないの?管釣りではバーブレスフックでしょう?何より、この鍼のために魚が不要な痛みを被っていたのなら、何て可哀想な事をしたのだろう…。あのフライを飲み込んだ魚は大丈夫だろうか…?
土肥富さんの通販サイトでは、このフックを「バーブレス」として販売しています。確かに通常のバーブド(返し付)フックではなく、最新テクノロジーを使った全く新しい種類のフックです。でも、その説明は直ぐに見つかる所にはなくて、せめて鍼の正しい外し方は、事前に知っておきたかったです。
と、思ったりもしたのですが、ちょっと待てよ…、カタログの説明はかなり大きな海釣りの釣り針の事で、ギザギザ溝の鋭さ、深さも、はっきりくっきりしています。それに比べて、小さな14番のフライフックのギザギザはほんとに微小…肉眼ではあるのかないのか判らないくらいです。
私の中の実験君が眼覚めます(笑)。
実際にまずは身の回りの布という布に、この釣り針を刺してみました。すると何の問題もなく、スルリとすぐに外せます。マイクロファイバーのタオルを使って、ちょっと意地悪にフックポイント根元のギザギザをなするように刺したり外したりしてみると、若干引っかかりを感じますが、それでも繊維が絡まって出てくることはありませんでした。その後、ちょっとおっかなびっくり自分の指にも刺してみます。(皮膚の上の方だけです。)
<良い子は真似をしないように…>
ご心配なく。こちらも難なく外せます。そういう意味では、この加工は、いわゆるバーブドフックの返しのような悪性のものではないのかもしれません。まあ、この蛇腹効果をしっかり調べるためには、鮮魚の切り身とかでの比較実験とかが必要かもしれませんね。(土肥富さん、やってるかな?)
さて、たった1度の釣行の15尾ほどの釣果からの不確定情報ですが、このフックはどう分類すべきなのでしょう?
この新しいフックポイントの根元の加工は、いわゆる通常の「返し」とは明らかに違います。「返し」は鋭く引っかかり、人体にも魚にも明らかにダメージを与えます。また、バーブをペンチで潰したフックの方が、このフック上の段差より大きいかもしれません。でも、引っかかって外れないようにすることを前提に加工された溝はたとえそれが小さくても、用途はバーブと同じだし、現にカタログの文言でも「グリップバーブ」という言葉が使われています。
う~ん、結構、物議をかましそうな新しいテクノロジー、SSC。
世の中には、技術の進化とともに、今までのルールではカバーできなくなることがありますが、これもその一例でしょうか?
私はバーブレスを100%推奨する派ですので、悩ましいところです。もし少しでも魚に害があるのなら、止めておいた方がいいのでしょうが、本当に釣果が上がるのなら、「蛇腹切り」はバーブレス派にとって悪魔の囁きなのかもしれません。潔く全部棄てる?…まだ、ちょっと悩んでみます。
<管釣りの管理人さんにも判らないでしょうね…>
※ この記事は読者の皆様との情報共有のために書きましたが、このフックの使用感については個人の感想で、決してその性能を保証するものでも、また、商品自体を個人的に推奨するものでもございません。もし同じフックをお使いの方がいらっしゃれば、ご意見・ご感想はウェルカムですし、そうでなくても真摯なコメントは受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。- jbopper
この記事へのコメント
jbopperさん、はじめまして。
SFMと申します。
とても興味深く読ませていただいたところです。
僕も土肥富のハリは好きで、ほぼ主力で使っております。
蛇腹のハリ先はまだ使っていませんが、来年の盛期に試してみようと思います。
さて、見解が分かれるところかと思いますが、アゴではなくて溝であるあたり、この考え方もアリではないかと僕は思います。
製造元の技術力を感じたところです。
状況によってですが、ヒネりを入れた小さなチヌ鉤やセイゴ鉤のかえしをつぶして使うこともあります。
これもけっこうバレにくいような気がしています。
SFMと申します。
とても興味深く読ませていただいたところです。
僕も土肥富のハリは好きで、ほぼ主力で使っております。
蛇腹のハリ先はまだ使っていませんが、来年の盛期に試してみようと思います。
さて、見解が分かれるところかと思いますが、アゴではなくて溝であるあたり、この考え方もアリではないかと僕は思います。
製造元の技術力を感じたところです。
状況によってですが、ヒネりを入れた小さなチヌ鉤やセイゴ鉤のかえしをつぶして使うこともあります。
これもけっこうバレにくいような気がしています。
Posted by SFMちゃん at 2018年09月04日 22:38
marutoフックは気になってました。
やはり安価かつ高品質ですから。英国製P社
、米国製M社はひどかったです。
フライフックを席巻したともいえる愛用する某T社のフックも製造自体は日本のフック製造会社のはずです。
閉店する釣具屋で買ったフックがなくなれば、この蛇腹式バーブレス選択肢にします。
昨日は、カキコした通り35㎝級岩魚を釣りそうになりました。
と言っても、それは同行者でした。2度かけて1度目はフックはずれ、2度目はティッペット切れでした。
2度の絶叫が響き渡りました。
私はといえば180センチ級1匹あげました。軽い鉄砲水に流されながらの生還です。 渡りきる寸前のホワイトウォーターでした。
雨もなく全く前兆無しです。いきなりの増水でした。
やはり安価かつ高品質ですから。英国製P社
、米国製M社はひどかったです。
フライフックを席巻したともいえる愛用する某T社のフックも製造自体は日本のフック製造会社のはずです。
閉店する釣具屋で買ったフックがなくなれば、この蛇腹式バーブレス選択肢にします。
昨日は、カキコした通り35㎝級岩魚を釣りそうになりました。
と言っても、それは同行者でした。2度かけて1度目はフックはずれ、2度目はティッペット切れでした。
2度の絶叫が響き渡りました。
私はといえば180センチ級1匹あげました。軽い鉄砲水に流されながらの生還です。 渡りきる寸前のホワイトウォーターでした。
雨もなく全く前兆無しです。いきなりの増水でした。
Posted by FFfreak at 2018年09月05日 08:13
> SFMちゃんさん
コメント、ありがとうございます!
確かに突起しているのではなく、削っているので、魚への
影響は最小限に抑えられていると言えるかもしれません。
ベテラン釣り師のインプレッション、期待しております。
> FFfreakさん
本文にも記載しましたが、このフックを決してお勧めして
いるわけではありませんし、このフックがバーブレスなのかも
議論の余地があると思います。是非、ご考慮ください。
川の怖さはご理解のことでしょう。お気を付けください。
コメント、ありがとうございます!
確かに突起しているのではなく、削っているので、魚への
影響は最小限に抑えられていると言えるかもしれません。
ベテラン釣り師のインプレッション、期待しております。
> FFfreakさん
本文にも記載しましたが、このフックを決してお勧めして
いるわけではありませんし、このフックがバーブレスなのかも
議論の余地があると思います。是非、ご考慮ください。
川の怖さはご理解のことでしょう。お気を付けください。
Posted by jbopper at 2018年09月05日 09:44