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チベット問題 日本マスコミが伝えない中国の真実 4

3回にわたって書いてまいりましたチベット問題。今回は、ダライ・ラマ法王亡命後のチベットについて紹介していきます。その前に、ちょっとおさらいをしておきましょう。
 
 1956年、人民解放軍によるダライ・ラマ暗殺の噂が飛び交ったチベットで、噂を聞きつけた民衆3万が、ラサにある夏の宮殿周辺に集結。抗議運動が暴動化し、鎮圧しようとした解放軍が民衆に向けて砲撃を開始。チベット国内は大混乱に陥り、ダライ・ラマ以下、チベット国民8万がインドへと亡命する事態に。後にチベット動乱と呼ばれる56年から続いた中国支配への抵抗は、チベット国民8万数千が死亡する最悪の結果となった。ダライ・ラマ亡命を知った周恩来首相はチベット政府の解散を宣言。ここにチベットという国は中華人民共和国に滅ぼされたのでした。

 国家元首を失ったチベットの民は、現在に至るまで、政治、思想、宗教、文化的弾圧を受け続けています。特に60年代後半から中国大陸を吹き荒れた『文化大革命』の嵐も、容赦なくチベットを襲います。
 1958年から始まった、毛沢東による大躍進政策は大失敗に終り、中国国内の経済は崩壊し、飢餓で2千万~5千万人と言われるほどの餓死者を出し、毛沢東は国家主席を辞任。権力の座を明け渡した形となった毛沢東でしたが、林彪らを使って劉少奇国家主席などを権力の座から引き摺り下ろそうと画策。

 主に、毛沢東を信奉する10代の若者によって組織された『紅衛兵』は、『実権派』と呼ばれた当時の劉少奇、小平などに代表される権力者、資産家、インテリなどを中心につるし上げ、各地で大規模な殺戮を行い、11年に及ぶ文化大革命の間に、2千万人もの人命が落とされました。また、宗教を否定するマルクス主義を極端に解釈した紅衛兵は、チベットに凶暴な牙を剥きます。
 
 チベットに襲い掛かった紅衛兵は、寺院を破壊し、仏教を信仰する人々を殺戮し、投獄、拷問、処刑とありとあらゆる破壊活動を展開。
この紅衛兵を代表とする中国による破壊は、チベット亡命政府発表によると、当時あった寺院の99%以上である6千もの寺院を破壊し、120万人ものチベット人が命を落とす、想像を絶する被害をもたらしたようです。

 あまりに凄すぎて、想像も出来ないというか、イメージが湧きませんね・・・人間ってここまで出来るんだと、絶望してしまいます。チベットのような平和な仏教国に、このような地獄の門が開くなんて・・
紅衛兵は煽った張本人である毛沢東にも制御出来なくなって、人民軍を投入によって解散させれられますが、これはたったの50年程前に起こった話で、今現在も、当時と同じ『中華人民共和国』が中国大陸を支配しているのです。ああ・・恐ろしい・・
 (余談ですが、日中戦争時に死亡した中国人の数が年々増加している事が話題になりましたが、毛沢東による大躍進政策、文化大革命で死亡した数を、日中戦争で死んだ事にして、実際の死亡者数に加算しているそうです。なんでもありだな?中国ってのは。)

 話を戻します。狂気の嵐が去って、平和な時代がチベットにやってくるのかと思いきや、まだまだ中国によるチベットへの弾圧は続きます。
 まず政治的には、チベットに残ったダライ・ラマ法王に次ぐ、最高権威パンチェン・ラマ10世は、中国によってダライ・ラマ法王への批判を強要されますが、これを拒否し、逆に中国の横暴を批判。

 本来、このパンチェン・ラマ10世は、国共内戦当時、国民党によって勝手に転生者として任命され、その後共産党側の手に落ちる。ダライ・ラマが転生者の認定に関わっていないため、チベット側は認めてこなかったのですが、17か条の協定(詳しくは前々回のエントリー参照)を結ばされた際、パンチェン・ラマの認定も強要されたのでした。そういう経緯で認定されたのだから、中国側は思い通りになると踏んでいましたが、まさかの中国批判。

 激怒した中国は、パンチェン・ラマを10年間にわたって独房に監禁し、安否情報すら一切知らせなかった。ようやく、監禁から14年目に公式の場に姿を見せた際、ダライ・ラマにチベットに戻るよう呼びかけますが、中国側の命令であったことは言うまでもありません。
 しかし、不屈の闘志で中国に抵抗し続けるパンチェン・ラマ10世は、チベットの現状を打破するため、中国側と交渉を続けますが、1989年、チベットを訪れた際、中国批判を展開したパンチェン・ラマは数日後、不可解な死を迎えます。

 ダライ・ラマとパンチェン・ラマは、互いに次の転生者を認定する関係で、パンチェン・ラマ10世の死、イコール次の転生者指名という問題が出てきます。ダライ・ラマ法王は次のパンチェン・ラマ候補を捜索し、1995年、当時6歳のニマ少年をパンチェン・ラマ11世として認定します。その数日後認定を受けたニマ少年は、両親と共に中国警察当局に極秘裏に連れ去られ、現在まで行方がしれず、国際社会から再三の面会要求にも関わらず、中国側はこれを拒否し続けています。

 その理由は大変ばかばかしいものですが、呉健民国連大使(当時)曰く『少年は分裂主義者によって連れ去られるおそれがあり、身の安全が脅かされている』そうで、『中国当局は、ダライ・ラマ法王によるパンチェン・ラマの認定を非難し、ニマ少年が転生霊童であるとは認めていない』んだそうです。

無宗教の共産主義者が宗教指導者を認定する??バ○も休み休み言え!と言いたい。

 このパンチェン・ラマに関する記事を読んだのが、4回にわたるチベット問題のエントリーを書くきっかけとなったのですが、現在、ダライ・ラマ法王が認定したニマ少年を監禁する一方、中国側は別の少年をパンチェン・ラマ11世として『認定』したそうです。現在のダライ・ラマ14世は高齢ということもあり、このまま中国当局の『認定』するニセモノが次のダライ・ラマを認定するなんて事になれば、この世から、チベットという国だけでなく、チベット仏教、文化も消えてなくなるでしょう。

 中国は、現在でもチベット内で独立を叫んだり、デモをした人間を逮捕、拘束し、寺院では、ダライ・ラマを批判する事を僧侶に強要しています。さらに、チベット女性には避妊手術を行い、チベット人が増える事を制限し、700万人もの大量の中国人をチベット内に移住させ、現在ではチベット人が少数派となっており、教育現場でもチベット語はほとんど教えず、漢族との同化を目論んでいます。就職の機会もチベット人にはほとんど与えられず、ほとんどのチベット人は、貧民へと転落。この様に、チベットでありながら、中国の一地方へと着々と支配は進んでいます。

 この同じアジアにあって、中国という隣国が行っている非道な侵略を、なぜ日本のマスコミは報道しないのか。なぜ日本の政府はアメリカなどのように、チベットの人権について中国を非難できないのか。このような同じ人間とは思えない所業を許すのか?ちゃんと報道しろよ!

 ダライ・ラマ法王には、もうあまり時間がありません。最近ではチベット人の完全自治を条件に、独立は言わないと譲歩されたようですが、中国側は、実効支配がほぼ完成した状況であることから、法王の要求が実現する事は難しいと思います。しかしながら、一本の糸で繋がった最後の希望であるといえますので、なんとかチベットの人々が心待ちにしているダライ・ラマ法王の帰還と、チベット人による自治を果たして欲しいものです。

 今回でチベット問題についてのエントリーは4本目となりました。はじめはここまで詳しく書くつもりではなかったのですが、知れば知るほど酷い話だと、怒りを抑えられず(笑)にここまで書いてきました。ほとんどの情報はダライラマ法王日本事務所HPから得たものですが、人権侵害などの実態などは、想像を絶しています。他にもチベットにはたくさんの問題があります。核の廃棄場、核実験場など、あまりに問題が大きくて絶望しそうになりますが、興味をもたれた方は、是非一度訪れてみてください。

参考URL

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所HP





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コメント

今朝の朝日新聞で

はじめまして。朝日新聞が中国のチベット侵略を「進駐」と表記しました。
とんでもないことだと思います。

トラックバックさせていただきましたので、よければごらんになってください。

>PONZさん
貴サイトを拝見させていただきました。もう朝日には怒る気にもなりません・・あれはただの『アジビラ』と思ってみたほうがいいかと。

いろいろ見てるとブログって一人一人特徴があっていいですよね^0^だから私も楽しんでやってます!またちょこちょこきますね☆

コメントありがとうございます

>☆^∇゜) さん

古いエントリーにコメント頂きまして、ありがとうございます。またご訪問ください。

>教育現場でもチベット語はほとんど教えず、漢族との同化を目論んでいます。

これって、中韓が「日帝が植民地時代にした悪行」と言い張っていることと同じじゃないですか。それ以外の諸行を見ても、これよりはるかに酷い事ばかり。
義を以って誅すべし!

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