ヒッカツ! (矢上裕 電撃コミックス 2006年二月現在、2巻まで発売中)
舞台は近未来、地磁気異常によって機械の故障・暴走が頻発している大故障時代。
主人公は「回復打撃」なるものを極めんとする少年、ショータ。
「かいふくだげき?」と目が点になる少女に彼は語る。
曰く、
「映りの悪いテレビを叩いたことはないか?
エンストした車を蹴ったことは?
少なくとも故障した自販機を叩いた覚えはあるだろ
――それを技として磨いたものが回復打撃だ」テレビ、自販機、ストーブ、小屋、パソコン……「とうりゃああっ!」の気迫もすさまじく、壊し続けてなんと10年!
……駄目だコイツ!!!……と言いたくもなりますが、まあちょっと待ってください。
コケの一念岩をも通す。そんな言葉もございます。
そう、この人間的に紙一重な修行が本当に実を結び始める所から、この物語は始まるのです。
回復打撃実現の一端を掴んだショータは、鳩に育てられたモモコ、回復打撃で金儲けをもくろむカンジの二人を伴い、さらに技を磨く修行の旅に出ます。
しかし時は大故障時代。旅をするには、荒廃した「無法地帯」を越えて行かなければなりません。
お尋ね者、変異生物、暴走機械、あちこちに点在する、特殊な趣味に人生を賭けちゃってる皆さんの集落「同人区」……無法地帯にはトラブルの種が一杯!(「犬に見つめられる同人区」はちょっと行ってみたい)
しかしドタバタな珍道中の中で、ショータはどんどん回復打撃をものにしていきます。そしてやがて、修行の先にある彼の「目的」が明らかに……
「お前まさか……回復打撃で○○を直すつもりなんじゃ……!!」馬鹿馬鹿しい目的に向かって真摯に全力で努力するショータの姿は笑いを誘うと共に、どこかうらやましくなってしまうかも。
「いいなあ……俺も馬鹿になりたい!!(c.島本和彦)」みたいな。
興味のある方、ぜひご一読あれ。
……と思って、本屋をのぞいてみたら、2巻しか売ってませんでした。
悲しいです。
頑張って探してきます。
集英社や講談社の本に比べると店頭ではあまり見かけられないので、
少し大きめの本屋さんに行った方がいいかもですね。
ぜひぜひゲットしてくださいっ。
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